2011年5月発売
ゲーム作家に憧れて職を失なった正彦は、桐生慧海と名乗って、同じく失業者の矢口と共に金儲け目当ての教団「聖泉真法会」を創設する。悩める女たちの避難場所に過ぎなかった集まりは、インターネットを背景に勢力を拡大するが、営利や売名目的の人間たちの介入によって、巨額の金銭授受、仏像や不動産をめぐる詐欺、信者の暴力事件、そして殺人など続発するトラブルに翻弄される。
社会から糾弾され、マスコミと権力の攻撃のターゲットにされた「聖泉真法会」に、信者の家族が奪還のために押しかける。行き場を失い追い詰められた信者たちがとった極端な手段。教祖・慧海のコントロールも超えて暴走する教団の行方はー。人間の心に巣くう孤独感、閉塞感、虚無感、罪悪感、あらゆる負の感情を呑み込んで、極限まで膨れ上がる現代のモンスター、「宗教」の虚実。
「くれぐれも他言してはなりませぬぞ」妖怪との約定を違えた男の運命やいかに。安倍晴明の呪がさえわたる。若き陰陽師と笛の名手・源博雅が平安の京に起こる怪事件を解決する大好評シリーズ。
講談社が運営する無料ケータイサッカーサイト「ゲキサカ」(http://gekisaka.jp)で累計300万ページビューをたたき出した青春サッカー小説が待望の書籍化! 高校・中学など強豪サッカー部取材を数多くこなす著者が、「読めばサッカーがうまくなる」をモットーに、練習の大切さ、うまくなるために必要な意識の持ち方、食事を含めた自己管理など、サッカーの上達に役立つ情報を小説のなかで表現した作品。 亡き父の陰と相対する高校生の主人公・米倉ケンタの成長物語を中心に、個性的なチームメイトと協力し、監督が提示する難題に立ち向かう部分や、緻密な試合描写も見所のひとつ。 <あらすじ> 元日本代表FWを父に持つ、U-16日本代表MFの米倉ケンタが進学先の竹駒学園で出会ったのは、「サッカーを教えない」をモットーとする名将・天童監督だった。 「うまいだけの選手はいらない」 選手自身に「考えさせる」指導のもと、ケンタを中心とした新入生たちは徐々に成長していく。高校に入学するまでのケンタは、点取り屋として活躍した父と比較されることを嫌い、ドリブルやパスを武器にチャンスメイカーとしてのスタイルを確立してきた。しかし、天童監督はケンタが父親の存在から逃げていることを見抜く。目標であるプロになるためには拒否し続けてきた父親のプレースタイル、「ゴールへの貪欲な姿勢」を取り入れることが必要であり、「うまいだけではプロになれない」と自覚したケンタは……。
弟と二人で便利屋を営む昴は、ある日、超美形のロシア人、ウラジミールから大量の骨董品の梱包を依頼される。もしや盗品?…と疑う昴だったが、なんとウラジミールはその若さで個人の美術館を持つ大富豪。すっかり彼に気に入られた昴は、一緒に船でロシアまで行って欲しいと懇願され…。一方、ブラコンの弟、拓海はそれを阻もうと画策。桁外れのとんでも大富豪と嫉妬深い弟と…。ふと気づくと昴は船に乗せられ…。