小説むすび | 2011年6月発売

2011年6月発売

五山文学研究五山文学研究

出版社

笠間書院

発売日

2011年6月9日 発売

ジャンル

中国文学の圧倒的影響下にある 中世禅林の文学は、 日本文学から孤立しているのだろうか。 倦まず弛まず書物と格闘し新たな文学作品を生み出した、禅僧たちの営みを明らかにする。 また、その後の近世文学への接続、同時代の和歌や説話、公家社会の学問との関わりを探り、孤立しているように見えている五山文学を日本文学の中に組み込むべく、その存在を新たに捉える基礎作業を行う書。 【......五山文学の作品は、平安の漢文学とは連続性がほとんどなく、同時代の中国文学からの影響が圧倒的である。しかも日本文学の他ジャンルとの交流は、一部の和歌・連歌・謡曲などで部分的に指摘されているものの、全体的には孤立しているという印象を拭いきれない。資料整備という面では、『五山文学全集』『五山文学新集』という膨大な翻刻校訂の成果があるが、まだまだ未翻刻の作品は多く、周辺的な資料も埋もれたまま、まして注釈となるとごく一部に限られる。  このような現状に鑑み、本書では未紹介・未発見の資料をできるだけ翻刻という形でまるごと紹介するとともに、そこから読み取れる禅僧たちの文学活動(あるいは学芸一般に関わる活動)について考察することを目標とした。また、通時的には近世への接続を、共時的には和歌や説話、あるいは公家社会の学問との関わりについて考えようとした。】--本書より ●口絵カラー 〔古賛抄〕冒頭 新選分類集諸家詩(抄出本)・冒頭 唐絶句・冒頭 〔東坡詩聞書〕・扉/冒頭 覆簣集・冒頭 垂示(江隠宗顕)・冒頭/11丁表 本朝禅林撰述書目・冒頭/森大狂奥書 ーーーー はしがき 第一部 総論・論考 第一章 五山における漢籍受容    --注釈を中心としてーー 第二章 『九淵詩稿』について    --室町時代一禅僧の詩集ーー 第三章 三条西家旧蔵『経国集』紙背文書について    --公条と月舟寿桂ーー 第四章 瀟湘八景図と和歌 第二部 漢詩集ーー解題と翻刻ーー 第五章 〔古賛抄〕 第六章 新選分類集諸家詩(抄出本) 第七章 唐絶句 第三部 漢詩の注釈ーー解題と翻刻ーー 第八章 中世抄物研究の現在 第九章 瀟湘八景詩の抄物 第一〇章 都立中央図書館加賀文庫蔵『瀟湘八景鈔』 第一一章 臼杵市教育委員会蔵『八景詩』 第一二章 〔三体詩抄〕断簡 第一三章 〔東坡詩聞書〕 第一四章 覆簣集 第四部 その他ーー解題と翻刻ーー 第一五章 垂示(江隠宗顕) 第一六章 森大狂旧蔵 本朝禅林撰述書目 第一七章 書評 今泉淑夫著『日本中世禅籍の研究』 初出一覧 あとがき

魔法使いの国の掟魔法使いの国の掟

サウダーヂ=郷愁、とは何か。 ▼20世紀ブラジルのリオデジャネイロで活動した4人の詩人、マヌエル・バンディラ、カルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂ、ヴィニシウス・ヂ・モライス、セシリア・メイレーリスの詩作品を哲学や小説を含む西洋近代の思考の変遷に照らしつつ明らかにする。 ▼西欧文学との影響関係の分析を通して、リオデジャネイロという都市に流れる〈時〉、ブラジル、ポルトガル、リオの詩人や人々にとって神聖な言葉「サウダーヂ」(郷愁)の意味を読み解く。 序 リオデジャネイロに降る雪   第1章 魔法使いの国の掟 マヌエル・バンデイラと幼年時代     1 至福の時は忘却のなかからよみがえる 2 詩人たちは意のままに幼年時代を見出そうとする 3 詩は魔法を言葉によって失い言葉によって取り戻す 4 もっとも偉大な魔法使いはみずからをも欺く魔法使いである 楽園の日常   第2章 儚いものと永遠のもの セシーリア・メイレーリスと過ぎ去る女   1 絶えず逃げ去ろうとするものが永遠と出会う 2 詩は一瞬を永遠のものにすることができる 3 儚く失われるものが美しいものとして現れる 4 過ぎ去ることが永遠に留まることでもある 美しい季節の終わりの花嫁   第3章 前夜祭の予感 ヴィニシウスとカーニヴァル   1 祭りのなかで悲しみとよろこびはひとつである 2 祭りの直中にあるときそれについて語ることはできない 3 祭りの日々とは祭りに先立つ日々である 4 祭りを待ち望むよろこびが悲しみのなかで語る 愛はそれが続いているあいだは永遠である   第4章 言葉と幽霊 マヌエル・バンデイラと憑依   1 あらゆる作家はみずからの幽霊作家である 2 死を想う者は生きながらすでに幽霊として存在する 3 言葉を知らない者はまた死をも知らない 4 生とは未来の亡霊としてみずからに憑依することである カーニヴァルの遠い響き   第5章 見出されぬ時 ドゥルモンと無意志的記憶   1 おまえひとりは生き存えてこの物語を語り伝えよ 2 証言することができない者が真の証人である 3 すべてが廃墟となったあとに記憶という建物が残る 4 途方もない惨劇の証言となるのは証言の不在である コパカバーナ海岸の緩やかな弧   第6章 人魚姫の叶わぬ恋 セシーリア・メイレーリスと沈黙   1 声を失った人魚姫は海の泡となって消える 2 語り伝えられないことがもっとも重い悲劇である 3 純粋な悲劇ほど証人を持つ可能性は小さくなる 4 言われた言葉や開かれた言葉は空気のうえの空気でしかない 最初で最後のまなざしで落ちる恋   結 失われた幸福な結末を求めて     註   謝辞

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