2011年9月発売
人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。固い絆で結ばれた2人の前に現れた謎の女は、鈴音と同じ力を悪用して他人の過去を暴き立てていた。女の名は御堂吹雪ーその冷たい怒りと霜しみに満ちたまなざしが鈴音に向けられるとき、何かが起こる…。昭和30年代を舞台に、人の優しさと生きる哀しみをノスタルジックに描く“昭和事件簿”「わくらば」シリーズ第2弾。
ルーマニアの山奥で、中世の城が発見された。300年以上も土に埋もれていたはずなのに、昨日まで誰かが住んでいたかのように美しい城。その壁にかけられていたのは、日本人らしい女性の肖像画だった。絵の噂は日本にも伝わり、松橋美奈の周囲に波紋を呼ぶ。なぜなら、肖像画の女性は美奈に瓜二つだったからー。運命に導かれようにルーマニアを訪れた美奈を待ち受けていたものは?「百年の迷宮」シリーズ第2弾。
巨大軍需会社“大島産業”との抗争から4年ー。達也は平穏な暮らしを送っていた。が、フリーのルポライター・加藤に誘われ返還間もない沖縄に向かったことで、運命の歯車はふたたび動き始めた…。加藤が何者かに拉致され、達也の脳内に眠る人格「メギド」が目覚めたのだ。加藤が追っていた米軍の恐るべき秘密とは?達也と米兵たちの死闘の行方は?『傭兵代理店』の著者が描くシリーズ第2弾!文庫書き下ろし。
岩手県の太平洋岸にある小金牛村から盛岡市に行くにはいくつか峠を越えなければならない。その峠の一つ、雲上峠の展望台に、男性の生首が置かれていた。被害者は年商30億に上る食品加工会社などを経営する実業家。地元の名士を残忍なやり方で殺害したのは誰か。村が騒然とするなか、さらには岩手県選出の国会議員への殺害予告が。全国へ厳戒態勢が広がる劇場型犯罪に、殺しの根が見える藤田警部補と、若手新聞記者の一方井が迫る。
ジャンク屋のロウ・ギュールの前に現れた新たな敵『ライブラリアン』。彼らは、世界中のあらゆるデータを集めていた。独自の強化改造を施したモビルスーツを駆る組織のパイロットたちは、かつてアストレイと関わり死んでいった者たちであった。ギナ、蘊奥、ヴェイア、そしてプレア。コズミック・イラの世界の裏で新たに広がる戦いの渦。ミナの依頼を受けた傭兵部隊サーペントテールの叢雲劾も参戦、戦いは加速する!シリーズに登場したキャラクターが総出演し、これまでにない壮大なドラマが繰り広げられる。追加エピソードとして、ときた洸一による描き下ろしコミックを特別収録。さらに表題作に加え、単行本未収録作品の『ファントムペインレポート』と『オーブの女神』、未発表作品だった『天空の宣言』を、それぞれ初収録。
今坂一族の卜師梅香林は、鳶沢一族に張り巡らされた闇祈祷を看破した六義園を拠点とした闇四神の結界は富沢町、さらに駿府鳶沢村をも包囲していた。幾重にも仕掛けられた柳沢吉保の百年の呪いに十代目総兵衛勝臣は敢然と立ち向かう。一方、闇祈祷の術者の一人李黒は、鳶沢一族と一心同体であるはずの影・本郷康秀の元に去ったという…。壮大な物語が動き始めた。渾身の第二巻。
ある殺人事件の陪審員を務めるネフリュードフ公爵は、被告の女囚人を見て愕然とする。かつて自分が弄んで捨てた、下女のカチューシャだったのである。手違いでシベリア徒刑の宣告をされる彼女に罪の意識が芽生えたネフリュードフは、彼女を救うべく奔走しはじめるー。欺瞞に満ちたロシア社会への批判を織りこんだトルストイ最後の長編小説を漫画化。
絶対嗅覚をもつ調香師の小歌は、国王のためだけの特別な香水のコンペで、はるばる砂漠の小国ミシャリエまでやってきた。ところが、謁見の間には国王の他に白衣を着た謎の日本人が…。理知的な眼鏡の美丈夫、雅はこの国に暮らすフェロモン研究家。偶然にも他社の香水を浴びてしまった小歌は、幻の催淫花「千夜一夜の結花」に酷似した匂いを発したことで雅の実験材料にされてしまい…。禁断のパフュームラブ。
19世紀ロシア・ペテルブルグに、ある男が住んでいた。男は過剰ともいえる自意識から「心の地下室」へ閉じ込もり、社会と断絶した生活を送っていた。あるとき男は、自身の過去の回想を記すことで、「人間の本質の非合理性」を明かしていくことを試みるー。ドストエフスキーが斬新な切り口で、人間心理にメスを入れた長編小説を満画化。