2012年9月発売
マークが、事故に遭った。カリン・シュルーターはこの世に残ったたった一人の肉親の急を知らせる深夜の電話に、駆り立てられるように故郷へと戻る。カーニー。ネブラスカ州の鶴の町。繁殖地へと渡る無数の鳥たちが羽を休めるプラット川を望む小さな田舎町へと。頭部に損傷を受け、生死の境を彷徨うマーク。だが、奇跡的な生還を歓び、言葉を失ったマークの長い長いリハビリにキャリアをなげうって献身したカリンを待っていたのは、自分を姉と認めぬ弟の言葉だった。「あんた俺の姉貴のつもりなのか?姉貴のつもりでいるんなら、頭がおかしいぜ」カプグラ症候群と呼ばれる、脳が作り出した出口のない迷宮に翻弄される姉弟。事故の、あからさまな不審さ。そして、病室に残されていた謎の紙片ー。幾多の織り糸を巧緻に、そして力強く編み上げた天才パワーズの驚異の代表作にして全米図書賞受賞作。
『謎解きはディナーのあとで』が本屋大賞を受賞した東川篤哉さん。お待ちかねの新シリーズは、なんと本格ミステリーと魔法の融合!? 39歳独身の美人刑事《八王子市警の椿姫》こと椿木綾乃警部と、椿木警部に罵られることを至上の喜びとするその部下、小山田聡介。 八王子市警の名コンビが勇んで出向く事件現場には、いつもなぜか、竹箒を持った謎の三つ編み美少女がいてーー。 本格ミステリーのトリックと、抱腹絶倒の掛け合いが最高の化学反応を起こすユーモアミステリー。 毒舌美少女マリィ、結婚願望を捨てきれない椿木警部と、どMな部下小山田刑事と、三者三様の強烈なキャラクターにも注目です。 「魔法使いと逆さまの部屋」「魔法使いと失くしたボタン」「魔法使いと二つの署名」「魔法使いと代打男のアリバイ」の中編4作を収録。
名作『推定無罪』から二十年。あの危機をくぐり抜けた検事サビッチは、判事の座に昇りつめていた。だが彼の妻が変死を遂げ、二十年前に法廷で苦汁をなめた検事が、ふたたびサビッチを殺人の罪で法廷に立たせる! 弁護側と訴追側が火花を散らす法廷で裁かれるのは人間の愛と欲、痛みと悲しみの生んだた悲劇ーーサビッチは有罪か無罪か。『推定無罪』と対をなす新たなる傑作リーガル・サスペンス。驚愕の真相はまたも切ない。