2013年2月発売
カンザスの大平原のまんなかから大竜巻で家ごと見知らぬ土地に飛ばされたドロシー。ヘンリーおじさんとエムおばさんが待つ故郷へ戻りたい一心で、どんな願いも叶えてくれるという偉大なる魔法使いオズに逢いにエメラルドの街を目指す。頭にわらの入ったかかし、心臓がないブリキの木こり、勇気がほしいライオン。仲間とともに困難を乗り越える一行の願いは叶えられるのか?柴田元幸の新訳による不朽の冒険ファンタジー。
からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。野原で半分植物のような姿になってまどろみつづける元海賊。果実のような頭部を持つ人間が住む町。十字路にたつピンクの廟に祀られた魔神に、呪われた少年。魔法が当たり前に存在する土地でタカシが目にしたものはー。時間と空間を軽々と飛び越え、変幻自在の文体で語られる色鮮やかな悪夢の世界。
破魔の霊剣・速秋津比売の剣を奪還した、陰陽師の土御門光子と、疾風ら7人の伊賀忍びたち。だがその剣は妖術師・果心居士の施した蠱物におかされており、それを運ぶ光子の力をどんどん奪っていく。果心居士に操られた“虫憑き”の妖忍や、松永久秀の軍勢、魔性の天狗らの襲撃を撃退しながら、光子は果心居士を討つため信貴山城へと向かう。だが霊剣に最後まで纏わりついた、とてつもなく邪悪な蠱物が、ついにその正体を現したー。
5人組の女性アイドルグループ、MORSEのメンバー・亜希子は、年の離れたスター俳優の尾久田と不倫関係にある。パパラッチの巧は、ゲームに熱中するかのように亜希子のスクープを狙っていた。MORSEに押し寄せる世代交代の波に自分を失いかけている亜希子と、最愛の妻を失くして、空虚から逃れられない巧。最悪と思われた出逢いは思いがけない逃避行となって…。夜7時、渋谷スクランブル交差点、瞬く光の渦が2人を包み込むー。
大好きな南校イケメンヤンキーズと、涙のサヨナラをしたトップ・オブ・おジョーサマのミホ。心機一転、街を離れ、秘書・斉藤さんに導かれ新しい屋敷へ。なのに、忙しい斉藤さんの放置プレイによって、ミホの退屈と妄想はピークに。暇を持て余しすぎて、悶絶していたある日。ずっと避け続けていた“南校ヤンキーズの最大の敵”千春が性懲りもなくまた現れて!?「もう勘弁ならーん!!」堪忍袋の緒がブチ切れたミホは、とうとう千春との対決を決意。ついに今世紀最大(?)の因縁の戦いがはじまる。超ミラクルハイテンションラブコメディ。
莫大な借金を遺し死んだ父。幼い自分を慈しみ育ててくれた6歳上の姉だけが、安奈の生きる希望だった。だが、安奈が14歳の時、姉は自ら命を絶ってしまう。絶望に暮れる安奈は、姉の死の原因を探るうち、1人の男の存在を掴む。素性を明かさない大金持ち、桐谷有司。金で女を思うがままにする男。その日から安奈は、男への復讐を果たすためだけに生きるようになる。欲望うずまく夜の世界でのしあがり20歳になった安奈は、ある高級クラブのVIP客になっていた有司との出会いを果たす。美貌を武器に、偽りの愛を演じ、彼を虜にしていくが…。復讐に全てを懸けた女。彼女を愛してしまった男。出会ってはいけない2人の究極の愛を描いた官能大人LOVE。
“レニングラードを地球上から抹殺せよ”1941年9月、ヒットラーの命を受けたナチス・ドイツ軍により完全包囲されたレニングラードは、その歴史上もっとも絶望的な冬に突入した。幼い弟コーリャをかかえるアンナ、アンナの父と秘められた過去を持つ元女優のマリーナ、アンナと心を通わせあう医学生のアンドレイ。飢餓と厳寒が牙を剥く極限状況のなかで、必死に生き抜き、希望の火を灯し続けようとする彼らの闘いを描き、「最高級の文学作品」と絶賛された、第1回オレンジ賞受賞作家による傑作長篇。
第八駆逐隊の駆逐艦四隻と共に、バリ島上陸作戦を敢行する今村支隊が乗った二隻の輸送船を護衛する特命哨戒艇四七号は無線・通信機器の性能向上を図った情報収集船でもあった。その通信室で敵機の音声通話を傍受して空襲を察知、八駆隊に警告し海上に煙幕を張り緊迫のサマール泊地を脱出する。だが、その先ではドルーマン少将率いる連合国艦隊(軽巡3、駆逐艦7)が護衛船団を待ち受けていた。これまでの連合国の通信情勢などを分析していた特命哨戒艇長・山口少佐は、この作戦を看破し、「近海を遊弋している帝國艦隊が救援のためバリ島方面へ急行」との偽情報を敵・味方の周波数帯を使って流した。戦力劣勢の日本は、絶対優勢の連合国艦隊を撃滅することができるのか!?-。
肥大化した陸海軍の硬直性を打破するため山本五十六が提唱して設立された戦力研究所(秘匿名S機関)は、今や陸海軍の上に立って対米戦の作戦を練り上げている。ヒトラーがソ連との不可侵条約を破棄して破竹の進撃を開始し、日本軍も南部仏印に進駐して、アメリカとの関係はますます悪化するばかりだった。最後通牒であるハルノートを突きつけられ、和平への道を完全に閉ざされた日本。是が非でも対米戦争は避けたかった山本だが、遂にS機関が準備してきた新兵器群で秘密作戦を決行せざるを得なくなる。日本は宣戦布告し、連合艦隊はすべての戦艦をハワイに向かわせて第一段作戦を展開するが…。
1944年5月、「バリ島南方沖海戦」後も、戦力に勝る連合軍は対日攻勢を強めてきた。南太平洋ではオーストラリアとニュージーランドの合同艦隊が、インド洋マラッカ海峡にはイギリス海軍と自由フランス海軍が侵攻を始める。日本は巧みな戦術で対抗するものの、1944年6月ついに、西の最前線である南アンダマン島に連合軍の上陸を許してしまう。独自の歴史を歩みはじめ、「A情報」というアドバンテージがなくなりつつある日本に、果たして勝利への道は残されているのか!?待望のシリーズ第10弾。
ある日突然やってきた「黄色いTシャツを着た守護霊」とのファーストコンタクトから9年。守護霊=雲さんに導かれて綴ったブログの連載小説がついに書籍化。「願望実現の仕組み」がよくわかる、これまでなかったスピリチュアル・エンターテインメント小説。
大学を卒業して、なんとか出版社に就職したアナだが、別れのショックで気分は晴れない。毎夜涙にくれ、グレイのことを想いつづけていた。彼をほんとうに愛しているけれど、どうしてもその性癖が耐えられない。グレイはアナに復縁を迫るものの、過去の女たちの存在がふたりの未来に暗い影を落とすのだったー。アナとグレイの身に危険が迫る。世界的ベストセラー、激動の第二部が開幕。
かつてのグレイのサブミッシブはストーカーとなり、ミセス・ロビンソンの執拗な妨害もやまなかった。アナとグレイの試練はいつまで続くのか?それでもアナはグレイの悲惨な過去を理解して、彼の心の光になろうと奮闘していた。やがてグレイもアナを心から愛するようになるが…。ふたりの愛は成就するのか?ユニバーサル・ピクチャーズ大型映画化決定。感動と官能のラブ・ストーリー。
遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地“エンバシータウン”を建設し、謎めいた先住種族と共存していた。アリエカ人は、口に相当する二つの器官から同時に発話するという特殊な言語構造を持っている。そのため人類は、彼らと意思疎通できる能力を備えた“大使”をクローン生成し外交を行っていた。だが、平穏だったアリエカ社会は、ある日を境に大きな変化に見舞われる。新任大使エズ/ラーが赴任、異端の力を持つエズ/ラーの言葉は、あたかも麻薬のようにアリエカ人の間に浸透し、この星を動乱の渦に巻き込んでいった…。現代SFの旗手が描く新世代の異星SF。ローカス賞SF長篇部門受賞。