2013年8月7日発売
太平洋戦争末期、海辺の造船所で働く学徒動員の若者たち。主人公の剛二は、憧憬を抱く若い将校に誘われ、対岸までの遠泳に乗り出す。それは、クリスチャンの叔母が若くして身を投じた海だった…。自らの動員体験を素材とし、迫りくる「死」と「現実」の間で揺れる少年の葛藤を描いた未発表の自伝的小説。
日本画の大家・野々村白仙の養女、美貌で才気溢れる薔子がクリスマス・パーティの席上、シャンパン・グラスを掲げての乾杯直後、中毒死。事件の後、心因性の不調に悩む高校生の義弟の郁哉に、スクール・カウンセラーの薬師寺香澄は、桜井京介という不思議な男性を紹介する。桜井は、郁哉に「君は僕に、なにを望むのですか?」と訊ねるが…。(『黄金の薔薇を手にして』)ほか、魅惑的で美しい謎と小さき者への慈愛を描く傑作短編4編を収録。
高い塀に囲まれた町、セカンドタウン。その郊外にある井戸から、高校教師の中山が救出された。井戸の底での恐怖体験を教え子の戸丸に語った彼は、病院の屋上から飛び降り命を絶つ。中山が遭遇したという異形の男。町の治安を管理する『自治体』。町の中心にある、さらなる塀で囲まれた『塀の中』と、飛び回る羽虫ー。戸丸は事件をきっかけに町に疑念を抱き始めるが、語り合った友人、祝詞は一編の物語を遺して姿を消す。物語に秘めたセカンドタウンの真実とはー!?
毎日ギャングがやってくる。彼らを迎え撃つのは、伝説のホテルマンの妻、元殺し屋のチーフ・コンシェルジュ、そして新人支配人。アガサ・クリスティー賞受賞の鬼才が届ける劇場型ミステリー!
殺人事件発生の報せを受けて運河の街にやってきた捜査官ヴァラス。しかし肝心の遺体も犯人も見当たらず、人々の曖昧な証言に右往左往する始末。だが関係者たちの思惑は図らずも「宿命的結末」を招いてしまうのだった。“ヌーヴォー・ロマン”の旗手、ロブ=グリエの代表作。
取り潰し目前の藩から傾きかけた大店まで、よろず再建し“うだつを上げる”専門家「うだつ屋」こと朝倉智右衛門。彼が思いもよらぬ奇策と人情で不可能事を飄々と成し遂げる、大好評シリーズの第二弾。今作では帳簿読みや情報収集の専門家、剣の達人、謎の船宿女将など、くせ者揃いの智右衛門の部下たちも活躍。熱き思いで、家や店だけでなく“人の心”を立て直す!
「通りすがりの舞田ひとみですよ」中学生になった舞田ひとみは皮肉度も上昇!?彼女は退屈な日々に倦む女子中学生三人組と共に刺激を求め日常に潜む謎に挑む!募金詐欺の女は死体で発見され、激痩せした英語講師は幽霊を見たと言い張り、はたまたヤバすぎる誘拐事件にも巻き込まれ…。十四歳の青春と本格ミステリの醍醐味を詰め込んだ、シリーズ第二弾!
三十人ほどの人間と百匹以上の猫がのん気に暮らす通称「猫島」。島の臨時派出所の巡査・七瀬晃の相棒は、丸顔で目つきの悪いでっかいドラ猫、DCだ。個性的すぎる島民や困った観光客が引き起こす騒動にてんてこまいの毎日。そんな中には、大きな事件も隠されていて…。お気楽だけど真面目な青年警官とポリス猫が、意外な(?)活躍を見せる傑作コージー・ミステリ。
浪人生の渡辺夕佳の元に届いた、壮麗な西洋館への招待状。恋人で天才ピアニストの、イエ先輩こと八重洲家康と訪れた『夢路邸』には、謎を秘めた招待客が集まっていた。そこに突如現れた能面の鬼女が、彼らの過去の罪を告発し、連続殺人の幕が切って落とされる。孤立した館に渦巻く恐怖と疑心。夕佳とイエ先輩は、『マイ・フェア・レイディ』の殺意に立ちむかうことができるか!?
真実追究への情熱を失った社会部記者・黒井正義。かつて「カミソリのクロ」と異名を取った黒井に日本新聞社の特別取材班「チーム・ニッポン」への声がかかる。「骨太の班」初陣となるテーマは「町工場経営者、変死」の真相取材だった。そして、取材を始めた黒井たちの前に新たな事件が!そして、衝撃の真相とはー。ヒットメーカー・浜田文人、渾身の新シリーズ第一弾!
東京地検の検事が停職中に撲殺された!警視庁極秘捜査班の剣持直樹は恋人の女性弁護士を通じて、検事の妻から事件の調査を依頼される。検事は、暴力団によるゼネコンの恐喝、警察庁と警視庁の監察官による不祥事揉み消し、そして入国管理局職員による偽装国際結婚の内偵中だった。殺害の鍵を握っているのは誰か!?剣持と極秘捜査班の活躍を描く好評シリーズ第四弾!
水泳選手として将来を嘱望される青年・憲一は、隣家に住む同級生の美少女・愛由子に恋心を抱いていた。ある日、愛由子の父が再婚する。清楚さと妖艶さを併せ持つその若妻・博美に魅了される憲一。そして大人の女へと成熟した愛由子との思いがけない一夜…。夏の濃密な空気のなか、汗ばむ肌と蝉の鳴き声が、青年と二人の美女を性の坩堝へと追い立てる傑作官能小説。
船頭として日々を送る元南町奉行所定町廻り同心、沢村伝次郎。殺された妻子の仇を討たんと唐津藩藩士・津久間戒蔵の行方をいまも追っている。ある日、元同僚の同心から津久間の居場所がわかったと知らせが入る。そして、ついに伝次郎の目の前に宿敵・津久間戒蔵の影がー。積年の恨みを載せた一刀流の剣は宿願を果たせるのか。稲葉稔の代表作シリーズ、感動の第七弾。
風魔一族の頭目の跡取り・風太郎に、父からの命が下る。近ごろ江戸を騒がせる不思議な事件が抜け忍の仕業ならば、見つけ出して始末せよというのだ。風太郎は妹のふう子を伴い江戸にやって来るが、それは一年前に姿を消した母をさがすためでもあった。岡っ引き・伝兵衛の下で働くことになった風太郎は、次々起こる怪事件の解決に奔走する!痛快新シリーズ開幕!
能登と青森の観光地で、若い女性の惨殺死体が連続して発見された。捜査を開始した十津川は、一見、つながりがなさそうに見える二つの事件の背後に、摩訶不思議な「天の浮舟」伝説があると推理する。刑事たちは伝説を追い、四国・剣山へ飛ぶが、そこでも新たな死体が待ち受けていた…。古代ロマンに彩られた、日本全国の“聖地”で起こる連続殺人に、十津川が挑む!
文豪デュマ、幻の傑作登場! フランスの文豪デュマが歴史上の犯罪、怪事件を描いて人気を博した「歴史実話」シリーズ。 本作で扱うのは、悪名高いルネサンス期のボルジア家一族。買収で教皇の位に就き権勢を誇った父(教皇アレッサンドロ6世)の謀略から、マキアヴェッリが絶賛した政治と軍略の天才チェーザレが非業の最後を遂げるまでを描く。 フランス語から直接翻訳。原著の挿絵16枚を復刻収録。
文豪デュマ、幻の傑作登場! フランスの文豪デュマが歴史上の犯罪、怪事件を描いて人気を博した「歴史実話」シリーズ。 本作で扱うのは、悪名高いルネサンス期のボルジア家一族。買収で教皇の位に就き権勢を誇った父(教皇アレッサンドロ6世)の謀略から、マキアヴェッリが絶賛した政治と軍略の天才チェーザレが非業の最後を遂げるまでを描く。 フランス語から直接翻訳。原著の挿絵16枚を復刻収録。