2013年8月発売
浪人生の渡辺夕佳の元に届いた、壮麗な西洋館への招待状。恋人で天才ピアニストの、イエ先輩こと八重洲家康と訪れた『夢路邸』には、謎を秘めた招待客が集まっていた。そこに突如現れた能面の鬼女が、彼らの過去の罪を告発し、連続殺人の幕が切って落とされる。孤立した館に渦巻く恐怖と疑心。夕佳とイエ先輩は、『マイ・フェア・レイディ』の殺意に立ちむかうことができるか!?
真実追究への情熱を失った社会部記者・黒井正義。かつて「カミソリのクロ」と異名を取った黒井に日本新聞社の特別取材班「チーム・ニッポン」への声がかかる。「骨太の班」初陣となるテーマは「町工場経営者、変死」の真相取材だった。そして、取材を始めた黒井たちの前に新たな事件が!そして、衝撃の真相とはー。ヒットメーカー・浜田文人、渾身の新シリーズ第一弾!
東京地検の検事が停職中に撲殺された!警視庁極秘捜査班の剣持直樹は恋人の女性弁護士を通じて、検事の妻から事件の調査を依頼される。検事は、暴力団によるゼネコンの恐喝、警察庁と警視庁の監察官による不祥事揉み消し、そして入国管理局職員による偽装国際結婚の内偵中だった。殺害の鍵を握っているのは誰か!?剣持と極秘捜査班の活躍を描く好評シリーズ第四弾!
水泳選手として将来を嘱望される青年・憲一は、隣家に住む同級生の美少女・愛由子に恋心を抱いていた。ある日、愛由子の父が再婚する。清楚さと妖艶さを併せ持つその若妻・博美に魅了される憲一。そして大人の女へと成熟した愛由子との思いがけない一夜…。夏の濃密な空気のなか、汗ばむ肌と蝉の鳴き声が、青年と二人の美女を性の坩堝へと追い立てる傑作官能小説。
船頭として日々を送る元南町奉行所定町廻り同心、沢村伝次郎。殺された妻子の仇を討たんと唐津藩藩士・津久間戒蔵の行方をいまも追っている。ある日、元同僚の同心から津久間の居場所がわかったと知らせが入る。そして、ついに伝次郎の目の前に宿敵・津久間戒蔵の影がー。積年の恨みを載せた一刀流の剣は宿願を果たせるのか。稲葉稔の代表作シリーズ、感動の第七弾。
能登と青森の観光地で、若い女性の惨殺死体が連続して発見された。捜査を開始した十津川は、一見、つながりがなさそうに見える二つの事件の背後に、摩訶不思議な「天の浮舟」伝説があると推理する。刑事たちは伝説を追い、四国・剣山へ飛ぶが、そこでも新たな死体が待ち受けていた…。古代ロマンに彩られた、日本全国の“聖地”で起こる連続殺人に、十津川が挑む!
十五世紀末、イタリアでは小国が乱立し、スペインやフランスなど強大な隣国の狙うところとなっていた。カトリック教会の総本山ヴァチカンも内外の勢力に翻弄されつづけていたが、巧みな駆け引きと財力によって、枢機卿ロドリーゴ・ボルジアは教皇アレッサンドロ6世として即位、教会勢力の強化に動き出す…。ルネサンス期イタリアを熱く駆け抜けた一族、その華麗なる軌跡!
「私の野望の前に、栄華の前に、いつも立ちはだかるものは誰だ?」チェーザレ・ボルジアは、実の兄である教皇軍総司令官ガンディア公を亡きものとし、枢機卿の地位を返上して、政治と軍事の世界に身を投じた。マキアヴェッリに讃えられた稀代の英雄、智謀あふれる闘いとは?文豪デュマが乱世ルネサンス期を背景に描く絢爛たる歴史絵巻!
「公害の原点」と呼ばれる水俣病事件から50年もの間、患者の側に立ち続けた医師原田正純。原田先生は世界のあちこちで公害病の人たちを診察し、水俣から社会のひずみを訴え続けました。過去を知り、未来に生かすことの大切さを伝える原田先生からの最後のメッセージ。
『唐獅子硝子』-遺品整理のお礼にアールヌーヴォー期のガラスレリーフを貰った洛鷹美術館の澤井は、ひと商売思いつく。『離れ折紙』-刀剣収集が趣味の医者・伊地知は、パチンコ屋の徳山から、刀を担保に金を貸してほしいと頼まれるが…。『雨後の筍』澤井の元に、古美術商の坪内が、写楽と並ぶという絵師の上方浮世絵の版木で揃えで持ちこんできた。『不二万丈』-売った贋作がバレて返金を求められた“ふろしき画商”矢口は、浅川美術館の「不二」三連作に目をつける。『老松ぼっくり』-大阪の骨董通りに店を構える立石には、素性不明だが、持ち込むものは逸品ばかりの仕入れ先がいた。『紫金末』-同級生に美人の画商から絵の購入を依頼された澤井は、同僚と、作者の遺族に鑑定を依頼するが…。アールヌーヴォー、刀剣、浮世絵、日本画…。関西の美術商たちの丁々発止。『騙されたら負け』の骨董の世界を軽妙に描く、美術ミステリ。
時は西暦2259年、ロンドンで不穏な行動を進める謎の男がいた。名はジョン・ハリソン。彼は宇宙艦隊を相手に大規模なテロを起こす。航宙艦USSエンタープライズを指揮する艦長ジェイムズ・T・カークと彼の仲間たちは、この謎の男の追跡を任せられるが、それは壮絶なバトルのはじまりにすぎなかった!二転三転するミステリアスな展開で全世界の映画ファンをうならせた、超大作SF映画の小説版登場!
マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっていた認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。NDE(臨死体験)を人為的に発生させ、その時の脳の活動を詳細に記録しようというのだ。しかしその実験にはトラブルが続出し、被験者が不足してしまう。ジョアンナはみずからが被験者となることを申し出るが、彼女が疑似臨死体験でたどり着いた場所は…!?
暗礁に乗り上げた研究プロジェクトを救うため、ジテタミンを投与されたジョアンナが疑似臨死体験のなかでたどり着いた先は、思いもかけぬ場所だった。自分は確かにここを知っている。なぜ、どこなのか思い出せないのだろう?ジョアンナは答えをもとめて必死に調べ始める。なんども臨死体験を実験で繰り返し、ついに突き止めた真相は、まさに予想だにしないものだった!ローカス賞に輝く読み始めたら止まらない感動作。
日本SF作家クラブ創立五〇周年記念アンソロジー第四巻。特殊能力を持つ女性の葛藤を綴る宮部みゆきの名品「朽ちてゆくまで」、非・人型介護用ロボットが導入された介護の現場を描く篠田節子の傑作「操作手」、菅浩江による博物館惑星を舞台に美を巡る物語「永遠の森」など一九九三年から二〇〇二年に発表された十篇を収録。ジャンルの枠を越え、多様なSFが発表された充実の十年を振り返る。
大きな野心から生まれ育った小さな町を憎み、故郷を捨てた青年ルーク。20年後、夢破れて二流の学者となり、講演でセントルイスを訪れた。会場で再会したのはーローラ・フェイ。かつてあの町でルークの家族に起きた悲劇の引金になった女性だった。彼は彼女に誘われ、昔を語り合う。“あなたも故郷を思い出すことがあるのかしら?”その会話は、ルークをゆっくり導いてゆく。知りえなかった女の過去と驚愕の真実に…。
時間勾配によって生じる歪みが原因で、精緻な地図の作成が不可能なこの世界は、軍事的交戦状態にある諸国で構成されている「北大陸」と、その主戦場となっている「南大陸」、およびその間のミッドウェー海に点在する島々「夢幻諸島」から成っている。最凶最悪の昆虫スライムの発見譚、パントマイマー殺人事件、謎の天才画家の物語…。死と狂気に彩られた「夢幻諸島」の島々には、それぞれに美しくも儚い物語があった。語り/騙りの達人プリーストが年来のテーマとしてきた「夢幻諸島」ものの集大成的連作集。英国SF協会賞/ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。
日下刑事は、叔父・黒田信行のマンションを訪ねる。娘の真紀から、父と連絡が取れないと相談されたからだ。だが、部屋には身元不明の男の射殺死体が。残された謎のメモを手掛かりに琵琶湖に飛んだ十津川たちを待ち受けていたのは、第二、第三の殺人事件だった。メモに隠された黒い陰謀に十津川が挑む!!巻末企画・特別連載「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」スペシャル・インタビュー、都道府県別データ、わが故郷の駅弁自慢。
19世紀イタリア。アメリカ人億万長者のひとり娘マーガレットは、父親の財産目当てで言い寄ってくる求婚者をことごとく断っていた。愛のある結婚を願うマーガレットは、ローマ郊外の別荘に滞在中、アシュトン伯爵トレヴァーと出逢う。「一緒に冒険をしよう」とお忍びで夜のカーニバルに誘い出し、突然マーガレットの唇を奪うトレヴァー。危険な男性と知りながら、つぎつぎと新しい世界を見せてくれるトレヴァーに、彼女はときめきを抑えきれなかった。ところがある日、マーガレットは盗賊に誘拐されてしまう。ひとり暗闇でふるえていた彼女を助けに現れたのは、トレヴァーだった。無事に救出され、ナポリの別荘へと向かう道中も、さまざまな危機から守ってくれる彼に心惹かれるばかりのマーガレット。しかし、トレヴァーの真意は…?RITA賞受賞のベストセラー作家による幻の初期作品、ついに登場!
宝の地図に金貨ーきらびやかな海賊の略奪品が展示される、ヘリテッジ協会主催の大海賊展初日。すべてが一瞬の出来事だった。照明が消え、ガラスケースからは、大きなダイヤモンドが埋め込まれた髑髏の杯が消えていた。そばには刺殺された協会の研修生。現場に居合わせたセオドシアは、事件解決の鍵は髑髏の杯とにらみ、調査を開始。すると、盗まれた杯は大海賊「黒ひげ」の頭蓋骨で作られたもので、底に刻まれた暗号が財宝のありかを示すらしい。新居のお披露目パーティーに、お茶とチーズのちょっと珍しい試食会。セオドシアは目の回るような忙しさの合間をぬって、海賊の暗号解読と犯人捜しに奔走し!?“お茶と探偵”シリーズ12巻!