2013年9月発売
河越城の周りには、関東の諸勢力が参加する八万五千の北條包囲軍。守る綱成の兵はたった三千。綱成を助けるか、城を残すかー。氏康の苦悩は頂点に達する。北條氏を関八州の覇者へと押し上げ、新旧の勢力交代を鮮烈に印象づけた乾坤一擲の戦い「河越夜戦」を、微細かつ大胆に加筆した。戦国史ファン必読!
美咲は29歳のOL。遅刻しそうになり急いで乗った電車は満員で、ひどく汗をかいてしまった。このままでは出勤できない、どこかでシャワーを浴びなくては、と思った時、出会ったのは前の会社の上司のあの男だった。実体験のように、打ち寄せる昂りの官能短編集第一弾。
知られざるイスラム世界。世界が涙する愛と哀しみの物語。2回発禁処分を受けながらも発売を続け、すでに20万部を超える。イラン最大のベストセラー作品。遂に、完全日本語訳完成。イタリアのジョバンニ・ボッカチオ賞受賞。
会社が嫌になり、人生も嫌になった男が東北へ旅に出た。 自分の住んでいる所とは、まるで別世界のように寂れた町で電車を降りる。 男は、この町で自らの命を絶とうとしていた。 あの岸壁から身を投げて…。 しかし、ひとりの少女との出会いが彼の人生を変えていく。
ハダカ一貫から、日本一の金融王へ!▼幕末から明治、大正と、激動の時代を生きた銀行業の元祖・安田善次郎。富山の貧しい下級武士出身ながら、商人として「千両の分限者」となることを志した善次郎は、数々の挫折と失敗を乗り越えて両替商・安田屋を江戸で開店、成功をつかんでいく。▼一代でみずほフィナンシャルグループの礎を築いた安田善次郎の、波瀾万丈の前半生に光を当てた長編小説。
市川に雑貨のネットショップ兼探偵事務所(所長はクマのあみぐるみに宿った殉職刑事!)を開設した和子。ネットショップは順調だが探偵業は低調続き…。そこへ町内会会長が「イベントで使う着ぐるみを捜して」と飛び込んでくる(「花宵日和」)。その他、霊感商法のウラを探る「ホット・スキニー」、調査中に出くわした連続放火事件を解決する「さまよう炎」など四篇を収録。待望のシリーズ第三弾!
モンテ・クリスト伯の三人の仇敵、ヴィルフォール、ダングラール、フェルナンは、いまやパリの社交界に出入りする貴族である。しかし地位と富におごる彼らの身辺には、いつしか伯爵の復讐の手がしのび寄る。波瀾に富む壮大な復讐の物語。
第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章 第13章 第14章 第15章 第16章 第17章 第18章 第19章 第20章
人生崖っぷちの元ロックスター(36歳)、業界最大手レコード会社を相手にー一大詐欺!『米国音楽』の編集長、衝撃の小説デビュー。崖っぷち青春エンターテインメント長編!
短大を卒業してからおよそ20年。同窓会の案内を受けとって以来、ノンは学生時代に亡くなった男友達のことが気になりはじめる。彼は自殺ではなかったのではないか?ノンは仲のよかった友人に連絡を取るとー。仕事や家庭、それぞれの20年の時を歩んできた女性6人。学生時代の男友達の死を通じて明らかになる「過去」。その時、彼女たちが選ぶ道はー。未来に語り継ぎたい物語。
北の街・蛸足大学を卒業したミクラは、先輩に拾われて「代書屋」稼業を始めたばかりの見習いだ。その内容は、研究者のため、彼らの書く論文を代わりにまとめること。新しい依頼が舞いこむたびに、なぜか素敵な女性と出会ってしまうミクラだが、依頼者は曲者揃いで内容も厄介なものばかり。果たして、恋も仕事も成功できるのか?第1回創元SF短編賞を受賞した新鋭の、ユル〜くてほっこりした物語。心ゆるくなる連作短編集。
生まれてすぐに両親に捨てられ、祖父母に育てられたミーコの特技は、毎日、「小さな宝物」を見つけることー。孤独と不安のなかにも、一縷の希望を探し続けるミーコの半生を、祖父、同級生、教師、ボーイフレンド、そして愛する娘・幸子の視点で切り取った感涙のハートフル・ストーリー。
辰史と丑雄、二人は決着をつけるために、思念世界へ入った。もはや互いの心に親族としての情はない。あるのは、憎しみのみ。天才陰陽師と異能者に待ち受ける運命は…(『黒塚』)他外伝2編を収録。報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語、堂々の完結!
無に向かって広がる声の万華鏡。 読めば読むほどふかみにはまる。 タブッキに惚れたってことよ。--小池昌代(詩人) こうして小説になったこれらの手紙の性質はどんなものか話せと言われたら、恋文だと規定してみせるかもしれない。それは相当広い意味において、つまり広大な愛の領域と同じくらい広くて、怨恨、憤慨、郷愁、後悔といった、愛の領域とは無縁に見える未知の領域にまで広がっている。--A・T「あとがき」より
女性司会者が“ルバーコ・ペンタッド”と名乗る男によって殺害された。百万ドルを支払わなければ、次は政治家を殺すという要求がFBIに届く。捜査官がニセ金を持って指定された場所へ向かうと、そこは三十年前に閉鎖された海軍刑務所だった。内部に仕掛けられた巧妙な罠により捜査官は殺され、犯人は逃亡。数日後には予告どおり議員が殺される。捜査が手詰まりとなる中、かつて犯人追跡に特異な才能を見せていた元FBI捜査官スティーヴ・ヴェイルの所在が明らかになるー。
次の要求で犯人はFBIのバートク捜査官を指名し、二百万ドルを車に積んでラスヴェガスへ向かうよう指示するが、バートクは途中で金と共に失踪。犯人がFBIの捜査方法を熟知していることは明らかで、これまでの犯行には、捜査官に支給されている銃が使用されていた。素行面に問題のあったバートクがペンタッドなのか、金に目が眩んで横領を決めたのか、あるいは真犯人によって殺害されたのか…。残された手がかりを追うヴェイル。そこには相手を死へと導く恐ろしい罠が仕掛けられていた…。
定年後のバラ色の人生を信じていた威一郎を待っていたのは、家族との深い溝だった。娘は独立、妻は家を出てしまい、残ったものは犬のコウタロウだけだった。現代の夫婦像を見つめた異色の長篇。 (解説/藤田宜永)
葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学三年のとき、森野が教師に怪我を負わせて学校に来なくなった。事件の真相はどうだったのか。ふたりと関わった人たちの眼差しを通じて、次第に明らかになる。ふたりの間に流れた時間、共有した想い出、すれ違った思い…。大切な記憶と素敵な未来を優しく包みこんだ珠玉の連作集。