2013年発売
北海道、旭川。とあるレトロなお屋敷に、「櫻子さん」が住んでいる。彼女は型破りなお嬢様。骨を偏愛し、骨と死体の状態から、真実を導くことができる。そんな彼女と一緒にいると、平凡な高校生であるはずの僕まで、骨と縁が深くなるようで…。夏の初め、櫻子さんに付き合って出かけた僕は、山道でひっそりと眠る骨に遭遇する。その骨に隠された悲しい秘密とは…。新時代の才能が放つ、最強キャラミステリ。
お屋敷街の雰囲気を色濃く残す、文京区目白台。新人刑事の無藤は、伝説の男・南塚に助けを借りるため、あるお屋敷を訪れる。南塚が解決した難事件の「蘇り」を阻止するために。書下ろし警察探偵小説!!
生も死も無くなった世界で、死にながら生き続ける者たちに、本当の死を与えることができる「墓守」の少女アイ。終わりゆく世界でアイが経験する出会いと別れーー「世界の終わりを守る少女」の奇跡の物語。
世界を救う夢を見る「墓守」の少女アイは、西へと向かう旅に出る。その途中、手錠をかけられた少年キリコと出会い、そして百万都市オルタスに到達する。オルタスーーそこは、世界最大の「死者の国」だった!?
里香が単身、渡米した。目的は父と兄を殺した叔父・雷忌の行方を捜すこと。しかしその身勝手な行動は“守護六家”の頭領・竜弦の逆鱗に触れ、涼に里香を日本に連れ戻してくるよう命が下る。猶予はわずか36時間。急遽LAに飛んだ涼だったが、待ち受けていたのは謎の失踪事件と「ジャッカル」と名乗る正体不明の人物だった。やがて戦争大国・アメリカの陰謀が浮き彫りになって…。超弩級アクション小説第4弾。
雷鳴の轟く京都に、黒いフードを被り佇む影。奇書『陰陽大観』に導かれ、この世に災厄を巻き起こすと誓った殺人狂“QAZ”の姿だったー。精神分析医の氷室想介のもとに、ある日赤いリボンの女が訪ねてきた。陰謀論をまくし立てて去っていった2ヵ月半後、彼女の幼い息子が14階の自宅から転落した。事故か、心のバランスを崩した母の犯行か。だが氷室が突きとめたのは想定外の実行犯!氷室とQAZとの対決が幕を開ける。
冴木隆は適度な不良高校生。父親の涼介はずぼらで女好きの私立探偵で凄腕らしい。そんな父に頼まれて隆はアルバイト探偵として軍事機密を狙う美人局事件や戦後最大の強請屋の遺産を巡る誘拐事件に挑む!
天然女子高生の百合が居候するのは、変わり者の店主・美堂橋が営む珍妙な店。ある日、店を訪れた客から「百合の学校で失踪事件が起こっている」と聞かされーー!?
火計は見事成功!天下分け目の決戦は、周瑜の呉軍が勝利を収めた。しかし劉備と孫呉は荊州をめぐる対立関係に。争いは諸葛亮の鮮やかな一計により劉備が先んじる。勢いを恐れた孫権は、妹を劉備に嫁がせ、婚儀にて彼を誅殺しようと画策。そのころ曹操は、赤壁の大敗を払拭すべく西涼に進出。三者の覇権争いが激化する中、蜀で劉備を迎えようという動きが起こるー。逆転と義勇の第七巻。
富士の前に、人間は小さい。ならば小さいなりに立派に生きたい! 吉岡一門との大死闘を切り抜けた武蔵。起死回生の勝利の酔いから醒め、敵将とは言え年若い少年を斬り捨てた記憶に胸を痛める。いっそ修行などやめ、愛する女と暮らせたら……とさえ思う。だが猛る恋心をぶつけたお通には、逃げられてしまう。剣の道と人の道との相剋に身を削る武蔵が、飽くなき自問の果てに捉えた閃きとはーー。願いは交錯し、隘路へ誘う。邂逅と別離めくるめく第五巻。
恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。
総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。日本推理作家協会賞受賞作「随監」収録、あなたの胸を揺さぶる警察小説集。
魚彦。僕の変な名前は、お母さんの初恋にちなんでつけられた。写生大会で行った臨死の森で、転校生・海子の秘密を見てしまう。二人だけの秘密。夏の海の水の音。色ガラスの破片。車椅子の今田は魔法使いに会ったという。そんなの嘘だ、嘘であって欲しいと思う。出処の知れない怒り、苛立ち、素晴らしい遊び、僕はこの楽園を飛び出したいのかもわからない。あの神話のような時代を。
貧乏侍が用人兼留守居役補佐に大抜擢されてはや半年。諫早藩士・沢村涼之進は、藩主・政直の密命を受け、京に旅立った。政直の結婚相手・房江の実家である八坂中納言家には、幕府を揺るがす、大きな秘密があるらしい。到着早々、黒覆面の侍たちに襲われた涼之進。彼を救ったのは、諫早藩改易を狙う老中の懐刀・仙石誠之助だった…。風雲急を告げる、シリーズ第三弾。
秀頼から豊臣家の軍事と政治の大権を任された真田幸村は、大坂城に約七万の兵を入れて篭城し、徳川軍十五万強を迎え撃った。その一方で、自ら淀城を奇襲して奪い、大坂城の支城とする。さらに、徳川方に反旗を翻した福島正則、立花宗茂らが広島城から東に攻め上り、姫路城、尼崎城などを落とし、別働隊として大坂城に向かった。福島軍の大坂入城を阻止すべく、伊達政宗率いる徳川軍が船場で激突を始める。同時に、徳川軍は大坂城の本丸総攻撃を開始した。秀忠率いる徳川軍は空堀に攻め掛かり、榊原康勝は大手城門を攻撃する。三万を超す徳川兵を動員した空堀攻撃によって、本丸は危機に陥るが、そこには幸村の仕掛けたある戦略が隠されていた。いま恐るべき火焔の秘計が炸裂する!
中国は相変わらずの膨張主義によって、武力で東シナ海のみならず南シナ海をも内海とし、そこに埋蔵されている石油などの海底資源の独占化を目論んでいた。その野望を粉砕すべく日米は中国の脅威に曝されているフィリピン、ベトナム、インドネシアなどのASEAN諸国に軍事的な梃入れを決断した。日本は海上自衛隊の退役艦・練習艦隊の護衛艦に加え、対潜ヘリや哨戒機に米軍仕様の各種ミサイルとその発射・誘導装置を搭載させ、その運用のためにASEAN各国の兵士たちを自衛隊で研修、実践の訓練をする。“武器輸出三原則”の制限がある日本は、それらの艦船をASEAN諸国に貸与するという秘策で“対中包囲網”構想の実現を果たすことはできるのか!?