2013年発売
貧乏侍が用人兼留守居役補佐に大抜擢されてはや半年。諫早藩士・沢村涼之進は、藩主・政直の密命を受け、京に旅立った。政直の結婚相手・房江の実家である八坂中納言家には、幕府を揺るがす、大きな秘密があるらしい。到着早々、黒覆面の侍たちに襲われた涼之進。彼を救ったのは、諫早藩改易を狙う老中の懐刀・仙石誠之助だった…。風雲急を告げる、シリーズ第三弾。
秀頼から豊臣家の軍事と政治の大権を任された真田幸村は、大坂城に約七万の兵を入れて篭城し、徳川軍十五万強を迎え撃った。その一方で、自ら淀城を奇襲して奪い、大坂城の支城とする。さらに、徳川方に反旗を翻した福島正則、立花宗茂らが広島城から東に攻め上り、姫路城、尼崎城などを落とし、別働隊として大坂城に向かった。福島軍の大坂入城を阻止すべく、伊達政宗率いる徳川軍が船場で激突を始める。同時に、徳川軍は大坂城の本丸総攻撃を開始した。秀忠率いる徳川軍は空堀に攻め掛かり、榊原康勝は大手城門を攻撃する。三万を超す徳川兵を動員した空堀攻撃によって、本丸は危機に陥るが、そこには幸村の仕掛けたある戦略が隠されていた。いま恐るべき火焔の秘計が炸裂する!
中国は相変わらずの膨張主義によって、武力で東シナ海のみならず南シナ海をも内海とし、そこに埋蔵されている石油などの海底資源の独占化を目論んでいた。その野望を粉砕すべく日米は中国の脅威に曝されているフィリピン、ベトナム、インドネシアなどのASEAN諸国に軍事的な梃入れを決断した。日本は海上自衛隊の退役艦・練習艦隊の護衛艦に加え、対潜ヘリや哨戒機に米軍仕様の各種ミサイルとその発射・誘導装置を搭載させ、その運用のためにASEAN各国の兵士たちを自衛隊で研修、実践の訓練をする。“武器輸出三原則”の制限がある日本は、それらの艦船をASEAN諸国に貸与するという秘策で“対中包囲網”構想の実現を果たすことはできるのか!?
カナダ・プリンス・エドワード島の、「赤毛のアン」の舞台となった様々な場所、四季の風物、名所の数々を丹念に撮影、取材。また、作者・訳者らの知られざるエピソードや、未公開写真なども詳しくご紹介します。美しい写真集として、物語を深く知るためのガイドとして、いつか憧れの島を訪れる日の旅のお供としてー「赤毛のアン」ファン必携の一冊です。
深刻な病状を抱えながらもエースとして活躍する哲雄、チームを応援し続けるミュージシャン祐樹。大学生のあすかは、ボランティアスタッフとして、彼らと共に全国大会優勝を目指すことを決意する。選手、家族、スタッフたち…、電動車椅子サッカーを愛する人々を描いた感動の物語。
『遊びと人間』の3年後、1961年にロジェ・カイヨワは物語「ポンス・ピラト」を発表する。無実のイエスを死刑に処してよいのか?ピラト苦悩のひと晩を通し、臆病な人間が勇気をもって正義を決断するメカニズム、宗教の本質、そして日本人にはわかりにくいキリスト教における十字架刑の意味についてカイヨワが“物語”という形式で考える。1962年コンバ賞受賞作。そのほか、大洪水のなかで神の不公平な殺戮を思う義人の物語「ノア」、ポロックの絵画を介した記憶のあいまいさに起因する小篇「怪しげな記憶」、肉体を離れた男の精神が究極の実在に達するさまを描く「宿なしの話」。カイヨワ作のフィクショナルな物語全4篇。
ポール・ボウルズがモロッコの口承の物語群を聴き書き、編集・翻訳し、現代の物語として蘇らせた、新しい文学の冒険。幻想や恐怖に充ちた語りは、都市伝説や神話的ファンタジーの色彩をおび、現代の時空に潜む闇を照らす。物語や声の深い魅力を伝え、文学表現の可能性を問う、必読のアンソロジー。長年ボウルズを翻訳・研究してきた批評家・四方田犬彦の解説を付す。
大学生の花輪めぐるが美少女ツゥと出会い戦国時代にタイムスリップ!現代に戻るためには「ヌキヒ」という鎧をまとい、歴史に楔を打つ=歴史を変えなくてはならない。同じように戦国時代にタイムスリップした仲間たちとともに、工夫を凝らし現代へ戻ろうとする。突然現れたツゥの秘密とは!?なぜ歴史を変えなくてはならないのか??タイムトラベル・ジャンルへの新たなアプローチ!!
ラブライブ!公野櫻子が贈るオリジナルストーリー。第1巻は、μ’sのリーダー高坂穂乃果がつづる“活動日誌”。スクールアイドルを目指して日々奮闘している彼女の日常とは?
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“気象庁特異生物対策部”略して“気特対”が、人々を守るため昼夜を問わず駆けまわっている。スカイツリーを襲った宇宙怪獣を辛くも撃破してから二日。一騎と亜紀子、そしてヒメは茨城県内のとある神社に護送された。そこで出会った美少女巫女ひかるは、ヒメとの意外な関係を明かす。一方、日本近辺では透明怪獣が次々と出現。その裏には、地球侵略を企むチルゾギーニャ遊星人の恐るべき目論見があった。果たして一騎たちは、最強の宇宙怪獣を迎え撃てるのか?本格SF+怪獣小説・『MM9』第3部!
シャーロック・ホームズ&アルセーヌ・ルパン、ミステリ界が誇る両巨頭の新たなる冒険譚。赤穂浪士討ちいりのさなか吉良邸で起こった雪の密室殺人。あのアドルフ・ヒトラーがじつは大変なシャーロキアンで…。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が日本に来た本当の理由とは。著名人の名推理に酔いしれる、連作短編集。奇才・田中啓文が贈る、ミステリ五番勝負!
空軍基地跡地の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、故郷に戻っていた。彼は冤罪だと主張していたが村人たちに受け入れられず、暴力をふるわれ、母親まで歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。人間のおぞましさと魅力を描いた衝撃の警察小説!
緊迫感ある展開と思わぬ落着を特徴とする作品を“サスペンス篇”として集成した文庫版全集第三巻には、出所した殺人犯を待ちうける異様な運命の悪戯を描き、探偵作家クラブ賞に輝いた表題作ほか、単行本未収録であった私立探偵ソリーの事件簿2篇、西部劇のノヴェライズ「ヴェラクルス」など18の短篇に、著者自身による作品解題・書評等を併載する。
恐るべき力を秘めた呪術品“アーリマンの心臓”を手に入れた黒魔術師は、その用法に熟達した大神官を3000年間の死から蘇生させた。彼の力で西方のアキロニア国を打ち倒すのだ。かの国の王は北の国から訪れた蛮族の子孫ーその名をコナンという。だが勇猛果敢をもって鳴るコナンさえ、大神官の妖術の前では虜囚となり果てた。逆襲はなるか?ハワードによるシリーズ唯一の長編!
邪悪な魔法使いが創り出した殺し屋たちの狡猾な攻撃に、“沈黙の魔法使い”アーゾウの軍は苦戦を強いられていた。アーゾウの創造物たちのなかでも、とりわけ優れた能力をもつ黒鷲獅子スカンドゥラノンは、新兵器を調べようと密かに敵の陣地に潜入するが…。はるか昔、伝説の“大魔法使い”アーゾウと宿敵マ=アルの戦いの物語が、そのヴェールを脱ぐ。“魔法戦争”三部作第一弾。
黒鷲獅子スカンドゥラノンは、ひとりで三頭もの敵を倒した小柄な雌鷲獅子ザニールの話を耳にする。彼女は小回りのきく身体と機敏な動きを生かして、普通では考えられないほど見事な戦法を編み出していたのだ。彼女は“沈黙の魔法使い”アーゾウが創り出した新種なのか?賢く柔軟なザニールに惹かれるスカンドゥラノンだったが、アーゾウの軍にはマ=アルの魔の手が迫っていた。
若頭・芦澤と出会い、スーツ一筋だった榎田の人生は大きく変化した。そして、ここへきて芦澤の側近、木崎の謎に満ちた死、その恋人の弁護士、諏訪の軟禁と緊迫した状況が続き…。そんなある日、矢も楯もたまらず諏訪が軟禁されている病院を訪れた榎田は、そこで執拗に芦澤たちをつけ回す刑事、野口と再会する。常軌を逸した野口が次々に仕掛ける罠…絶体絶命の窮地に追い込まれた榎田と芦澤だったがー。
冬の閉ざされた山小屋の一室で、初夏の緑が瑞々しい登山道で、山の怪は突如として牙を剥く。遺された無念の思いが、美しさに目を奪われた人々の心の隙に入り込む。登山者を異界へと導く「山」の霊気に満ちた怪異譚。