2013年発売
滅びの運命を変えるため、前世の記憶と実力を駆使して英雄を目指す魔法剣士カイル。王女の命を狙った陰謀を阻止し、彼女からの信頼を得たカイルとその仲間達は、使者として鉱山都市カランを訪れる。しかしそこでは住民の行方不明事件が続発しており、面会するはずだった都市長も姿を消してしまう。聞くところによるとその都市長は、伝説の“魔王殺しの聖剣”を持っているという。王女の依頼を果たすべく、更には聖剣を手に入れるために都市長の行方を追うカイル達。正体不明の相手からの襲撃と妨害を潜り抜け、ついに居場所を突き止めた彼等の前に現われたのは、恐るべき人族の仇敵・魔族だったー。
親の都合で異世界に来ました、深澄真です。チート能力はあるものの、この世界の人々が操る言葉を話せません。おかげで、魔法でフキダシを作って筆談するハメに…それはさておき、大変だった「世界の果て」横断の旅も終わり、ようやく辿り着いた街、ツィーゲ。街の大商人、レンブラントさんへの接触に成功し、幸先よく商人ライフを始めるつもりだったんだけど、どうやら彼の家族が「呪い」をかけられ苦しんでいるらしい。はぁ、また厄介事に巻き込まれそうなフラグがビンビンだよ…そうそう、亜空は順調に発展してます。無理やり領主にされたけど、住人たちの頑張りを見てると嬉しい気持ちになってくるよね。そんな亜空で、元竜の巴がイベントを企んでいるらしい。…なっ、亜空No.1を決める格闘大会だと!?そんなの聞いてないぞ!!
わけありの武家の女三人と頼りない案内人(御師)の珍道中若い女巾着切り、いわくありげな浪人者、犬を相棒にした抜け参りの子ども…いくつもの出会いが祖母の、母の、孫の人生を変えていく。心がほっとあたたまる長編時代小説。
意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、海外異色作家短篇シリーズの第二巻が登場。様々なジャンルで圧倒的な才能を発揮しながら、38歳の若さで数奇な人生を閉じた天才チャールズ・ボーモント。彼の遺した珠玉の作品群から、未訳作と個人集未収録作のみをセレクト。自らが死ねば世界が終わると主張する死刑囚を描く表題作ほか、怪物小説の伝説的傑作「フリッチェン」、社会派SFの名品「変身処置」など、個性あふれる短篇13本を収録!
エマは、父親に命じられるまま十五歳の若さでアズベリー伯爵ことリチャードと結婚した。だが、夫は初夜の契りを交わした翌日、エマを残して外国へ旅だってしまい、彼のよき妻になろうという彼女の夢は脆くも砕かれてしまった。それから十二年が経ったある日、彼女はある人物に脅迫されて娼館に出向き、そこで夫の姿を見つけてしまう。一方、夫の方も意外な場所にいる自分の妻に気づいて唖然とするが…。『ハーレムに堕ちた淑女』で鮮烈なデビューを飾ったT・クレアの官能ロマンス第2弾!
平凡なサッカー部員である日下駿は、夕暮れの喧騒の中で、クラスメイトの少女、七吹奏がビルの屋上から飛び降りようとしていることを知る。急いで奏のもとに駆け寄る駿だが、彼女は「本当の私のことを覚えておいて」と意味深な言葉を残し、飛び降りてしまう。ショックを受け、引きこもる駿だが、ある日、自らを「奏」と名乗る少女がパソコンの中に現れー。失われた奏の夢を叶えるため、立ち上がる駿を待ち受ける真実とは!?
小学校の理科準備室に閉じ込められた私。ホルマリン漬けの瓶に入った“あの子”が、一晩中お話をせがんできて(「おはなしして子ちゃん」)。「私の近くにいるとみんなろくな目に遭わない」黒髪の転校生トランジの言葉を裏付けるように、学校で次々に殺人や事件が起きて…!?(「ピエタとトランジ」)。14歳の夏、高熱を出した美少女エイプリルは、後遺症で一日に一回嘘をつかなければ死んでしまう体になってしまって(「エイプリル・フール」)。キュートで不気味、残酷だけど愛しい、恐るべき才能が炸裂する10篇の「おはなし」。ポップ&ダークな小説集。
月の地下交通トンネル、火星の与圧ドーム、水星の射出軌条、木星の浮遊工場…太陽系の開発現場で前例のない事故が起こるとき、現場の技術者たちは知恵と勇気で立ち向かう。ハードSFファン待望の“宇宙土木”シリーズ、第1話「コペルニクス隧道」が発表されてから四半世紀を経て、大幅改稿とともに誰も想像しえなかった驚愕の書き下ろし最終話を得て、ついにその壮大な物語が全貌を現す。
シロアリをヒーローやヒロインに仕立て、変形譚を縦糸に、ウィットを横糸に物語を織り成し、その他かずかずの動物や昆虫を登場させながら、国家の虚構性、あるいは政治のウソに真正面から迫った長篇イソップ物語!本書は、長篇童話「丘蟻一族」とその続篇「天馬降臨」に加え、これら二作品の解説ともいえる著者の講演録「なぜ童話を書くのか」によって構成される。
夏風邪がもとで体調を崩し、ご主人様である妖魔・司野とともに山間の小さな宿で静養するハメになった正路。ようやく回復してきた頃、正倉院から二つの宝物が盗まれるという事件が…。どうやらそれには宿敵カギロイが絡んでいるらしいと判明した夜、正路を手酷く抱いた司野は、「決して俺を捜すな」の言葉を残して姿を消した。役立たずな自分を責める正路。だが、どうしても司野の傍に行きたくて…。
ときは享保二〇年初夏、改革の嵐吹き荒れる八代将軍徳川吉宗の時代。一万五〇〇〇石の磐城湯長谷藩に隠し金山嫌疑がかかり、老中から「五日以内に参勤せねば藩を取り潰す」と無理難題ふっかけられた。八日はかかる六十余里を実質四日で走破せねばならない。カネも時間も人も足りない小藩は、殿様以下七名で磐城街道と水戸街道、さらには山野を踏み越えて江戸城本丸へとひた走る。一行の前に立ちはだかるのは公儀隠密、御庭番、百人番所の精鋭部隊。湯長谷藩の運命や如何!?
第二次世界大戦中に少年時代を送った旧ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュ。ユダヤ人であった父親は強制収容所に送られ、帰らぬ人となった。この限りなく美しい自伝的連作短編集は、悲劇をアイロニーと叙情の力で優しく包み込む。犬とこの上なく悲しい別れをする少年アンディはあなた自身でもあるのです。
顔見知りの女性ビッツィから、古いお屋敷を企業向けの宿泊施設に改装するので、内装を担当してほしいと頼まれたジェーンとシェリイ。工事関係者はほぼ女性のみという異色ぶりに加え、契約書も設計図もいいかげんなことに、二人は不安を覚える。そのうえ当の屋敷に嫌がらせをされ、止めにある夜、関係者の死体が転がる事態に…主婦探偵がリフォームに手を貸す、シリーズ第13弾。
陰ではマッタリさんと呼ばれ捜査中に俳句をひねるとの噂もある松谷警部は、目黒の殺害現場で所轄の白石巡査と合流。被害者の友人から聴取を始めたところ、過去の変死事件が浮かんできた。事件は予想外の広がりを見せるも、関係者に犯行の機会や動機は見当たらない。白石巡査の推理に期待し、松谷警部は助勢に徹するが…。犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ、文庫書き下ろし。
ある代議士夫人の影が盗まれたー。この不可思議な事件の謎を解いてほしいと養父母の頼みを断りきれず、高広は礼と調査を始める。事件には妖しい爪哇の魔術が絡み、さらに帝都を騒がす怪盗ロータスの気配が…。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年を中心に、明治の世に生きる人々の姿を描く“帝都探偵絵図”シリーズ第三弾。書き下ろしを含む六篇を収録。
分身のごとき双子の兄コンラッドの死。ヴィクターの喪失感はあまりにも大きかった。そんな時、闇の図書室の残骸で見つかった降霊盤がある言葉を綴った。『来たりて、よみがえらせよ』ヴィクターは隠された霊薬を発見し、コンラッドの恋人エリザベス、親友ヘンリーとともに、死せるコンラッドに会うため霊薬を口にする。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。