2013年発売
チャイルドが支配する世界を目指す宗教団体「リボーン」により壊滅的な被害を受けた北海道。リボーンの幹部である高校生の氷室香鈴は、王様ゲームの命令を自由に操れるナノクイーンを使い宮内雅人に挑戦状を突きつける。“恋人がいる者はその相手を殺せ”-追い詰められた雅人と、恋人の春野美咲は…。
大学生の中村和也は、兄の家に下宿して学生生活を謳歌する気楽な身。だが、兄の海外赴任で状況は一変する。美しい義姉・恵と二人きりの暮らしが始まったのだ。ひとつ屋根の下に満ち溢れる、女盛りの甘い匂い。貞淑な笑顔に隠された禁断色香に惑わされ、和也の疼きはやがて限界に達してー。オリジナル長編美熟エロス。
槌音がこだまする小梅村尚武館道場の普請場に桜の季節が訪れる頃、陸奥白河藩主松平定信の予期せぬ訪問を受けた坂崎磐音は、門弟衆が稽古する仮道場に案内し、磐音自ら定信に稽古をつけようとしていた。一方その頃、弥助と霧子の二人が揃って小梅村から姿を消したー。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、超人気書き下ろし長編時代小説第四十四弾。
深川の片隅にある若草色の暖簾の店「百合花」は、女性専門の口入れ屋だ。切り盛りするのは、元は武家の娘だった女主人の千恵。やむにやまれぬ事情を抱えて道行に迷う女たちが、今日も「百合花」の暖簾をくぐる……。
歌舞伎の道具作りを生業としてきた長谷川家のひとり娘・一葉は、男勝りでお侠な性分。周囲が止めるのも聞かずに男装をして、幼馴染みであり市村座の人気女形でもある竜太の付き人を務めていた。ある稽古の帰り道、辻斬りから助けてくれた御用聞き・大悟の颯爽とした男振りに、ひと目惚れをする一葉。しかし、現れたのは思わぬ障害だった…。
大川で見つかった中間の死体は、真っ二つに両断されていた。「鬼の仕業」と噂されるその奇怪な事件を調べる中で、定町廻り同心・空木勘久郎は、善規という蓬髪の浪人と出会った。善規は自らこそが「鬼」だと名乗る。
湯女に入れあげて追い出された呉服屋の若旦那、惣二郎。刀は持てぬが侍には引けを取らぬ。女には甘いが男には手厳しい。習い事に凝ったり、人妻に惚れたり、騒動に巻き込まれる天才の若旦那に降りかかる事件とは!?
エリート医師が、鏡に囲まれた部屋で自殺した。その後、医学部受験を控えた一人の青年が失踪した。正義感に溢れる検事・志藤清正は、現場の状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を進める。その頃、東池袋署の刑事・夏目信人は池袋の街を歩き、小さな手がかりを見つめていた。二転三転する証言のなかで、検事と刑事の推理が交差する。乱歩賞受賞が描いた、人間の心、とは。連続ドラマ『刑事のまなざし』の夏目シリーズ極上の感動長編!
60歳を過ぎての結婚から、83歳の死まで、自らの「老い」と「病」を見つめた、晩年20年にわたる珠玉の短篇をの集成。30歳年下の女性との結婚に至る葛藤と顛末を描いた「彼」「老残」。その後の結婚生活の波乱を記す「老坂」。病と向き合う「海浜病院にて」「七十歳」。死を身近に感じる「夕映え」、そして絶筆「死に近く」--最期まで文学への情念の炎を燃やし続けた「私小説家」川崎長太郎の神髄に迫る。 彼 老残 結婚 円い食卓 海浜病院にて 七十歳 老坂 三本脚 独語 甥 夕映え 死に近く
「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太は、CMで話題沸騰中の美女「Qrosの女」の正体を探るが、核心に迫る情報を得られない。ようやくCMで彼女と共演した俳優・藤井涼介のネタを仕入れたので、先輩記者の栗山にサポートしてもらい、藤井の自宅を張り込む。すると「Qrosの女」とおぼしき人物を発見!それは偶然?それとも仕組まれた罠?芸能記者、ブラック・ジャーナリスト、そしてヤクザも!?ネット情報に踊らされながら、思惑が交錯し、驚愕の真相へ。
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?二人の関係はバレたのか?動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。彼女の目的は何か?平穏な結婚生活を脅かす危機。俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが…(「夜の訪問者」より)。愛する人の“秘密”を描く傑作集!
探偵・神山健介を訪ねてきた和服姿の美女。彼女の依頼は雪に閉ざされた会津の寒村で起きた、ある事故の調査だった。そこで目にした過去の陰惨な事件の痕跡。吹雪で閉じ込められた神山の前に次々と明らかになる連続大量殺人事件!犯人は村人の中にいるのか。古くから伝わる昔語りに隠された歴史の闇とは!?残酷な悲劇の連鎖の謎を、神山は解き明かすことができるのか!
「夫は自ら死んだのではない」自殺とされた札差の妻おとよは確信していたが、証拠がない。話を聞いた青柳剣一郎は調べを進め、死の直前に御家人と不審な大金の取引があったことを掴む。すると、探索を阻むよう、次々と刺客が姿を現した。この執拗さは一体…戸惑いながらも、真実に迫る剣一郎。だが、敵は予想外の奇策に打って出る。シリーズ第二十六作、衝撃の結末。書下ろし長編時代小説。
剣術家の戸田龍之介は、朋輩の三崎から酒に誘われた。御徒組次男坊の三崎には、急逝した親友の遺言で、その許婚・桜木登和との見合話が進んでいた。桜木家は家格も上で登和は美人。逆玉のはずが、三崎は登和から耳を疑う告白をされていた。話を聞いたお葉も仰天。直後、日々堂では飼い猫のシマが行方不明になりさらなる大騒ぎに…。人気沸騰の“泣ける”時代小説!
東京・亀有で探偵事務所を開く小仏太郎。かつての警視庁の同僚・安間善行から受けた依頼は、調布市にある謎の家の主・宇堂忠次の正体を調べてほしいというものだった。“予修寮”と呼ばれるその家は「駆け込み寺」と呼ばれ、いじめで学校をやめた少年少女数人が住んでいるらしい。部下の下地に聞き込みをさせたところ、寮で家庭教師を務める女は北海道・旭川の出身だという。そんななか、その旭川に近い大雪山の麓にある層雲峡で、ホテル従業員の内村京子が殺される事件が発生。しかも彼女はかつて予修寮に勤務した過去があったことも判明。事件と謎の家とのかかわりは…!?
浅草の老舗「駒形どぜう」を舞台に、幕末・明治の歴史の渦に翻弄されつつも、江戸っ子の意地と持ち前の明るさで店を守りぬく主人“助七”と、店に集う人びとの人生模様を描く。感涙必至の傑作歴史時代小説!
江戸の町を繁栄させるのは物が動き、銭が動くことだーいなりずしから贋金まで、物価にまつわる騒動の始末に奮闘する同心・澤本神人。家では亡くなった妹の娘・多代を男手ひとつで育ててきたが、そこに居酒屋の美人女将が現れてー物の値段に人情を吹き込む新機軸の時代ミステリー!