2014年1月30日発売
「私の名前はヴィクラム・ラルだ。アフリカでもっとも汚織にまみれた一人、異様かつ卑劣なまでに狡猾な詐欺師として広く知られている」-1963年、ケニア独立。そこには、西洋とアフリカ、支配と革命、無垢な友情と政治汚織の「狭間」を生き抜く、ひとりの男の生があった。ポストコロニアル文学の新境地を切り拓き、カナダの代表的文学賞・ギラー賞に2度輝いたヴァッサンジ、待望の本邦初訳。
恋のお相手はファン、スタッフ、ミュージシャン…それともメンバー!?リアルな舞台裏と赤裸々な恋愛事情をスパイスに、女性アイドルがそれぞれの恋に思い悩みながら成長していく姿を、AKB48現役メンバーが等身大の目線で描く衝撃のラブストーリー。妄想120%の短篇小説集。
その日まで、ぼくは教室の“幽霊”だった。誰にも話しかけられない孤独な高校生活を変えてくれたのは、前の席に座る同級生。謎めいた彼女の行動、校内で続く動物死体遺棄。穏やかで不安定な日々に隠された真実とはー
余の出生は一八七一年二月六日、サセックス州ーヘンリ・メリヴェール卿の口述が始まった。心打たれる瞬間である。しかしその折も折、変事が突発した近傍のフェイン邸へ出馬を要請する電話が入った。家の主人が刺されて亡くなり、手を下した人間は判っているが状況は不可能を極めているという斗柄もない事件である。秘書を従え捜査の合間も口述を進めるH・Mの推理は如何に。
保険調査専門探偵ホガートは顧客からある依頼を受けた。プラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失し、調査に派遣した調査員が行方不明になった件を調べてほしいというのだ。プラハに飛んだホガートは、死体の首と手を切りおとしビロードにくるむ、猟奇連続殺人事件に巻きこまれる。『夏を殺す少女』で衝撃のデビューを飾った、オーストリア・ミステリの名手が仕掛ける巧妙な罠とは?
風変わりな人々や事物が関わる奇妙な事件の起こるとき、謎の男サイモン・アークは現れる。あるときは超常現象研究者、またあるときは私立探偵として。警官が監視する中、焼死したはずの男が遂げた不可能犯罪、現代ニューヨークに住まう魔女の呪いが生む回転ドアの密室…暗黒の事象と犯罪が交差する怪事件を、オカルト探偵が明晰な推理力で解いていく8編を収録した第五短編集。
死神を思わせる風貌の警部が、完璧だったはずの殺人計画を徐々に崩壊へと導いてゆくー倒叙ミステリ「運命の銀輪」をはじめ、残虐な場面が上映されているにもかかわらず観客席の闇の中で微笑を浮かべる女性の謎を追いかける傑作「闇ニ笑フ」、米大統領選挙の熱狂の最中に発見されたひとつの死体の謎をファンタスティックな筆致で描く力作本格推理「幻の銃弾」など七編を収録。
必要か不必要かはどうでもいいのだ。したいからする。これは信念なのだー密やかなオフ会でとんでもない事態が発生、一本の鍵を必死に探す男たちを描く「Aカップの男たち」、うそつきキツネ殺害事件の犯人を巡りどうぶつたちが推理を繰り広げる非本格推理童話「どうぶつの森殺人(獣?)事件」などノンシリーズ作品に、猫丸先輩探偵譚「毒と饗宴の殺人」を特別収録した全六編。