2014年11月発売
豚足×会社を辞めて武闘派として生きる元サラリーマン。ロースカツ×結婚の許しを得るべくお父さんに挑むデザイナー。角煮×母親に嫌気がさし、憧れの家庭を妄想する中学生。ポークカレー×加齢による衰えを感じはじめた中年会社員。豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風×片思いの彼女に猛アタックを試みる大学生。生ハム×同じ塾に通う女の子が気になる偏食小学生。肉×男で駄目な味。おいしくてくせになる、絶品の「肉小説」
吉田松陰門下の逸材として久坂玄瑞と併称され、奇兵隊の組織などで長州藩を倒幕の中心に押し上げた男・高杉晋作。「おもしろきこともなき世をおもしろく」と辞世を詠んだかれの胸中とは?足かけ29年の短い生涯のなかで、高杉は自分で面白いことを仕掛け、いかなる危難にも毅然と対峙した。幕末屈指の英雄の生き方とその思想を現代的な視座から描く歴史小説。
短篇の名手が、ふとした出来事による心の揺らぎを静かにあぶりだす作品集。ノーベル文学賞受賞作家が、鋭い観察眼としなやかな感性で描く、さまざまな「愛」のかたち。日常の中の生と性、死と老い、すれ違う愛、心の深淵…。表題作「愛の深まり」ほか、マンロー作品のエッセンスが詰まった11篇。
夫の無実を信じる妻、弟の死に陰謀の気配を感じ取った兄…。敵を追って二人が向かった先は、天保の改革で開拓が進む印旛沼。そこには「化土」が渦巻いていたー。男と女の秘めた想いが交錯する。構想20年、著者が遺した渾身の長編小説。
江戸の町には、猫の数だけ物語がある。ある日の貨物屋で「借りたい」と依頼があったのは、白くて尻尾の曲がった子猫。怪しげな連中を追う途中で、ふところに飛び込んできた黒い猫。突然、恋のキューピッド役を買ってでた猫。奉公先の奥方にかけられた猫の化身疑惑ー。江戸の町を闊達に猫と人とが駆け巡る。五人の作家が描きだす、文庫書き下ろし作品集。
平安時代末期。栄華を極めた平家一門の陰で、過酷な運命に翻弄された女たちがいた。平清盛をめぐる祇王と仏御前の葛藤、安徳天皇の母として国母となった建礼門院徳子の悲劇、二人の天皇に愛され后となった藤原多子、宮廷一の美女と謳われ夫に殉じ、海に消えた小宰相…。一門の興亡を女性たちの視点で描く、新たな「平家物語」。文庫書き下ろし。
虎吉は、読本をしょって商う貸本屋で、派手な着物とつづらがトレードマーク。目端が利くので、戯作者・九玲彬に人気作を書かせるなど、版元の手伝いもしている。そんな二人は、読本に夢中になった大店のお嬢様の恋を助ける羽目に…。ちょっとせつなく、ちょっと不可思議。江戸の季節をめぐるほっこりあたたかい連作短編登場!文庫書き下ろし。
代三郎は「猫手長屋」のぐうたら大家。仕事もせず、三味線を鳴らすばかりで、店子からも頼りにされていない。しかし、彼には故郷の氏神・大猫様から授かりし使命があった。それは、江戸の町に跋扈する魔物を退治することー。今日も飼い猫の栗坊と、三味線片手に不穏な空気漂う屋敷へ向かうのだった。新感覚・江戸長屋ファンタジー!文庫書き下ろし。
江戸初期、幕府の基礎を築いた名老中と言われた阿部忠秋。彼が育てた数多くの孤児の中の二人ー柳之介と秋太。二人は反発しあいながらも力を合わせ、柳之介は鍛え上げた剣術、秋太は明晰な頭脳で、様々な困難に立ち向かう。「誇り高き心」と「幽玄なる智」-異なる才を持ち、強き絆で結ばれた二人の若き男達の物語。文庫書き下ろし。
由緒正しき英国霊媒師一族の末裔、アーネスト。彼は友人の佐貴が働く喫茶店“リーベル”によく立ち寄るため、店には霊にまつわる悩みを抱えた依頼人が度々訪れる。十一月のある晩、店にやってきたのは「浜本理佳」と名乗る女性。彼女は「この電話番号の相手が、霊媒師の助けを必要としている」と、戸惑う佐貴にメモを渡して立ち去る。しかし、その番号に電話を掛けた佐貴は、思わぬ事実を知らされる。浜本理佳は、一年前に自殺したというのだ。さらに、理佳の交際相手が不審死を遂げたことを知り、アーネストと佐貴は捜査をはじめる。背後にはアーネストと因縁を持つ人形師・三神の影がー?
中学生になって初めての夏休みを迎える保は、友人のユウイチと、古民家の庭先に迷い込む。空き家だと思い込む二人は、そこでユウイチのペットのミドリガメを飼い、えさやりに通い始めた。ある日家主の娘・夏美と遭遇。保は夏美に責められるが、「とおる?…お前かい??」-突然、家主であるおばあさんに呼び止められて…。認知症と向き合う家族たちの愛と葛藤。日常の中で起こった小さな奇跡を描いた心あたたまる作品。
特製シール付きのスピンオフ文庫! 「デビクロくんの恋と魔法」の作中、主人公の書店員・光が夜な夜なボム(配布)行為を繰り返している不思議なビラ、デビクロ通信。 本作では、この「デビクロ通信」のことばを200点、名言集的に構成。そのうち、50点以上については、宮尾和孝氏が新たに描きおろすイラストがついたかたちになります。
早くも10万部突破!シリーズ最新作! ●第一話 敵討ち 神田の口入れ屋「もみじ庵」から1日2両という破格の付添い仕事が舞い込む。依頼人は、塚原七兵衛という老年の侍。塚原は二年前、息子の敵を討つために信州から江戸へやってきた。六平太は敵討ちの付添いを頼まれる。 ●第二話 用心箱 口入れ屋「もみじ庵」の斡旋した女が、奉公先の武家屋敷から金を盗んだという。逃げた女を見つければ、人宿組合から三両の礼金が入ると言われ、六平太は探索を引き受ける。犯人とされる女は、片方の眉がないという。 ●第三話 安囲いの女 谷中に住む、おようという香聞きの師匠が付き添いを求めているという。おようは、月に三度か四度、麻布谷町へ行き、二日ばかり滞在して谷中に戻る。実は、谷中で煙草屋の隠居の妾をやりながら、麻布では三人の男からそれぞれ月に一両二分の手当てで囲われていた。 ●第四話 縁切り榎 六平太は、材木商の飛騨屋の娘・お登世と、その友人であるおしのの灌仏会見物に付き添った。おしのは諸国産物を商う大店、日本橋「久野屋」の娘で、大名家の江戸屋敷に奥女中として奉公している。最近、お殿様の目にとまってしまい、このままでは寝所に行かされてしまうというのだ。 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ『鬼平犯科帳』『剣客商売』『水戸黄門』『御家人斬九郎』の 大物脚本家・金子成人による、波瀾万丈の人情時代劇! 第3弾となる本作のオビコメントは、里見浩太朗さん! カバーイラストは、今作も『JIN-仁』『龍ーRON』『六三四の剣』の 村上もとかさんです。 書き下ろし時代小説界最後にして最強の大型新人!
津軽でイタコの修業を積み、江戸へやってきた百夜。修法師として、怨念を抱え蠢く物の怪や付喪神たちを次々と鮮やかに調伏する怪奇譚。夜な夜な、なをの枕元に現れる火消半纏を着た鯔背な男。この男に会えることを楽しみにしていたなをだったが、男の正体は…(『鯉と富士』)。一月の寒さ厳しい夜、江戸は京橋を歩いていた弥五郎が、突然左足を何かに取られる。そこには真っ黒い壷が。よく見ると、辺り一面に何百個という壷が転がっている。その不気味な光景に隠された悲しい歴史とは…(『壺幽霊』)。亡鬼たちの怪異物語全七篇。大人気百夜シリーズ第三弾。
湯けむり温泉殺人事件で風祭が大活躍…!? ワールド・ポリス・チャンピオンシップで優勝した風祭警部は、国立市の名誉市民に選ばれたお祝いとして、龍宮温泉にある温泉宿「浦島本陣」の宿泊券を贈られる。風祭は長年仕えてくれた忠実な熟年メイド・光川をねぎらうため、”美人の湯”として名高いその秘湯でともに休暇を過ごすことに。 しかし、到着早々、宿で殺人事件が発生。蔵の中で、血を流して倒れている女将の死体が発見されたのだ。蔵は完全な「密室」だった。 捜査の中から浮かび上がってきたのは、もともと浦島本陣を経営していた一族・安城家の呪われた歴史と、安城家に代々伝わる「国立小判」を狙う者は殺害されるという”白の祟り”の伝説だった。莫大な遺産と後継者問題を残した強欲女将惨殺事件は第二の殺人事件を引き起こし、謎が謎を呼ぶこの難事件を解決すべく、ついに風祭が立ち上がる。 大のミステリ愛好家である光川の名アシストを受けて、風祭の迷推理は真実へと近づいていくがーー!? 執事探偵の影山、お嬢様刑事の麗子に並ぶ人気キャラクター、風祭警部を主役にした同名のスピンオフドラマを完全ノベライズ。風光明媚な山奥の湯けむり温泉で、風祭のミラクルが冴えわたる!! 【編集担当からのおすすめ情報】 KYでちょっと”残念”だけど憎めない風祭警部の生い立ちや、トレードマークの白スーツの由来も明らかに!
屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆けるー伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
幕末の動乱を生きた長州の志士久坂玄瑞。その傍らに咲いた一輪の花、妻・文を描く、唯一とも言える長編評伝小説。大獄に散った高潔な兄・吉田松陰の薫陶を受け、弟子の玄瑞に嫁す。ともに暮らしたのはわずか二年だが、杖とし、柱とし、すべてであったと慕い、その死後も凛烈に生きた野菊のような生涯。
引退を決意し、新たな世界を希求する殺し屋に襲いかかるさまざまな組織の罠、そしてかつての仇敵たちー「現代フランス文学の極北」といえるほど、限界まで贅肉をそぎ落とされ張りつめた文体が描く、荒涼たる孤独と絶望のドラマ。ロマン・ノワールの旗手・マンシェットの遺作にして、最高傑作。ピエール・モレル監督により映画化。