2014年3月25日発売
「悪霊がいる」と噂がたつほど寂れきった大観園。勢いを失った賈家にとどめを刺すかのように、一族の過去の不正が次々に摘発される。失意のうちにおばあさまが亡くなり、王煕鳳も病死。混乱の中で、宝玉は再び太虚幻境を訪れ、少女たちの来歴と結末を悟るー。深い寂寥感と微かな希望とー不朽の名作、ついに完結!
1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の“完全改訂版”!!
日本が誇る名門、烏丸家の27代目当主となった花穎は、まだ18歳。突然の引退声明とともに旅に出てしまった父親・真一郎の奔放な行動に困惑しつつも、誰より信頼する老執事・鳳と過ごす日々への期待に胸を膨らませ、留学先のイギリスから急ぎ帰国した花穎だったが、そこにいたのは大好きな鳳ではなく、衣更月という名の見知らぬ青年で…。若き当主と新執事、息の合わない“不本意コンビ”が織りなす上流階級ミステリー!
屋敷のどこかに眠っているはずの、一枚の絵を捜して欲しいー昔馴染みの女性の依頼で、佐々波と雨坂は、山の上に佇むある洋館に向かった。しかし館では不思議な現象が起こり、スズメ、人形、オーディオスピーカーは、佐々波に冷やかに告げるーここから出ていけ!謎めいた人人、歪んだ愛情、嫉妬、葛藤、そして嘘…果たして二人の“探偵”は、幽霊が仕掛けた物語の結末を、得意の議論で正しく描くことができるのかー!?
もしも生きているのなら、死んだはずの夫に一目会いたい。ただそれだけを望む雪乃だったが吉原花魁道中の豪奢な衣装にからんだ禁制品の摘発を進める幕府と、大がかりな密貿易組織との抗争に巻き込まれ、命を狙われることに。背後ですべての糸を引くのは敵か味方か?やがてたった一つ残された、夫の形見の観音像が、思わぬ運命へと雪乃を導いていくー。すべての謎が解き明かされる、書き下ろし人気長編シリーズ第3弾。
常連客で賑わう江戸は本所の縄暖簾「福助」。おあきと弘蔵夫婦、見世の切り守りを手伝う娘のおてい。平凡だが幸せな暮らしを営む一家の心配の種は、風来坊の息子・良助のこと。奉公先を飛び出し彰義隊に志願したと風の噂で知り、家族は気が気ではないー。江戸から明治へと、大きな時代の波に翻弄される市井の人々の暮らしと、いつの世も変わらない親心。激動の時代を庶民の視点からダイナミックに描きだす傑作時代長編!
官軍と幕府軍の対立は激化の一途をたどるばかり。彰義隊に身を投じた良助は、上野の山の戦に加わると言い、おあきと弘蔵のもとへ最後の挨拶にやってきた。お願いだから、生きていて…ただひたすらな親の祈りは届くのか。江戸から明治へと大きくうねる時代の波は、人々の人生を容赦なく呑み込んでしまう。移りゆく世相を克明に活写しながら、日々を懸命に守ろうとする市井の者たちの生きざまと人情を謳いあげる感動長編!
ある日猫字屋のおたみの許を訪ねて来た鹿一。髪結の腕も確かで雛男の彼が雇人を続けていたのには他人に言えない訳があって…。別の日、思案橋の欄干に窶れ果てた姿をさらしていた姉妹弟子のおしん。吉原で花魁を務める姪に一目逢いたいー余命幾ばくもない彼女の願いを叶えようとおたみ達は画策する。共に笑い、共に泣き、言葉にならない哀しみ苦しみに心を寄り添わせようとする人々を温かく描きだす人情時代小説第2弾!
早瀬の旧家、東屋敷の一人娘が殺害された。敬次郎の呪いの罠を疑う当主は汐路に調査を依頼する。そんな中、町の歴史の暗部と呪いの因果を暴露した本が出版され、ネットを中心に早瀬をバッシングする風潮が広がっていく。正義の名の下に暴走する人々の悪意。これも時を超え張り巡らされた呪いの連鎖なのか?事件の陰に潜む元上司石丸の思惑とは?絡み合うすべての謎が鮮やかに解き明かされる、怒涛の書き下ろし完結編!
この朧月市は、妖怪たちを封じ込めるために作られた自治体なんだよー亡き父の遺志を受け継ぎ、晴れて公務員となった宵原秀也は、困惑した。朧月市役所妖怪課。秀也が身を置くことになったその部署は、町中に現れる妖怪と市民との間のトラブル処理が仕事だというが…!?公務員は夢を見る仕事…戸惑いながらも決意を新たにした秀也の、額に汗する奉仕の日々が始まった!笑顔と涙、恋と葛藤の青春妖怪お仕事エンタ。
3年前に盗まれた時価2億円のエメラルド“森の妖精”。窃盗犯・黒宮は逮捕されたが、宝石の行方は謎のまま、仮釈放の時が迫っていた。特捜刑事・香月は“森の妖精”を捜すため、黒宮の愛人・日出子に取り入り、身体を重ねるようになる。鍵を握る暴力団・酒中組の捜査を開始し、香月は事件の全貌に近づくが、日出子が死体で発見されてしまう。犯人逮捕のため、香月は新宿歌舞伎町に乗り込むが…。本格警察小説シリーズ第16弾!!
櫻咲き乱れる春、江戸で次々と奇妙な死体が見つかった。彼らの背中からは揃って自慢の刺青が消えていたのだ。失くなっていたのは見事な龍の画。この頃、男の一人は龍に魂をとられると怯えていたという。話を聞いた石燕は、鏡花と怪事の源を探り始める。やがて浮かび上がってきたのは、ある彫師の存在。だが、いつもは石燕に協力を頼んでくる塗楽が、この件にだけは関わるなと告げて姿を消し…。急展開の妖怪活劇、第3弾!
美貌の熟女・麗子と出会ったことで遼一の運命は狂いだした。屋外で強制された自慰行為、白覆面に全裸という屈辱的な拘束体位…。結婚直前の身にもかかわらず、彼は麗子に命ぜられるがままに恥辱プレイに溺れていく。しかし彼女は交わることを許さず、生殺しの快楽に悶え泣く遼一は、やがてやり場のない性欲を爆発させる…。官能小説のニューウェーブ・草凪優が渾身の筆で描いた究極のMプレイ3部作第1弾!
心にいる女性は2人だけ。2人とも自分のもとを去っていた。そして、いま、3人目の女性に出会うー。鷺坂美樹は36歳の学習塾講師。勤務先近くの店員、女池節子さんが気になっている。ある日、職場へ向かう電車で偶然女池さんに会った美樹は、彼女を食事に誘うことに成功する。時間を重ねるたび、深まっていく2人。やっと巡り会えたミューズに美樹は夢中になるが…。驚愕の展開が待ち受ける、シリーズ第8弾!
怖いもの好きの管徳代と峰岸柚璃亜は、惨劇の現場“無辺館”に忍び込む。そこは約半年前に、5種類の凶器による残忍な無差別連続殺人事件が起こった場所だった。館で2人を襲う、暗闇からの視線、意味不明の囁き、跟いてくる気配。死相が視える探偵・弦矢俊一郎に身も凍る体験を語る彼女には、禍々しい死相が浮かんでいた。俊一郎は真相解明に乗り出すが、無辺館事件の関係者から新たな死者が出て!?大人気シリーズ第4弾!!
お見合いで知った双葉に惹かれる慶太。双葉によって嗜虐性に目覚めた慶太は、出会った日から彼女に陵辱の限りを尽くす。結婚して2ヶ月後、その夜がくるまでは…(「いじめたくなる女」)。「夫婦交換をしてみない?」結婚して十年。洋一郎は妻・静枝からスワッピングの提案を受ける。嫌なら離婚するという静枝に引きずられるようにホテルに向かった洋一郎が経験したこととは…(「他人の妻、他人の夫」)。夫婦という形の愛と狂気!
地図にない本屋と聞いて、カノさんの本屋だと思った。ときどきしか行けない、その日しか存在しない本屋を作りたいと言っていたのだ。ショップカードの番地は「1-7-水曜日」、間違いない(「水曜日になれば(よくある話)」)。ほか、沖縄の古書店で自分と同姓同名の記述を見つけた女性、宇宙船に一冊だけ残された貴重な地球の紙の本を持つ少年などを描く、人気作家たちが紡ぐ様々な「本をめぐる物語」。本から広がる不思議な世界8編。
1974年。戦争と軍隊を放棄した国家コスタリカに、謎の武装集団が出現。背後には米ソの不穏な思惑が隠れている。平和を望む少女パスの願いをかなえるため密林に潜入したスネークを待ち受けていたのは、10年前に自ら殺害した最愛の恩師ザ・ボスと、完全なる核抑止を実現する自律歩行型核兵器ピースウォーカーだった。ザ・ボスは生きているのか。核抑止による平和は可能なのか。スネークの壮絶な任務が始まる。