2014年6月30日発売
愛する少女に告白した瞬間、勇者イサギは未来へと飛ばされた。彼を喚んだのは、敵対していたはずの魔族。滅亡の危機に瀕した魔族を救うため、愛する少女を探すため、イサギは立ち上がったーただし、魔王イサギとして。時を超え、種族を越え、少年の夢は再び世界の希望となる!!
戸鹿野智貴、28歳。若きカリスマ経営者と言われる彼は、女と旅行に行った異国の地で、薬物密輸の疑いで逮捕される。会社は破綻、資産は没収。なぜ自分ははめられたのか?事件の真相を探るべく、彼は名前も顔も変えて調査に乗り出す。一方、イギリスで麻薬捜査を手がけるジャッド・ウォーカーは、ユーロポールへの出向を命じられ、イタリアでマフィア幹部の惨殺事件に遭遇する。さらに第二の事件が…。日本、イギリス、イタリア、アメリカ。舞台は目まぐるしく動き、予想もしなかった真相が立ちはだかる。世界スケールで展開するサスペンス巨編。この真相を見抜けるか!
ナマリ千代は、朝鮮でそして日本で、両親や兄弟、夫や子ども・孫を殺され、一人長崎にいた。島原の乱後、農民の子として育てられたジュリア須美は、困窮のため大坂の新町遊郭に売られ、太夫(小太夫)となる。人にはマリア様との果たすべき「御約束」があると信じていた二人。千代の「御約束」は須美に仕えることだった。そして、須美の「御約束」となった壮大な企てを実行に移そうとしていた…。
1970年に発表されてから、しばらくはまるで反響がなかったが、数年後から爆発的に読まれ始めた伝説の作品『かもめのジョナサン』。飛ぶことの歓びを追求したために、仲間から追放された一羽のカモメが、やがて…というこの物語は、全世界で4000万部以上、日本でも260万部を超える大ベストセラーとなった。長い歳月ののち、著者R・バックが自家用飛行機の事故で九死に一生を得たことをきっかけに、新たな最終章が加えられ、「完成版」が刊行された。そのPart Fourは驚愕の内容を持つが、断固として未来を語り、“自由を求めよ!”と我々を深く励ます。
アマゾンの密林に出現した万能の力を持つ物質マタカン。時を同じくして登場する人々の苦痛を癒す魔法の羽、幸運の予言をもたらす伝書鳩、腕や乳房が三つある男女。そして物語の語り手は、日系移民カズマサの顔前で回転する謎の球体…歓喜と興奮の坩堝と化したこの地に、何が起きようとしているのか?
男女の純愛がもたらす現代の怪異譚(「青木ケ原」)。3日間、洋上を身一つで漂流した男ほか、生死の極限を描く掌編集(「やや暴力的に」)。60年前の学生時代の無銭旅行の思い出と、男たちのその後(「僕らは仲が良かった」)。過去の記憶と幻想が交じり合う7つの煌めき(「夢々々」)。警察官が見た不可解きわまりない世相絵図(「世の中おかしいよ」)。4世代へと受け継がれる、人が生きることの意味(「うちのひい祖父さん」)。「太陽の季節」から60年。生と死の臨界点に挑み続けてきた石原文学の結晶。
個人と集団の経験を牧歌的に混淆させ、「深い憂い」を断片的な個々の事物に刻み込めながら、独自の「歴史的な証言」を読者に追体験させる。それだけに、作品が犯す大いなる矛盾を、読者も敢えて犯さなければならない。チャウシェスク独裁政権下のマイノリティーの苦難。ノーベル文学賞受賞作家による「周辺」の文学。