2014年7月16日発売
一八〇五年夏、ペテルブルグ。上流社会のパーティに外国帰りの奇妙な青年ピエールが現れる。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが名の日の祝いに平和を満喫。一方従軍するアンドレイ、ニコライらに戦火は迫りー対ナポレオン戦争を描いて世界文学史に輝く不滅の名作!新訳。
愛の理念のもと、人間の復活とは何かを問う後期の大作。老トルストイは世の中にはびこる虚偽と悪に鋭く厳しい眼差しを向ける。殺人事件の陪審員として法廷に出たネフリュードフは、容疑者の娼婦が、かつて自分が誘惑して捨て去った叔母の家の小間使いカチューシャであることに気づき、良心の呵責にさいなまれる。
日中混血の青年カケルは、上海の親元を離れ日々を徒然に暮らしている。ある日、ビザの更新のために日本へ行くことになり、オタクの聖地、秋葉原に辿り着く。その馬鹿馬鹿しくも傑作な結末とは?-ユニークなルビで読む者を圧倒する文章表現。クリティカルな日中文化論、そして見事な漱石論(パロディ)。大型新人のデビュー作。第57回群像新人文学賞受賞作。第151回芥川賞候補作。
祖父から譲り受けた本の内容が書き変わってしまう。こんな呪われた本を遺した祖父は、私を恨んでいたのでしょうか?孫娘からの依頼を受けた探偵鬼鶫。しかし彼の実力を知る助手の佐々は、秘かに深山木薬店に調査を頼む。秋は、探偵、探偵助手と3人で依頼主の住む新潟へ。果たして、真相を解くのは誰だ?怪奇譚シリーズ第5弾。
死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた21年間はなんだったんだ?傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていても彼は逃げ続ける。なんのために?誰のために?渾身の全面大改稿、ほぼ書下ろしの秀逸ノンストップ・エンタメ!
『八月の犬』。それは京都の『大文字』焼きに「丶」を足し『犬文字』にする極秘作戦。1982年、戌年の夏、6人の大学生は青春の熱狂を計画にぶつけた。しかし実行直前、山室の恋心が悲劇を呼ぶ。消えたかに見えた友情と『八月の犬』。しかし24年後、再会した病床の親友は、仲間の再結集と計画の完遂を山室に託した。
戦雲急な時代、詩人を志しながら海軍兵学校へと進み世界最強の零戦搭乗員になった降旗。日米開戦は同じ女性を愛したロバートと降旗を敵味方に分けた。戦争は若者の恋も青春の夢も容赦なく叩きつぶす。彼らは何のために生き、何のために死んだのか。ミッドウェイ海戦に命を賭けた防人たちを描く鎮魂の大作。
私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本ー。女子高校生の空閑純は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意識を問う新シリーズ開幕!
炎に包まれた矯正施設から、命がけの脱出を成功させた紫苑とネズミ。イヌカシらに力を借り、意識を失ったネズミを病院に運んだ紫苑は、かつて地下世界の住人・老から託されたチップを医師のパソコンに差し込んだ。するとー理想都市NO.6を支配していたのは、誰なのか。崩壊と再生の物語、怒涛の最終章!