2014年7月発売
彼女いない歴=年齢、高校1年生の龍樹は、保健室で出会った女の子の「くちゅんっ」というくしゃみに恋をした。そんなに可愛いなんて、反則だろ。龍樹から告白された森せつなは、ちょっと不安になる。「本物のわたしを知ったら彼は幻滅するかも」。つきあい始めた二人、些細な行き違い。しかしのびのびと育った龍樹に触れ、頑ななせつなの心が次第にやわらいでゆくー。爽やかな初恋、駆け抜ける青春。永遠のラブストーリー。
何の変哲もない家で、主婦の死体が発見された。完全な密室状態だったため事故死と思われたが、捜査のうちに30年前の事件が浮上する。歌野晶午が巧みに描く「家」に宿る5つの悪意と謎ーー傑作推理短編集!
私には話しかけないでください。友達を作るつもりはありませんー転入早々に宣言した転校生・昭島こころ。周囲に合わせることで自分の位置を確保してきた双葉絆は、クラスに打ち解けようとしないこころの態度に、流されない強さを感じ興味を持つが。たどり着けない家、何も書かれていない本、遠足での不可解な事件。こころの周りで起こる不思議な出来事は、こころを次第に孤立させてゆく。転校生の美少女は一体何者なのか!?
普通のサラリーマン、久留米充の頭痛の種は、同居中の友人・魚住真澄だ。 誰もが羨む美貌で、男女問わず虜にしてしまう男だが、生活力は皆無。 久留米にとっては、ただの迷惑な居候である。 けれど、狭くて暑いアパートの一室で顔を合わせているうち、どうも調子が狂いだし……。 不幸な生い立ちを背負い、けれど飄々と生きている。そんな魚住真澄に起きる小さな奇跡。 生と死、喪失と再生、そして恋を描いた青春群像劇、第一巻。 夏の塩 この豊かな日本で ラフィン フィッシュ 制御されない電流 鈍い男
警視庁公安部の刑事だった奥野侑也は、殺人事件で妻を亡くし退職を決めた。孤独に暮らしていた侑也に、かつての上司を通じて潜入捜査の依頼が入る。北の果てに建うモウテルの管理人を務め、見知らぬ人物と暮らしながら疑似家族を演じろという。侑也が現地に赴くと、そこにいたのは若い男女と傷ついた1匹の番犬だった。やがて闇に隠れた謎の組織の存在と警察当局の狙いが明らかになり、侑也は眠っていた牙を再び甦らせるー。
タクシー運転手の速人が迷い込んだのは、この世とあのよの狭間を漂う入日村という不思議な村。そこで会った少女・彩葉と共に、速人は迷える魂の「未練」を解く仕事を始めるが……。心にしみこむ物語!
おいしい報酬につられ、怪異トラブル解決業の奈(にのまえ)に、いいようにコキ使われることになった素行不良霊能者の多賀宮だったが……。唯我独尊男と生き餌男の痛快あやかしミステリー誕生!
飛岡音楽院の学院長が亡くなった。音楽家として活躍した彼は、死の間際に、幻と言われている“送別のソナタ”の楽譜を孫娘・有紀子に託す。決して弾いてはならないという言葉を添えて。有紀子の姉・真由子が学院長に就任し、新たな生活が始まろうとした矢先、不可解な事件が起こり始める。学院の運営を任されていた園井が、真相を知っているようだが…。姉妹を巡る人間関係も、変奏曲のように変化していく傑作がここに!
行方不明になったピアノ科の生徒と学院の事務長夫人。警察は、手がかりがないまま関係者に事情を聞き始める。有紀子は、祖父の死がきっかけで知り合った滝村と自宅で過ごしていると、前触れもなく事務長の森崎が訪ねてくる。ナイフを手に“送別のソナタ”の楽譜を出せとおどされる有紀子。滝村が果敢に立ち向かっていくがー。音楽家たちを虜にした作品・幻のソナタの真相が今明らかになる!
この国の行く末を憂い、幕府の体制に疑問を感じていた彦蔵は、己は何をすべきかと焦燥感に駆られていた。そんな折、ついに師の本多利明や、ともに学ぶ仲間が襲撃される。怒れる彦蔵は犯人を探り始めるが、そこで辿り着いた、意外な黒幕とは!?一方、彦蔵の故郷・河遠藩では藩政改革を図る一派に大きな危機が訪れていた。過酷な運命に翻弄されながらも真摯に生き抜く侍を活写する、話題沸騰の書き下ろし時代小説、第6弾!
休暇でサンフランシスコの家族のもとに帰ってきた海軍大尉フォード・ブロディは父が逮捕されたという報せを受け日本に向かう。父とともに放射能汚染区域に侵入したフォードは、原発跡地の地底からあたりを破壊して飛び去る巨大な生物を目撃する。その怪物が向かったハワイにはさらに巨大な怪獣ゴジラが現れた…。1954年のオリジナル版にオマージュを捧げたハリウッド版『ゴジラ』最新作、オフィシャル小説版!
燃えあがる独占欲、迸る執着心ーー灼熱のような恋情に駆りたてられた5人のドSな男たち。首輪や枷をつけられてーー禁じられた愉悦に溺れた5人の可憐な乙女たち。身も心も虜になった果てに知る真実の愛とは!?
時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くにある三好家の屋敷に、その男はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。信長ですら畏れた稀代の梟雄・松永弾正久秀を突き動かすものは、野望かそれとも…!?「悪の爽快感」が支配する血涙必至の物語。
時代のうねりは、杉浦透と水谷郷臣に関わる女たちをも容赦なく巻き込んでいく。透が人知れず将来を誓ったなほ。親の取り決めで結婚したつじ。昌平黌の学友の妹で、旗本の娘ふく。郷臣が秘かに思いを交わす“黒子の人”。元芸妓のせん…。透や郷臣のみならず、彼女たちにもまた、苛酷な運命が待ち構えていた。杉浦透曰く、「単に生きて食ってゆくというだけでも、どんなにむずかしいか」混乱の時代に、何を為し、いかに生きるべきかを模索しつづける若者たちの姿を描く感動作!
泉鏡花晩年の傑作幻想長篇小説『山海評判記』の貴重な新聞初出テキストと、連載時に小村雪岱が描き下ろした面妖不可思議な三百点近い挿絵すべてを収めた豪華美麗本。別冊として、福永武彦と種村季弘の先駆的作品論、新発見の草稿原稿、詳細な解題等も収録。
東京の半導体メーカーに勤める田宮里江子は、ひょんな事がきっかけで、大学時代の親友の夫・長谷川岳志と10年ぶりに遭遇する。岳志は、親友の恋人でありながら、初対面でいきなりプロポーズしてきた男であった……。直木賞作家のTwitter連載小説として、新聞各紙(讀賣新聞、日本経済新聞)で取り上げられ話題となった恋愛小説。何度も読んで、何度も涙するという読者が続出した。鉄筆文庫の創刊第一作であり、直木賞作家・白石一文の文庫最新作。
「さよならなんて、ぜったい言えないよ」魅惑の未発表作品集。バーで出会った殺人アドバイザー、夫の新発明を試した妻、“見る影もない”上司と新人女性社員…やさしくも皮肉で、おかしくも深い、ヴォネガットから14の贈り物。
南雲空母機動部隊、サンフランシスコ急襲!ハワイ孤立!原爆開発施設、壊滅!孤立無援のトルーマン、苦渋の選択とは!?羅門ワールドの新境地!堂々完結!!