2014年8月22日発売
恋なんて白昼夢。結婚なんてまやかし。けれどもまだ誰かといることを切望してしまう。離婚し、それぞれ再婚しても添い遂げる約束をしている夫婦。接点のない上司に一年後、共に出奔して欲しいと頼まれた女。死んだ親友の妻に、同居を強要された男。正解のない人生ならば、私は私のやり方で、幸せをつかみとる。狂気まみれの純愛を貫く短編集。
カジノ解禁。禁煙法成立。池袋はヴェガス、シカゴだ。当然はびこるカジノ・マフィア。思わず6億円、勝っちゃったら?やっぱり全額、ぶんどられた…もちろん「取り返せ同盟」結成だ!1円もまからず、1円もたからず。ターゲットは日本のアル・カポネ、「池袋警察署長」。カジノ帝国のドンだって?カジノ史上、最も残酷で華麗なゲーム!!最後のカードで81億円!?一気読みしかできない21世紀仕様のコン・ゲーム。最後に騙されるマヌケは誰だ?
小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱することになった行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た奇妙な頼み事と劇的な顛末を描く「三筋界隈」。果し合いの装束のまま、なぜか独りで腹を切った侍の謎を追う「約定」。他、武家としての生き方に縛られながらも、己れの居場所を掴もうともがき続ける武士の姿を浮き彫りにした本格時代小説。
放火によって奪われたのは、元恋人の妻とまだ1歳の双子の命。確定死刑囚、田中幸乃の人生は、「不運」と「悪意」が支配していた。「暴力」と「裏切り」も加勢する。だから、なのか?ひとりの男だけが、味方であり続ける。なぜ彼は、彼女を最後まで信じようとしたのか?「整形シンデレラ」とよばれた鬼女。彼女が犯した「罪」、その死刑囚が犯した最大の罪とは?衝撃指数極大値。先入観を紛砕する圧倒的長編。
社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印されたー。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。
俺の指先が、いつ機械仕掛けの人形に魂を吹き込んだのだろう。或いはあの瞬間、生身の女とすり替わったとでも!?ともかくこの色香、ただごとではない!-十三層の大楼閣に君臨するという噂の遊女・伊武。カラクリ千年の秘術を求めて彼女を追う、幕府配下の機巧師・久蔵。遷宮と幕府転覆計画が絡み合う中、魂の歯車たちが狂乱する!異形の本格ミステリー。
78万年ぶりに地磁気が急減衰、地球は強烈な宇宙放射線にさらされ始める。深刻な通信障害が発生、巨大ネズミの目撃が相次ぎ、異様な寒冷化が進行、6月の東京に雪が降る。激しい磁気嵐、太陽フレアの恐怖、街に鳴り響く緊急警報。そして奇妙な噂が囁かれる。都内各所の病院から、妊婦たちが忽然と姿を消しているというのだ…。理系ミステリーの新鋭が放つ前代未聞の巨編。未曾有の大変異と驚愕の犯罪が交錯するミステリー大作!
われら木津西、甲子園へGO!三流高校に入学した失意の「特待生」がなぜか生徒会会長に担がれて!?生徒会選挙、夏の選手権大会、初恋と失恋ー。汗と涙と笑いに彩られた甘酸っぱい青春物語。
20年の時を経て、のどかで平和な山の村を再び襲った恐怖の出来事とは?(『アルプスの恐怖』)。表題作ほか、「アルプスのロビン・フッド」と今でも慕われる実在の通貨偽造者をモデルに描いた『贋金作りファリネ』、ある日突然異国の地からやってきた美少女が巻き起こす事件(『美の化身』本邦初訳)の2編収録。
伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!anan連載小説、待望の書籍化。
編集者に督促され、訪れたこともない国名を掲げた新作の構想を口走った「私」のもとに、次々と引き寄せられる「日本」との関わりー国籍や文学ジャンルを越境し、しなやかでユーモアあふれる箴言に満ちた作品で読者を魅了する著者の、アイデンティティの根源を問う話題作。昨年アカデミー・フランセーズに選出され、今、世界的に注目を集める作家の最新邦訳。
1976年、夏。オリンピックに沸く北の街、カナダ・モントリオール(モンレアル)に、母国ハイチの秘密警察から逃れて到着した、23歳の黒人青年。熱帯で育まれた亡命ジャーナリストの眼に映る“新しい町”の光と闇ー芭蕉をこよなく愛するフランス語作家が、一瞬の鮮烈なイメージを俳句のように切り取って投げつける、文体の破壊力!