2014年8月26日発売
慶長五年九月十五日、関ヶ原の戦場に一人の男が舞い降りた。深紅の六文銭の旗を翻し、松尾山に駆け上っていくのは、真田軍の精鋭三千である。その先頭を切るのは、真田幸村であった。なぜ上田にいるはずの真田軍が、関ヶ原に現れたのか。その理由は、三年ほど前に遡る。医師の曲直瀬道三の診立てによって、己の命があと半年ほどで尽きることを知った豊臣秀吉は思い切った行動に出た。徳川家康が次の天下を奪うことを阻止するために、真田昌幸を豊臣家の軍師に据えたのだ。さらに、上杉景勝を秀頼の影の後見人とした。家康の魔手から秀頼を守り、豊臣の世を存続させるために、いま真田昌幸、幸村の壮絶な戦いが始まる。果たして真田父子は、家康の謀計を打ち砕くことができるのか!?
亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸「天祐子霊草麻王」を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海沿いの村を訪れる。土地の老人達、雑貨店のホットパンツの女、修験道者姿の謎の男……。人里離れた村で出会う人々は一癖も二癖もありそうな人たちばかり。やがて、帰りのバスに乗り遅れた「わたし」は、この村で一泊することになるのだが……。 どろにやいと 天秤皿のヘビ
慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角ー南部の秘宝・片角となる。平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいたー。次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記!
もしも第二次大戦時に元飛行士で反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になっていたら…。7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描く、ロス最高傑作とも評される歴史改変小説。
鴨川親娘とトラ猫のひるねがお迎えする、看板のない食堂へようこそ!!料理下手な父が毎日作ってくれた海苔弁当、パートに出る母が夕食に用意してくれた焼飯、和菓子屋の息子が大好きだった洋菓子店のクリスマスケーキ。迷わない人生てなもん、どこにもありまへん。
カルカッタ郊外に育った仲睦まじい年子の兄弟。だが過激な革命運動に身を投じた弟は、両親と身重の妻の眼前、自宅近くの低湿地で射殺される。報せを聞いて留学先のアメリカからもどった兄は、遺された妻をカルカッタから連れだすことを決意する。喪失を抱えた男女はアメリカで新しい家族として歩みだすが、やがて女は、小さな娘と新しい夫を残し、行方も告げず家を出るー。