2014年8月発売
平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに同級生の敦子と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
平穏な団地で会社員失踪事件が発生。その男の妻には、悪意に満ちた“不貞の噂”が囁かれていた。疑惑の目に耐えかねた妻は飛び降り自殺を図るが、警視庁きっての“怪物”大貫警部は説得するどころか、まさかの第一声を放った!表題作の「百鬼夜行殺人事件」をはじめとする、抱腹絶倒ものの傑作5篇を収録。
六月の緑の森の、白い花の咲く木の下でぼくは君と出会った。人の姿をした美しい一角獣(ユニコーン)とーー。放火殺人の生き残りである少女に、宿命のように心惹かれていく蒼。しかし少女の母は、眼窩をイッカクの牙に貫かれて無惨な死を遂げる。すべてが明らかにされたとき、桜井京介の下した決断とは? プロローグ──精霊の棲む森 プロローグ/モノローグ──たったひとつのあたしの望み スゥィートルームの密議 山中異界 夜はさざめく 貴婦人と一角獣 陰画としての惨劇 小さな花のように 緑蔭百花譜 緑色のユニコーン 裁かれる時 優しい死神 エピローグ/モノローグ──たったひとつ、ぼくの望むこと ノベルス版あとがき 文庫版あとがき
カラマーゾフ事件から十三年後。モスクワで内務省未解決事件課の特別捜査官として活躍するカラマーゾフ家の次男、イワンが、事件以来はじめて帰郷した。兄ドミートリーの無罪を証明し、事件の真相を確かめたいーー再捜査を開始するイワンの前に新たな事件が起こる。十三年前の真犯人は誰なのか。新たな事件は誰が、何のために起こしているのか、そして、謎解きの向こうに見えてくるものとは。息詰まる展開、そして驚愕の結末! カラマーゾフ事件から十三年後。モスクワで内務省未解決事件課の特別捜査官として活躍するカラマーゾフ家の次男、イワンが、事件以来はじめて帰郷した。兄ドミートリーの無罪を証明し、事件の真相を確かめたいーーロシアでまだ誰も試みたことのない大胆な捜査方法を使い、再捜査を開始するイワンだったが、そこにまた新たな事件が起こりーー。十三年前の真犯人は誰なのか。新たな事件は誰が、何のために起こしているのか、そして、謎解きの向こうに見えてくるものとは。息詰まる展開、そして驚愕の結末!
外国人憎しの異人斬りが横行する幕末、世界を相手にしたロシアの革命家、バクーニンが横浜に現れた。小栗忠順、高杉晋作ら幕末の志士と対峙し革命の本分を説くバクーニン。同時に勃発するイギリス公使館襲撃事件。彼は真の革命家か、ロシアが放った謀略の仕掛人か。革命と維新に揺れる時代の隠された真相が暴かれる。
ほんとうにあった夢物語契約社員から女社長にーー実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!風の酒を造りたい!まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落としてーー。 ほんとうにあった夢物語 契約社員から女社長にーー 実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか! 風の酒を造りたい! まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落としてーー。
炭化した焼死体の腹部から、異様な「虫の塊」が見つかった。難事件に際し警視庁は、法医昆虫学者・赤堀の起用に踏み切る。死体の周りの虫から犯行を分析するという、日本初の捜査方法とは。 全焼したアパートから1体の焼死体が発見され、放火殺人事件として捜査が開始された。遺体は焼け焦げ炭化して、解剖に回されることに。その過程で、意外な事実が判明する。被害者の腹腔から大量の蠅の幼虫が発見されたのだ。しかも一部は生きた状態で。混乱する現場の署員たちの間に、さらに衝撃が走る。手がかりに「虫」が発見されたせいか、法医昆虫学が捜査に導入されることになる。法医昆虫学はアメリカでは導入済みだが、日本では初めての試み。赤堀涼子という学者が早速紹介され、一課の岩楯警部補と鰐川は昆虫学の力を存分に知らされるのだった。蠅の幼虫は赤堀に何を語ったのか! 第一章 コラボレーション 第二章 転移 第三章 虫の囁き 第四章 解毒スープ 第五章 一四七ヘルツの羽音
料理の腕は最高、おまけに淫靡な奉仕を覚えていく輝美が愛しい。だが「理想の結婚生活を見せてやる」と後輩を招いた夜から、二人のベッドに亀裂が走る(表題作)。暗闇に浮かぶ真っ白い太腿を捉えるカメラ。誰がこんな映像を女子高教師に送ってきたのか(「少女動画」)。とびきりの美女たちが仕掛ける謎の饗宴!
超高齢化社会の日本で、老人介護のために開発された「パワードスーツ」。手足に装着するだけで途轍もない力を発揮する新型機器であるが、その陰で老人たちが次々と失踪、さらに殺人事件も発生し、現場にはなぜかパワードスーツが残されていた! 超絶の発想と展開で読み手を見事に騙す、乱歩賞作家の快作!
明治5年に焼失した日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」。その焼け跡から宿泊客の刺殺体が発見された。謎を追うのは、クリミア戦争、アロー号事件など、歴史的報道写真を多数残した英国人写真家、フェリックス・ベアト。日本人助手とともに捜査を始めた彼は、二重三重に張られた罠の先に、驚愕の真相を見た!
弱いものいじめに苦しむ中小企業にとって新銀行は救世主になるはずだった。“必殺仕掛人”の金融コンサルティング会社社長の野心を警戒しながら、設立に身を捧げる男たち。だが金融庁対策、資本金調達で困難に見舞われ、当初の理念は地に堕ちる。経営陣の逮捕まで招いた「許されざる者」どもの罪業を描き切る傑作!
私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事ーー。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。-文庫書下ろしー 第一部 暴走 第二部 失踪 第三部 怒り 第四部 衝動
正岡子規の妹・律は、幼いころ「私は兄さまのお嫁さんになるんよ」が口癖だった。実際、二度結婚し、二度とも離婚して実家に戻る律。やがて、脊椎カリエスを病み、激痛にのたうちまわりながら仕事を続ける子規の闘病生活を、彼女は命を燃やすかのような献身的な看病で支える。壮絶な兄妹愛を描く傑作長編! 一章 幼き日 二章 嫁ぎて 三章 離縁 四章 惑ひ 五章 根岸にて 六章 従軍記者 七章 桜舞う 八章 介護 九章 逝く雲 あとがき
数年前に失踪した母親の行方がつかめぬまま、17歳の空閑純は大阪で独り暮らしを始める。探偵行為の科で逮捕された父親との面会が許されない状況下、思いがけない人物に声を掛けられたことをきっかけに、純は探偵への道を歩きだす。木箱に入った元探偵の溺死体が発見され、純は「水の棺」の謎に挑戦する。
春爛漫の大江戸で、雀はちょっとした人助けをした。花見の最中、泥酔者から女の子を守ったのだ。後日、少女と同郷だという男が現れ、礼をしたいので村に来てほしいという。その村とはー空に浮かぶ竜宮城だった。案内人「天空人魚」に導かれ、空を舞って辿り着いた先で、雀は想像だにしない不思議な体験をする。シリーズ第四作。 風にうそぶき、月をもてあそぶ 水鳥、桜に舞う 薫風吹きて、夏来る 天より落ち来る者あり 天空の竜宮にて 雀、神と会う 神守り、姿を現す 向こうにも荒神様 『大江戸妖怪かわら版(4)』用語辞典!
殺人事件の容疑者として逮捕された少年には、戸籍がなかった。十八歳くらいだと推定され、「町田博史」と名付けられた少年は、少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録する。法務教官の内藤は、町田が何を考えているか読めず、彼が入所したことによって院内に起こった不協和音に頭を悩ませていた。やがて、何人かの少年を巻きこんだ脱走事件の発生によって、事態は意外な展開を見せる…。
身元引受人となった前原悦子の製作所を手伝いながら、大学に通いはじめた町田は、同じ大学の学生たちの会社「STN」設立を手伝うことになる。周囲は賑やかになり、町田の感情も穏やかになりはじめているように見えた。しかし、すべての始まりだった殺人事件と、その関係者たちは、町田を放っておいてはくれなかった…。
毎週金曜日は、バー“森へ抜ける道”の特別な日。聖シルビア女学院の大学院生・桜川東子が来店するのだ。マスターの島、私立探偵の工藤、ライターの山内の「ヤクドシトリオ」と、最近ビールに凝り始めたアルバイトの阪東いるかは、桜川をまじえて、どっちへ転がるかわからない酒飲み話に興じはじめる。そして、いつものごとく、いささか強引に最近起こった未解決事件の話題に転じるのだ…。ずっと酔っ払っていたくなる、至福のバー・ミステリ、人気シリーズ最新刊!!
反骨の検事・名城政人が殺人容疑で逮捕された。検察内部の不正を告発しようとしていた彼の罪状には、冤罪の疑いが色濃い。後輩検事の菊園綾子は、好敵手で弁護士の森江春策に協力を仰ぎ、証拠品の放射光による鑑定と、関係者が集った洋館ホテル“悠聖館”での事情聴取に乗り出す。しかし、放射光鑑定をするはずの研究機関で暴走事故が起こり、“悠聖館”では新たな殺人事件が発生する。それは、菊園検事を謎と推理の迷宮へといざなう招待状だったーパラレルワールドと化した事件現場。真相を見抜かないと、元の世界にはもどれない。知恵と推理と正義感を武器に、迷い込んだ異次元で、孤独な闘いがはじまる。奇想爆発。作家が、持てる技と力のすべてを結晶化させた、渾身の本格ミステリ長編!