2014年9月11日発売
弁舌巧みな爽やかイケメン、でも天然な世襲政治家・翔太郎が、都知事選に立候補すると言い出した!真面目で融通が利かない秘書・雲井は、翔太郎のために奔走し、妨害工作を退け、彼は都知事に当選する。だが、二人の前に次々と現れる難事件ーテロ組織・アイスクリーム党による都議会襲撃、ゆるキャラ「ケンダマダー」殺害、そして都の賓客である美人王女のダイヤ盗難…。支持率が急落する都知事と秘書が真実を明らかにするとき、東京の、そして日本の政治が変わる!?最後の1行まで目が離せない、空前絶後・驚天動地・当選確実の傑作ミステリー!!
有徳の皇帝がすべてを決めて統治するこそ理想ー。十七世紀半ば十四歳で親政を始めた清の第四代皇帝・康煕帝(玄〓(よう))は、勉強熱心で経書や史書に明るく、聖賢の道を究めることを理想としていた。この時期、清の南方には独立小国家ともいえる三つの藩があり、最大の実力者・呉三桂は明から清に寝返った将軍だった。「裏切った者は、また叛く」-玄〓(よう)は、叛乱を覚悟しながらも熟慮を重ね、三藩の廃止を決定。それは「史上最高の名君」となるための重大な決意だった。
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は三つ巴の戦いに突入。「三国時代」である。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂し、『三国志演義』が成る。史実と虚構を巧緻に交錯させ、驚異の物語世界が現出する。第一巻は、黄巾の乱後の曹操、劉備、孫堅・孫策・孫権の転変、曹操の官渡の戦いでの勝利までを描く。
「女優を探してほしい」。突如訪ねて来た不気味な黒人イルベールの言葉により、“ぼく”の平凡な人生は大きく動き始める。イスラエル映画に、戦間期のパリに…時空と場所を超えて足跡を残す“女優”とは何者なのか?謎めいた追跡の旅。そして親しき者たちの死。“ぼく”はやがて寄る辺なき生の核心へと迫っていくー人生を襲う不意打ちの死と向き合った傑作長篇。
上流階級の令夫人であるコニーは、戦争で下半身不随となった夫の世話をしながら、生きる喜びのない日々を送っていた。そんなとき、屋敷の森番メラーズに心奪われ、逢瀬を重ねることになるが…。地位や立場を超えた愛に希望を見つけようとする男女を描いた至高の恋愛小説。
数カ月続く不漁のために周囲から同情の視線を向けられながら、独りで舟を出し、獲物がかかるのを待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、三日にわたる壮絶な闘いが始まる…。決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描く、ヘミングウェイ文学の最高傑作。
大規模な都市開発プロジェクトに携わる爽香は、慣れない交渉に苦戦気味。そんな折、関連企業の社員・小林京子が二人組の男に誘拐される場面に遭遇し、間一髪救出する。そして彼女の口から語られた厄介な社内問題。親族の死などの私生活に追われながらも、思いとは裏腹に爽香は危険な騒動に巻き込まれていく…。登場人物たちが年齢を重ねる大好評シリーズ第27弾!
高校の写真部に在籍する四人の少女、ミラ、カオリ、秋穂、シズ。それぞれの目線=ファインダーで世界を覗く彼女たちには、心の奥に隠した悩みや葛藤があった。相手のファインダーから自分はどう見えるの?写真には本当の姿が写るの?-繊細な思いに惑う彼女たちの前に、写真に纏わる四つの謎が現れる。謎を解くことで成長する少女たちの青春を、瑞々しく描く。
暑くけだるい夜。晴子の体は甘い匂いを振りまきながら熟し崩れていく果実のようだった。年収二千万円の企業役員でありながら、晴子は週末だけ体を売っている。十代から憧れていた和也。運命の男の転落を知り、彼女の心の中で何かが壊れたー。十七歳で初体験。和也と一夜だけ体を重ねた二十四歳。婚約者と別れた三十七歳。そして…。流転する女の人生を描く!
渋沢瑛一は、卓越した智恵で中小企業を立て直す信金マン。ある日、瑛一の父・敏之が盲腸で倒れた。入院先の病院では妙な噂が…。屋上から身を投げた新人の看護婦の幽霊が出るというのだ。彼女の死は「自殺ではない」という投書をきっかけに、瑛一は事件の解明に乗り出す。さらに、カリスマ教授の愛娘が誘拐された。恋人の婦人警官・千春とともに瑛一が謎に迫る!
殺人傷害事件で服役していた真壁が出所した。だが、真壁が命がけで殺そうとした男・王は、藤野組と組む中国人組織のボスとなっていた。一方、高級車窃盗団を追う鮫島は、孤独な老人・大江と知り合う。大江に秘密の匂いを嗅いだ鮫島は、潜入した古家で意外な発見をしたー。過去に縛られた様々な思いが、街を流れる時の中で交錯する。心に沁みるシリーズ第八弾。
夏目影二郎の住む長屋に、国定忠治の使いという男が現われた。子分のほとんどを失い、孤高の逃避行を続ける忠治からの伝言だというこの男に従って、影二郎は忠治のあとを追う。やがて、影二郎の前に忠治の姿と捕り方である八州廻りの姿が。忠治の運命は、そして、父から忠治を討つ命を受けた影二郎の決断は…。手に汗握る展開が詰まった決定版シリーズ第十三弾。
将軍の御社参を前に緊迫する日光で、死んだはずの国定忠治が目撃された。大目付の父の命で、その真偽の確認に日光へ向かう夏目影二郎。しかし、影二郎の首にも奨金がかけられていた!目の前に次々と現れる凄腕の刺客。そして、ついには妖しき京からの使いまで現れる。忠治は生きているのか。そして、影二郎の運命はいかにー。決定版シリーズ、大詰めの第十四弾。
南町奉行所の元定町廻り同心でいまは船頭となった沢村伝次郎。かつて同心のときに世話になった先輩の酒井彦九郎が何者かに惨殺された。伝次郎は悲しむ暇もなく、下手人探しに奔走するが、真相はなかなか見えてこない。下手人は何者か?そして、彦九郎が殺されなければならなかった理由とは?情に厚い伝次郎の正義の剣が煌めく。人気シリーズ、待望の第十弾!
旗本の息子ながら読売屋“末成り屋”の主となった水月天一郎の元に、向島で無理心中があったとの報せが入る。心中したのは、両替商の手代と御家人の娘。調べ始めた天一郎の脳裏に疑念が浮かぶ。なぜ二人は心中をしなければならなかったのか。謎を追う天一郎たちに刺客が迫る。人気急上昇中の著者、渾身の痛快シリーズ第四弾。正義の筆と華麗なる剣が「悪」を断つ!
竜吉は二歳で、角兵衛獅子の親方に売られた。十七歳の時に逃げ出し、軽業を活かし盗人となった。あれから八年、かつて思いを寄せた親方の娘、おようが婚家から出奔し、追われているという。おようの行方を探る竜吉に骨董屋の安五郎が近づく。火盗改めの役宅での夜働きと引き替えに、おようと会わせるという。安五郎の正体を怪しむ源蔵。竜吉は思いを遂げられるのか!?
本所五間堀の「鳳来堂」は、父親が営んでいた古道具屋を、息子の長五郎が居酒見世として再開した“夜鳴きめし屋”。朝方までやっているから、料理茶屋や酒屋の二代目や武士、芸者など様々な人々が集まってくる。その中に、かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉もいた。彼女の息子はどうやら長五郎との間にできた子らしいが…。人と料理の温もりが胸に沁む傑作。