2014年発売
大ヒット和風ファンタジー「八咫烏シリーズ」の伝説はここから始まった! 人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。解説・東えりか 序章 第一章 春 第二章 夏 第三章 秋 第四章 冬 第五章 再びの春 終章
八十石取りの与力・浜野徳右衛門32歳。日々のお役目は無難にこなし、偉くなるより家庭円満の暮らしを愛していたが、ある日、息子の慎之介が上役の息子にイジメられていることを知りー出世を望む妻、上司や同僚の視線、人情が呼ぶ意外な事件。右往左往の徳右衛門、ささやかな幸せを守れるか!?新感覚時代シリーズ初登場。
天気予報を正確にするには富士山の観測所が必要だと厳冬の山頂に籠もる野中到と命がけで夫と行を共にした妻千代子の夫婦愛を描く。 2014年にNHK土曜ドラマ 芙蓉の人〜富士山頂の妻〜 として映像化された話題作。
「親分、大変だッ」今日もガラッ八が決まり文句とともに、江戸開府以来の捕物名人・銭形平次の元へ飛んでくる。花見で賑わう飛鳥山、虚無僧姿に竹光が仇討ちを演じる茶番劇。それが一変、真剣による殺人劇にー顔の見えない下手人を平次の明智が探る表題作など傑作揃い。江戸情緒と人情の捕物帖傑作選第二弾。
傑作ぞろいの「人間喜劇」からセレクトする3冊のコレクション、第3回。ナポレオンが戦争を拡大してゆく19世紀初頭のフランスを舞台に、貴族の名家を突如襲った陰謀の闇が描かれる。バルザック最高のヒロイン、サン=シーニュ嬢を軸に、英雄的な従僕ミシュ、冷酷無残な密偵コランタン、若き弁護士グランヴィル、さらにナポレオンやフーシェも登場する歴史小説の白眉。
第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞W受賞の衝撃デビュー作「愚直であることは人の美点だと思う『こちらあみ子』は、とても面白かったです。僕はあみ子ほど純粋ではありませんでしたが、はみ出し方や失敗の仕方に近いものを感じ、自分の子供の頃と重ねて読んだ部分がありました。忘れられない一冊です。」--又吉直樹あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した異才のデビュー作。【目次】 「こちらあみ子」「ピクニック」「チズさん」解説 町田康「「ありえない」の塊」穂村弘いつか、たった一人の読者の手によって、ボロボロになるまで繰り返し読んでもらえるような物語を生み出すことができたら、どんなにか幸せだろうと思っています。そういう物語は、書く側が命懸けで臨まない限り決して生まれてこないのだと、今更ながら思い知った次第です。--今村夏子 (太宰治賞受賞の言葉より) 「こちらあみ子」「ピクニック」「チズさん」解説 町田康「「ありえない」の塊」穂村弘
小さなホテルで料理人をしているゾーイ。愛する祖母と一緒に暮らすための準備をすすめていた彼女は、サンフアン島の湖畔にある別荘の改修をアレックスに依頼する。それまでのアレックスは、悲しい出来事に遭い人の愛し方も愛され方もわからなくなって、絶望の淵にいた。しかしゾーイと出逢い、彼女のつくる手料理と明るく純粋な笑顔に触れるにつれて、暗闇に閉ざされた心がぬくもりで満ちていくことに気づく。また、彼の翳りのある表情がずっと気になっていたゾーイは、その奥に秘めた不器用な優しさを知って、心が大きくかき乱された。ふたりは互いに惹かれあう気持ちを止められなかった。まるで遠い昔からの運命に導かれているように…。“フライデー・ハーバー”シリーズ第3弾!甘くあたたかな奇跡のラブストーリー。
猛暑のロンドンを訪れる貴族は少なく、ジョージーのメイド仕事は減激。そこで、楽に稼げて豪華な食事にありつける仕事を思いつくものの、たちまちロンドン警視庁に呼び出され、世間知らずだったと思い知らされる。さらに、有名飛行士のメイドが事故死し、遺留品の中になぜかジョージーに宛てた謎の手紙が見つかったことから、すぐさま警視庁は王室のスキャンダル対策としてジョージーを帰郷させることに。ところが、彼らの目的は他にあった。王位継承者に相次ぐ不審な「事故」の真相を探るスパイとして、王族のいるスコットランドに彼女を送りこんだのだ。そこでは、継承順位の低い兄ビンキーや、果てはジョージーにまで危険が迫り、絶体絶命の大ピンチに!
道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。ぼくの新しい生活がはじまった。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思ってた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだー日本中が涙した大ヒットコミック、その感動が小説になって蘇る!
静岡のある市内にあったふたつの女子高校が合併し、共学高校としてスタートとした明西学園にはサッカー部がなかった。入学したばかりのムサシは、希望者を集めサッカー部をつくる。部員は12人。練習を重ねインターハイ予選に挑むが、対戦する強豪校を前に、明西はいかに戦うかー。4・2・3・1や4・4・2。システムを正面から取り上げ、サッカーを戦術面から描く、新しい興奮に満ちた熱血青春サッカー小説の誕生!
少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。相手が気に入らない場合は断ることができるが、三回パスしたらテロ撲滅隊送りになる。だが、この強制的な見合いに、モテないオタク青年は万々歳、田舎で母親と地味に暮らす看護師は、チャンスとばかりに単身東京へ。慌てて恋人に結婚を迫るも、あっさりかわされてしまう女性もいて…。それぞれのお見合い事情をコミカルかつ、ハートウォーミングに描いた長編小説。
今日はマサルにとって小学校最後の運動会。張り切るマサルだが、優勝杯の中に薬の空シートを見つけたことから状況は一変する。頭のいいヒロシが言うには「殺人の証拠」かもしれないのだ。一方、マサルの父親・真樹夫は、学校でドラッグが出回っていると耳にする。携帯には差出人不明の曰くありげなメール、そして昨夜は、ある児童の母親が死んだ。学校で今、何が起きているのか?特殊な空間に集った大勢の人々が、プログラムに沿って行動する一日。小学校の校庭が、ミステリの格好の舞台に変貌する!
三十歳を前に脱サラした小泉省吾は、デリヘル店を開業するものの売上はサッパリ。そんなある日、ひょんなことから舞い込んだ客の注文をきっかけに、省吾自身が客のもとに出向き、他人に言えない性の悩みを解消するサービスを開始する。すると、倦怠期の夫婦、セックス嫌いの若い女性、男嫌いのレズビアンなどから様々なオファーが殺到し…。人気WEB連載の文庫化、オリジナル柔肌エロス。
神田の「お化け長屋」と呼ばれる裏店に住む鏡三十郎は、「世の中、ほんとに不思議なことなんてないんだよ」というのが口癖。身近に起こった怪異現象を、蘭学の知識と合理的な考えで次々と解決していき、「魔性封じの先生」と評判になる。そんな折、三十郎に大店の主人から奇妙な依頼が…。書き下ろし時代小説、待望の新シリーズ第一弾!
部屋住みに絶望する旗本の三男坊、朝倉新三郎は心の拠り所だった祖父の死を機に出奔。ふとしたことから“見倒屋”徳兵衛に弟子入りする。見倒屋ーそれは、鍋釜から刀まで、人の匂いと思いの籠もった物を蘇らせ、新しい主へと橋渡しする商いだった。慣れぬ町人暮らしに戸惑いつつも、次第に生きる喜びを知る新三郎。折しも火事で散逸した雛人形を集めてほしいという依頼が舞い込む。期待の新シリーズ!
女性専門の口入れ屋「百合花」--家庭、才能、出自と、様々に悩む女たちがそれぞれの仕事と幸福を探して、今日も若草色の暖簾を訪う。そんな折、千恵の元婚約者・孝四郎と商家の娘との縁談が持ち上がるのだが……。
虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で、剣の達人。藩首脳の汚職を知ってしまい、追われる身となった。胡空の過去を知った廻船問屋の葭屋徳兵衛は、お上が手を出せない悪を始末する闇稼業へと胡空を誘うが……。
パリで死んだ従妹の遺品を整理するため、彼女のアパルトマンを訪れた清美。そこで見た彼女の秘密……(「パリ症候群」)ほか、長くパリに暮らしていた鮎川賞作家が描く愛と憎悪に彩られた犯罪小説集。日本推理作家協会賞短編部門候補作「青い絹の人形」も収録。 パリで死んだ従妹の遺品を整理するため渡航した清美。彼女の死は、本当に自殺なのか?現地での従妹の乱れた生活を知るほどに疑惑は深まっていく(「パリ症候群」)ほか、鮮やかな結末が魅力的な日本推理作家協会賞短編部門候補作「青い絹の人形」など知的で洗練されていながらも「毒」を含んだ短編5編を収録した粒よりの短編集。 「パリ症候群」(書下ろし) 「砂の住人1--クロテロアーー」(メフィスト掲載) 「砂の住人2--依頼人ーー」(書下ろし) 「すべては二人のために」(メフィスト掲載) 「青い絹の人形」(メフィスト掲載、日本推理作家協会賞短編部門候補作)