2015年10月30日発売
昭和28年、夏。“光の女神”の名を冠した客船が改装後初の航海に出る。大臣の護衛として乗船した入江秀作は、周囲に目を光らせていた。-そう、入江の真の任務は「“カサンドラ”の流出を防ぐ」こと。“カサンドラ”とはある機密情報を示す暗号だが、詳細は不明。入江は機密を持ち出した者を抹殺すべく、船に乗ったのだが…。
都心の有名男子校・あおい学園の漫画研究部の夏合宿は、D菩薩峠のバンガローに持ち込んだ漫画本を一週間ひたすら読む、だけ。副産物として、合宿中にお熱いカップルがいくつも出来上がるらしい。高一の「わたし」は、出発前に「おにいさま」からのメモを見つけ、胸を高鳴らせていた。メモは、本気なのか冗談なのか、予告なのか悪戯なのか。「おにいさま」はいったい誰なのか。テレビもラジオもない漫画漬けの日々、熱愛カップルの復活、お耽美なOB達の乱入、肝だめしの夜、消えたパンツ、意外な告白、夜更けの甘いあえぎ声…。ずっと誰からも愛されないかもしれないと怯えていた15歳の「わたし」の物語。
北海道の大学を卒業し、東京都下の病院で初期研修医となった森永慧介。だが、そこで直面したのは異様な出来事の連鎖だった。歪な診療体制、相次いで発生する老人の不審死、そして二十歳の女性患者の乱心ー。この病院に、いったい何が起こっているのか?医師、看護師が抱える闇を描き出す衝撃のサスペンス!
なぜ日本だけが…?この世界はどうなっているんだ!強烈な自殺衝動によって突然死する「タナトス」が蔓延する二〇三三年の日本。日常に理不尽な死が満ちている未来の見えない日々を18歳の高校生チャンキは生きるー気鋭の映像作家の初の長編小説。
奔放なウィットと想像力が炸裂する、アルゼンチンの奇才による2つの物語。小説家でマッド・サイエンティストの“セサル・アイラ”は、文学会議に出席する文豪のクローン作製を企むがー。少女3人によるスーパーマーケット襲撃を描く「試練」を併録。
色覚障害者のサイト“ランボー・クラブ”。仲間を探す中学生の菊巳が偶然見つけたそのサイトに掲げられた、ランボーの詩。なぜか解読できた原語の詩を読んだ時、彼にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。そして後日、何者かによってその詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された!色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相とは?傑作本格ミステリ。
西銀河に悪名を轟かせた宇宙海賊ジャックが姿を消して18年。足取りを追う、かつての部下たちは辺鄙な後進惑星にたどり着いたーこの地球に。しかも時は現代。骨董品屋を営むジャックは彼らの所構わぬ攻撃を喰らい、横須賀沖に隠しておいた宇宙艇で再び宇宙へ飛び立ったー事情を知るよしもない女子高生の唯佳を乗せて。著者渾身のスペース・オペレーションSFを二分冊で贈る。