2015年11月13日発売
下野国で、重臣による謀反の難から逃れた領主の娘・澪姫と小姓が追手に囲まれた時、黒い長羽織姿で長身痩躯の男が二人を助ける。男の名は神子上典膳、剣聖・伊藤一刀斎より印可を受けた一刀流の達人。逃避行を続ける典膳らに絶対絶命の危機が迫る!剣戟あり、謎ありの娯楽時代小説。
戦国末期、武田水軍の海将・向井正綱は、留守中に城が徳川軍の攻撃を受け、父と義兄を失う。彼は父の遺志を継ぎ、北条水軍との駿河湾決戦で奮戦、水軍の長として汚名を返上する。そんな正綱の下に父の仇、徳川軍への誘いが来た。家康からも一目置かれた海の侍の活躍を描く隆慶一郎、未完の海洋時代小説!
特殊犯捜査係に異動してきた同期の大石陽子は立てこもり事件の身代わり人質となってしまう。直後に発生した死体遺棄事件を捜査しながらも刑事・宇田川は彼女の安否が気にかかる。難航する二つの事件の捜査。幾つもの“壁”に抗いながら、宇田川は真相にたどりつけるのか!?『同期』待望の続編。長編警察小説。
“NO.6”が崩壊してネズミは去り、紫苑は留まった。紫苑は再建委員会のメンバーとして、国家の激変を目の当たりにする。何があっても変わらないでくれと、紫苑に哀願して旅にでたネズミの真意とは何だったのか?遙か遠くの荒野からネズミの心は紫苑に寄り添う。瓦解した世界のその後を描く、真の最終章。
新任書院番として登城を心待ちにする鍋次郎に奇妙な出来事が起こる。町で出会った老武士が土下座して突然許しを乞うのだ。実は、鍋次郎は城内での理不尽な侮蔑に対する復讐を遂げた書院番の息子だった。育ての親がひた隠しにした本当の親の素顔とは?史実・松平外記刃傷事件、驚愕の真実が明かされる。
愛と憎しみ、嫉妬、野望…将軍を中心として、女たちのさまざまな思いや情念が渦巻く江戸城・大奥。乳母と夫人、夫人と側室ーそれは大奥での権力をめぐり激しく火花を散らす“女の合戦”。乳母将軍・春日局の権勢から桂昌院、絵島生島の悲劇まで、その実情を冷徹な眼で社会派推理作家が描いた異色時代小説。
九歳の時に受けた遺伝子治療によって聴覚が異常に発達した小春は、勤めていたブラック企業の過酷さに耐えきれず辞職した。再就職が困難を極める中、寿命遺伝子治療薬発売を予定する巨大企業の事業部長から、正社員になる条件として発売阻止を目論む子会社への潜入を持ちかけられる。
水道も電気も来ていないミャンマーの僻地で米国最大手のコングロマリットが極秘に行なっていた天然ガス探査。それは企業群全体に莫大な利益をもたらし、米国そのものにとっても対中国戦略の切り札となるはずだった。発症からわずか六時間で死をもたらし、しかも致死率百パーセントの寄生虫が発生するまでは。
驚くほどの出血、無数の穴が空いた歯茎、ミイラ状の全身。感染者は死に際、周囲に襲いかかる。米CDCから派遣された寄生虫セクション研究者の鷲尾は、現地で文明とは無縁の穏やかな暮らしを送る回遊民に出会った。彼らはなぜ発症しないのか?探査サイトに残された男たちを救う手だては見つかるのか?
「蒲田署内で拳銃自殺だ」。遺体は強姦殺人事件の犯人を追いつめていた腕利きの巡査部長。警視庁人事一課、通称ヒトイチのエリート監察係長・榎本博史が真相究明に乗り出すと、警察のデータサーバーには防犯カメラから転送された驚きの画像がー「警察が警察を追う」シリーズ、絶好調第2弾!
ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは三年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶…。
あの日死んだはずの我が娘同然だった少女からの連絡ー。巨大キャンピングカーを所有する老夫婦と結婚式前夜の富豪カップルの射殺事件が起き、猟区管理官ピケットはその少女が犯人たちと一緒にいるらしいことを知る。大自然、父と息子、家族の絆。全米を代表する人気作家が贖いをテーマに描くサスペンス。
編集者の古川真也は特殊な能力を持つ。手に触れた物に残る記憶が見えるのだ。ある日、同僚のカオルが20年ぶりに父親と再会することに。彼は米国で脚本家として成功したはずだが、真也が見た真実は。確かな愛情を描く表題作と演劇集団キャラメルボックスの舞台に着想を得た一編を収録。有川浩が贈る物語新境地。
猛将だった祖父能家が裏切りに斃れた砥石城。父興家と苦難の放浪を余儀なくされた少年八郎は、豪商の助けで直家と名乗る。だが宇喜多家再興の道のりは険しい。強大な敵に囲まれ、宗主浦上家が牛耳る備前。若き直家は生き残り、祖父と父の復讐を果たせるのか?梟雄とされた男の苛烈な生涯。その真実とは!?
私は中学生の娘・美嘉と小学生の息子・亮太とともに、二年前に亡くなった妻のふるさと「希望ヶ丘」に戻ってきた。ここから再出発だーそう思って開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校になじめない。昔の妻を知る人びとが住むこのニュータウンに、希望はあるのだろうか?
妻の中学時代の同級生ー親友のフーセン、すぐ教師にチクる宮嶋、初恋の人エーちゃん。それぞれが大人になり、家族を持ち、亡き妻のことを私に語る。娘の美嘉の授業参観に出席し、息子の亮太が通う書道教室の危機に慌てる私の塾には、この街の『ふつう』からはずれた生徒が集う。希望とはなんなのだろうか?
徳川家光の治世。江戸の住人は、百を超える「辻斬り」に震撼していた。殺戮集団の主犯は、元津藩士の赤迫雅峰の一派。老中・松平伊豆守信綱は彼らを殱滅すべく、「掃討使」に若き旗本・小留間逸次郎を任命する。両者の血塗られた死闘に、市中は合戦場と化す。新感覚の剣豪活劇。第6回小説現代長編新人賞受賞作。
カンタベリーへの道中、同じツアーの参加客が各自、とっておきの不思議な話を披露し合うことに。そこで見え隠れする男と女の接点。疑心暗鬼に陥った時、人は欲望をどこまで自制することができるのか?5つのパワースポットを軸に交錯する幸せと不幸をあぶり出した、イヤミスの臨界点!