小説むすび | 2015年11月13日発売

2015年11月13日発売

ふくろうふくろう

出版社

講談社

発売日

2015年11月13日 発売

将軍世嗣の住まいである西丸の書院番に引き立てられ心浮き立つ伴鍋次郎だが、両親は喜ぶどころか狼狽し、不安すら覗かせる。 町で会った老武士には、初対面にもかかわらず「許してくれ」と土下座される始末。 しばらくして、同じ老武士にこんどは橋の上で遭遇する。酔いつぶれかけていた老人は、鍋次郎の姿を認めるや否や何事かを叫んで橋から飛び降りてしまう。老人の名が「神尾五郎」ということまではわかるが、不審は募るばかり。 そんな矢先、家で書物の整理をしていると、「鍋次郎」と記された自分の名前の位牌と、父の昔の日記を見つける。 日記には、鍋次郎が生まれたころの記述だけが欠落していた。自分は養子だったのだ。ほかにも自分の出生に関して何か秘密があるにちがいない。意を決した鍋次郎は、義父の高萩惣吾のもとを訪ねる。 疑念をぶつけた鍋次郎に、惣吾は鍋次郎の本当の父親「松平外記」の名を告げる。外記は惣吾の親友だったという。 惣吾の口から、松平外記の時を超えた悲しい物語が始まった。傑作長編時代小説。 一 老武士 二 昌平橋 三 位牌 四 心患い 五 鯉の根付 六 三分の花見 七 拍子木役 八 追鳥狩り 九 虎の間 十 ふくろう

空白を満たしなさい(上)空白を満たしなさい(上)

出版社

講談社

発売日

2015年11月13日 発売

ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。 死者たちが生き返ってくる世界を、息を呑む圧倒的なリアリティで描き出し、現代における「自己」という存在の危機と、「幸福」の意味を追究して、深い感動を呼んだ傑作長編 <内容紹介> ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。  安西は、腕組みして、背もたれに体を預けると、神妙な顔で徹生を見つめた。 「なあ、土屋、--いいか? 人間一人死ねば、その一人分の穴が開く。大きい穴もあれば、小さい穴もある。けど、その穴をいつまでも放っておくわけにはいかんだろう。みんなで一生懸命埋める。じゃないと、一々その穴で躓(つまず)くことになる。--な?」 「……。」 「仕事の穴、家族の穴、遺された人の心の中の穴。--お前は、それがちょうど、塞(ふさ)がったところに戻って来てる。無理に抉(こ)じ開けようとすると、破れてしまうぞ。」 ーー本文より 第一章 生き返った男 第二章 人殺しの影 第三章 惑乱の渦中へ 第四章 過去が明るみに 第五章 茫然自失 第六章 決定的な証拠

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP