小説むすび | 2015年11月13日発売

2015年11月13日発売

空白を満たしなさい(上)空白を満たしなさい(上)

出版社

講談社

発売日

2015年11月13日 発売

ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。 死者たちが生き返ってくる世界を、息を呑む圧倒的なリアリティで描き出し、現代における「自己」という存在の危機と、「幸福」の意味を追究して、深い感動を呼んだ傑作長編 <内容紹介> ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。  安西は、腕組みして、背もたれに体を預けると、神妙な顔で徹生を見つめた。 「なあ、土屋、--いいか? 人間一人死ねば、その一人分の穴が開く。大きい穴もあれば、小さい穴もある。けど、その穴をいつまでも放っておくわけにはいかんだろう。みんなで一生懸命埋める。じゃないと、一々その穴で躓(つまず)くことになる。--な?」 「……。」 「仕事の穴、家族の穴、遺された人の心の中の穴。--お前は、それがちょうど、塞(ふさ)がったところに戻って来てる。無理に抉(こ)じ開けようとすると、破れてしまうぞ。」 ーー本文より 第一章 生き返った男 第二章 人殺しの影 第三章 惑乱の渦中へ 第四章 過去が明るみに 第五章 茫然自失 第六章 決定的な証拠

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP