2015年2月発売
北関東の山間にたつグループホーム「若葉荘」。世話人は元天才少女小説家。居住者は自在に歳を重ねた高齢者たちと、車椅子暮しながら筋骨隆々の元刑事と、身寄りのない彼の姪。賑やかで穏やかな日々は、その冬いちばんの雪の日、とつぜん破られる。密室に転がった射殺死体の出現によってーホーム最年少の少女スタッフは、隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか!?半世紀を超える筆歴を持つ日本一やんちゃな巨匠が、稚気と叙情と茶目っ気を縦横に駆使して描く、本格ミステリ長編!
粗忽者で有名な熊五郎の長屋に怒鳴り込んできた、これまた粗忽者の八五郎。「熊、おめえ浅草の浅草寺で死んでるぞ。この粗忽者め、死んだのに気がつかねえで帰ってきやがったな?」-いかにも落語ならではの粗忽噺『粗忽長屋』。しかし、浅草寺で行き倒れていた「熊五郎に瓜二つの死体」の正体はいったい?(表題作)。名作落語をもう一捻り、楽しさ溢れる推理落語開演!
神奈川県警藤沢南署の刑事・佐倉真理子は、辻堂で発生した殺人事件を担当することになった。女性の死体はズタズタに切り刻まれ、現場にはピースマークが印刷されたカードが遺されていた。まさかこれは、3年前に発生した連続猟奇殺人事件“アラストル事件”の再現なのか!?その夜、真理子の幼馴染み・水瀬智世がキャスターを務める“スクープアイ”では、気鋭の犯罪心理学者をゲストに招き、この事件をトップで取り上げたー。女刑事×ニュースキャスター。卑劣な悪は赦さない、Wヒロインが非道な犯人を追い詰める!気鋭が放つ、警察ミステリーの新機軸!
警視庁捜査二課から所轄に異動した西澤は、書店で万引きをした老婦人を取調べた。身なりもよく教養溢れる彼女は、なぜ万引きをしたのか。そこには、深い事情があった…。大震災と原発事故。そして、「福島にはカネが埋まっている」と嘯く詐欺師が仕掛ける被災地支援詐欺ー。最も卑劣だと言っていい犯罪を、心熱き警察官が暴く社会派長編警察小説。
埼玉県内の高校で再び始まった死のゲーム。開始から1週間で、32名のクラスメイトは18名まで減った。そして届いた新たな命令はー“林英行は王様と思われる生徒の名前を書け”
イスラームを信じる人々の信仰と生活との基盤が、『コーラン』(クルアーン)である。ともすれば「男尊女卑」「暴力の容認」というゆがんだイメージが先行しがちだが、実際の彼らはどんな教えを信じ、何を考えているのだろうか。“イスラームという生き方”の基盤が示された、唯一無二の聖典を漫画化。
目がさめると、三村修治はこの世とあの世の狭間にいた。行き先は生前に積んだ善行で貯まる「天国マイレージ」で決定する。なんて修治は3万マイル以上貯まっていて、天国に行けるという。人は笑うたびに0.1マイルが貯まる。修治は生前、35万回も笑っていた。しかし、そのことを知った修治は悩んだ。妻の彩子は明るく、よく笑う女性だった。だが息子の陽一郎はどうか?腹を抱えて笑っている姿をみた記憶がない…。かくして修治は、天国行きを中止した。すべてのマイルを使ってこの世に1週間だけ戻り、陽一郎を笑わせるために。笑いと涙の感動長編!『ボク妻』続編!
住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられるー身に覚えがなくとも。交代制の「安全地区」と、そこに配置される「平和警察」。この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが…。今年安全地区に選ばれた仙台でも、危険人物とされた人間が、ついに刑に処された。こんな暴挙が許されるのか?そのとき!全身黒ずくめで、謎の武器を操る「正義の味方」が、平和警察の前に立ちはだかる!
最終核戦争が勃発…人類の狂乱を描いた傑作「霊長類 南へ」。世界からの脱走をもくろむ男の奮闘「脱走と追跡のサンバ」。単行本初収録のドタバタ劇「マッド社員」シリーズ。ほか小松左京による筒井康隆論や「NULL」の復刻も併録した充実のラインナップ!
「僕は、勝ち逃げは100%許しません」製薬会社研究員の死。警察は事故とみなしたが、経済学捜査員は不審に思ったー。ニューウェーブ警察ミステリー。
親友を頼り、東京から小豆島へやってきた内向的な30代イケメン・秋彦。島のホテルで仕事を始めるが、恋も結婚も諦めたアラフォー女性・言問子と、家庭から逃げ出したいアラサー主婦・真奈美の間で、彼を巡りイザコザ発生。さらに東京育ちの美少女の出現で波瀾万丈の予感!?平穏に生活していた島の人々を巻き込んで、島へ逃げるしかなかった秋彦の内面が明らかになっていく…。「家族」って何だろう?いちばん大事なものって何だろう?次代を担う新鋭・中澤日菜子の家族小説。
小さい頃、芽衣子は嘘ばかりついていた。大人になっても仕事も恋愛も上手くいかない。チリに出張中、彼女は初恋の人と再会する(「サンティアゴの雪」)。中学生の広海は、生まれ故郷が大嫌いだ。彼は島を出て本土に行った女性と出会うが、そいつはとんでもないやつだった(「瀬戸内海の魔女」)。結婚して十五年。ずっと一緒にいるものと思っていたが、妻に別の男ができた。最後に夫婦はもう一度、思い出の店を訪れようとする(「渋谷で待つ」)。静かな感動が降り積もる六編。『うさぎパン』の著者、初の短編集。
東京都大田区の路上で発見された女性の全裸死体。殺人事件として捜査一課強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタント・坂上実咲。その名前は、捜査一課に二年前の痛恨の記憶を呼び起こした。被害者の身辺を洗う中、二年前の事件をきっかけに辞職した元刑事の名前が挙がった。奔放な被害者の異性関係。捜査は難航し、捜査一課は強行班七係と中本班の二班合同態勢をとるがー。刑事たちは、何を求め、何を探し続けるのか。男たちの葛藤と、その心の深淵にある光とは。
お人好しで要領の悪い三久は、勤め先をリストラされ路頭に迷ってしまう。行き倒れた先は、猫まみれの貧乏寺・孤月寺だった。クールな美形僧侶・空円と、謎の水商売風男・覚悟の二人が営むこの寺で、三久は僧侶見習いとして居候することに。慣れない清貧生活(?)に四苦八苦していた三久だが、突然、近所で起きた強盗傷害事件で犯人扱いされてしまって…!?
人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!?鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも…よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。