2015年3月発売
進学校に通う高校二年生の二条マヤは、毎日勉強漬けで忙しい日々を送っていた。そんなある日、“どんな願いも叶うアプリがある”という噂を聞いたマヤは、半信半疑で噂のアプリに願いをかける。すると目の前に、もう一人の自分『イミテーション』が現れたー!「自分がもう一人いれば楽なのに…」と願った少女の結末は?人気ボカロP原作・原案、待望のノベライズ!
昭和三十年代の平行世界“東京”を生きる“異能者”たちの死闘!殺人序列者が殺しの技を競う“組織”で暗殺任務に失敗した“魔銃遣い”蓬莱樹一郎に処刑の指令が下った。運命の分岐点に立つ彼の前に訪れたつかの間の休息、奇妙な“殺し屋たちの休暇”-。暗黒の魔窟に囚われた“灼熱獄炎ノ魔銃”の殺し屋・蓬莱の運命を操るのは、魅惑の美少女か?妖艶の魔女か?
無実の罪を着せられ逃亡中のサムは、酒場で知り合った牧場責任者に誘われるまま、彼のもとで働くべく牧場に出向く。ところがそこで経営者として現れたのは、6年の間音信不通だった妻のレイシーだった。結婚直後さまざまな災難が降りかかり、二人は別れ別れになったまま現在に至っていたのだ。レイシーは経営難を克服するため、やむなく資産家の牧場主との結婚を受け入れたところだった。レイシーとやり直したいサムは何とか彼女の心を取り戻そうとするが…波瀾万丈の物語が幕を開ける!
ネイサンらのチームはジャングルの不可解なふるまいに多大な犠牲を払いつつも、ランド調査隊の足取りを掴みつつあった。しかしその背後には、ランドの科学的発見を奪取するよう依頼を受けた傭兵集団が迫る。一方アメリカでは、返送されたクラークの遺体が原因と思しき謎の感染症が伝播し、パンデミックの様相を呈していた。やがてネイサンらは、ランドらを襲った悲劇、そして現在の災厄すべての原因となったアマゾンの驚くべき秘密に行き当たるー。科学的知性が躍動し、奇想が舞う、興奮の密林アドベンチャー!
植物写真家の猫田夏海は、撮影中の不慮の怪我のため、高知の港町、白崇教と呼ばれる宗教施設に滞在することに。その教団は、“タイガ”と呼ばれるアルビノの鮫を崇めていた。ある夜、密室状態の本殿で、教主が刺殺される事件が起こり、その翌晩、教主の息子の切断遺体が、海で発見される…!“観察者”にして生物探偵の鳶山は、猫田とともに調査を始めた。連続殺人事件の陰に潜む、神の秘密と、教団の真の姿とは!?博覧強記の観察者が闇を照らす。驚異の本格“生物”ミステリ。
半島を形づくる三国の均衡は、もろくも崩れ去るーソニンとイウォル王子が暮らす“沙維”では王が倒れ、北の強国“巨山”の王は半島征服を狙い、南の楽園“江南”では、第二王子・クワンの排斥が企てられていた。各国間の緊張が高まるなか、巨山王の一人娘・イェラが、突然“沙維”を訪問する。彼女の狙いとはー?一方、夢見の力を失ったソニンは、裏切り者の巫女・レンヒが遺した手帳を葬るために、かつて暮らした“天山”に向かう。少女ソニンと平和を願う次代の王たちの物語、ついに完結!
ひとりの少女との出会いから、全ては始まったー。誰にも心を開かず、部屋で絵ばかり描いている女の子。絵の中の魚が白いのは「おぼれて、死んだの。あした」だから。明日の出来事が見える。他人の心の声が聞こえる。虫を呼び寄せる…。不思議な能力が彼らと周囲を切り裂く。小さく弱い、選ばれし者たち。でも、一つになればきっと強くなる。
エイプリルフールー1年で唯一嘘が許される日。そんな日に巻き起こる事件の数々。さまざまな人間模様がからみ、つながり、そして小さな「嘘」が奇跡を起こす!今最も注目されている脚本家・古沢良太のオリジナル脚本を、人気作家・山本幸久が小説化!
不穏な噂がつきまとう謎の老婆、母親殺しの疑いをかけられた娘、雪だるまの中から発見された男の死体ー。江戸の町に次から次へと湧き起こる難事件に半七の推理が冴え渡る。探偵小説の元祖『半七捕物帳』が、リミックス版として現代に蘇る!『石燈籠』他、傑作五作品を収録。現代的な表記、意訳、解釈を織り交ぜ、新たに編集した文庫版。
大事に扱われてきた着物には、持ち主の情念が宿る…。江戸日本橋の古着屋の看板娘・お紺のもとには、持つと怪異に見舞われるという「わけありの着物」が持ち込まれる。謎の解決に乗り出すお紺には、着物に潜む想いを断片的に視る能力があった。すれ違ってしまう人と人の想い、情。それらをほぐした時、お紺の目に映るものは…?文庫書き下ろし。
五代将軍綱吉公が世を去って一年ー。生類憐みの令が撤廃された江戸の町を、純白の紀州犬とともに駆け抜ける若き同心の姿があった。心優しく、正義感溢れ、人の善を信じて疑わない犬飼研吾と忠実な愛犬・お蘭。父の死の謎を追う研吾らの前に立ちはだかる事件の数々…。研吾は人の心の闇にどう挑むのか!!文庫書き下ろし痛快時代小説。
東日本大震災を経て、東京五輪へ。少しずつ変貌していく「東京」-。その東京を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者”は、ある日、自らを吸血鬼だと名乗る謎の人物・吉屋と出会う。吉屋は、筆者に「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが…。将門の首塚、天皇陵…東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作「エピタフ東京」。吉屋の視点から語られる「drawing」。三つの物語がたどり着く、その先にあるものとはー。これは、ファンタジーか?ドキュメンタリーか?「過去」「現在」「未来」…一体、いつの物語なのか。ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!!
東京の下町・小岩で、友人たちと共同下宿生活を送っていた二十三歳のシーナマコトは、偶然見た新聞の求人広告がきっかけで、小さな業界新聞社の編集者になった。新橋西口通りのずっと先にあるオンボロビルに入る会社で、怪しく個性的な人物たちと出会い、仕事、酒、賭け事という怒涛のサラリーマン生活を過ごすシーナ。そして、恋の挫折も経験し訪れた、ひとりの女性との決定的な出会い…。明るくおかしくて、でも少しかなしい青春を描いた『哀愁の町に霧が降るのだ』に続く自伝的青春小説の傑作が復刊!巻末には中川淳一郎氏による特別寄稿エッセイを収録。
鷲田完治が道東の釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった(表題作「起終点駅」)。久保田千鶴子は札幌駅からバスで五時間揺られ、故郷の天塩に辿り着いた。弟の正次はかつてこの町で強盗殺人を犯し、拘留二日目に自殺した。正次の死後、町を出ていくよう千鶴子を説得したのは、母の友人である星野たみ子だった(「潮風の家」)。北海道各地を舞台に、現代人の孤独とその先にある光を描いた短編集を、映画化と同時に文庫化!
超売れっ子作家となり、一時は一千万円近くの貯蓄があった小説家の僕。しかし単行本の刊行が延期になり、収入が激減。浪費癖と自堕落な生活も手伝って、気付けば三百万以上の借金ができていた!稀覯本を売って日銭を稼ぐが、高級マンションの家賃とローンの返済は滞り、元カノで資産家の娘・靴乃コからは甲斐性なしと呼ばれ、同じマンションに住む高利貸しの要蓉子には、返済できないなら死ぬべきだと言われる始末。弁護士に相談したものの打つ手がなく、出版社の担当編集者たちに泣きつくが…。これは実話か?前代未聞のドロ沼「借金返済」小説!
藤井善行、三十二歳。独身。売れないカメラマン。高校時代は、かなり悪かった。跡継ぎのいない叔父の寺を存続させるため、というのは建前で、叔母の「儲かる副業」の言葉に釣られ、仏教学院に入学する。試験は、面接のみ。たったひとつだけのクラスは、下は十代から上は六十代まで老若男女バラエティに富んだ構成だ。中には、東大のインド哲学科卒のインテリまでいる。一年限定とはいえ、久しぶりの学生生活がはじまった。今まで接することもなかった属性のクラスメイト達と交流するうちに、善行は仏教に対して前向きになっていくのだった。仏教が紡ぐ青春の物語。
歯学生だった剣拳磨は、親の敷いたレールに逆らって大学を中退し、東京にやってきた。そして、歯学部実習での「削り」つながりで、飛び込みで下町の金属加工会社に就職する。削りには自信のあった拳磨だが、大学でやってきたことが全く通用しなかった。しかし夢中で取り組む内、手作業による削りの仕事が自分に打ち込める世界だと気づく。やがて、社長に技能五輪全国大会を目指すよう言われた拳磨。そこに、中学の頃から立ちはだかってきた神無月グループの御曹司・神無月純也が現れた。自分の会社から多くの選手を出場させた神無月。拳磨は、頂点に立てるのか。