2015年3月13日発売
大坂の堂島にある米問屋・栄屋で手代として働く佐助は、暖簾分け・独立を目指して先輩同輩らと商いに励んでいる。幕末の動乱前夜の大坂には、大鳥圭介や福沢諭吉、清水次郎長の子分の石松らが集まっており、佐助は彼らと交流を重ねながら、時代の転換点を商人として生き抜いていくー。
旗本木島新太郎は、若年寄・京極備前守から直々に極秘のお役目を命じられた。江戸城の書物庫の奥深くにある座敷牢に閉じ込められた謎の人物『御厄介様』を警護する御文庫奥書院番である。御厄介様は何者なのか、なぜ座敷牢に幽閉されているのか。疑問を胸に抱きつつ、新太郎は御厄介様に頼まれて、江戸城内外で起きた奇妙な事件の調査を行うが…。
虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で剣の達人。廻船問屋・葭屋徳兵衛らの誘いで、お上が手を出せない悪を始末する『仕置き業』の世界に足を踏み入れた。越後村石藩の国家老・玉井主税の積年の悪事を暴くため、胡空は故郷の越後へと向かうが…。ベテラン作家、岳真也の好評シリーズ。袈裟をなびかせ巨悪を絶つ!
吉原遊廓の大見世「大坂屋」の花魁・綾音太夫には、別の顔があった。一つはお針で生計を立てる器量よしな小町娘の顔。そして、遠山景元の密命を受けた隠密同心・綾という裏の顔である。大店の娘が次々と辻斬りにあった事件を調べる中で、綾は大奥に深く関わる闇に辿り着くが…。艶やかな隠密同心が、江戸の悪をお縄にする!
どんなに辛くても、仲間と一緒だからここまでこれた。どんなに悲しくても、あの人との思い出があるからがんばれた。アイドルグループ「47」のセンター、砂吏、17歳。彼女の素顔、初恋、スキャンダル、そして、決意ー。異才・嶽本野ばらが紡ぐ、儚い世界を逞しく生きる少女たちへの讃歌。みきとPがりぶに捧げた孤高のラブソングを嶽本野ばらが小説化!!
一時は四国一円を平定し、全国の武威を轟かせた土佐の戦国大名・長宗我部氏。その強豪が歴史の渦に巻き込まれ消滅した史実を、最後の当主・盛親の生涯から辿る大河小説。一族の骨肉相食む争い、非情な粛清、して滅亡。歴史小説家・近衛龍春が膨大な史料をもとに奏でる長宗我部家の鎮魂家。
関ヶ原の戦いに敗れ、土佐二十二万石を喪失した盛親。寺子屋の主に身を落として隠忍すること十四年。ついに巡ってきた大坂の陣で敗北するも、自刃せず生き恥を晒してまで虜となることを選んだ、その真意は何だったのか。長宗我部の家名を賭け、最後まで戦った男の生涯を追う傑作歴史小説。
「親友が心を寄せる男に掛けられた、殺人の嫌疑を晴らしてほしい」。お手伝いの須美子に頼まれ、霞ヶ浦を訪れた浅見光彦は、秋田・西馬音内盆踊りで起きた不審死事件との関連に目を留める。二つの事件の被害者は、共に“奇跡の米”開発に携わる農業技術者だった。亡者の装束で死んだ男が握る巨大利益を巡る秘密とは?農業界vs.製薬業界。「遺伝子組み換え米」に群がる巨悪に浅見光彦が挑む!
失われたグランディエ王朝最後の王女ララは、何者かに付け狙われていた。王家の暗い歴史と自らにかけられた謎を解くには、時の魔術によって王家創始期に立ち返ってみるよう助言を受けたララ。術法の使い手魔道士ビベカに会うため剣士バビロンと旅路を急ぐがー。運命の少女が繰り広げる神秘と魔法の冒険物語!
前髪立ちの十六歳にして、御探し物請負屋の看板を掲げる文平。蒔絵の文箱、消えた盆栽…失せ物に篭められた人の想いまで取り戻すのが文平の信条。助っ人は二枚目の哲哉とごつい岩五郎の部屋住みの二人。文平が探し物に躍起になる理由は、二年前の桜の宵の出来事にあった。
パーティなんて嫌い!欲しいのは危険な恋。私の居場所はどこにあるのー。N.Y.セレブ界の異端児・グレディを翻弄する、雷光のようなアバンチュールの行方。訳者・安西水丸が惚れ込んだカポーティ幻の処女作。華々しい’40年代のNY社交界と、その陰りの中に生きる人々のコントラストをくっきり描く長編を初文庫化!
有能な手代だった益治郎は、主の息子に盗みの濡れ衣を着せられ小間物問屋を追われた。失意のあまり盗賊の誘いに乗り、怪しい古道具屋に転がり込んだ益治郎。盗賊たちは開かずの蔵に眠るお宝に狙いをつけた。だが店主からして小僧に店番を任せ釣り三昧、憑きものとがらくたばかりの皆塵堂に、お宝ってあるの!?
日本中を恐怖に陥れた殺人鬼を追って、警視庁の史上最強女王・薬師寺涼子警視は部下の泉田準一郎らを連れてシベリア奥地を大追跡、犯人が潜伏する秘密都市へ向かった。そこで一行が見たのは地獄のような光景と恐るべき陰謀、とうに滅びたはずの幻の巨獣!?人智を超えた敵に、お涼さまは常識越えの作戦で挑む!
大学の探偵助手学部に通う君橋と月々は、志望のゼミに落ち、悪ふざけで出した第3希望の猫柳ゼミ行きが決定してしまう。指導教官は、功績不明かつ頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦(25歳)。ショックを受ける二人だったが、名門ゼミとの合同合宿が決まり、勇んで向かった孤島で、本物の殺人事件に遭遇する!
半四郎が国許の少年藩士だった頃、上役の娘・志津を怪物・オオヒトから救い、その勇敢さは村人の語り草となっていた。志津は家老筋の名家に嫁ぐが、姑のいじめにあい、非業の死を遂げる。なぜそこまで追い込まれたのか。志津の不幸を解せぬ半四郎に、藩を捨てる原因となる事件が降りかかる。
悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から常時マークされることになる。玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。ついに姿を現した死神の驚くべき正体とは。あまりに過酷な闘いに、はたして玲奈の心は持ちこたえられるのか?
厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護官はスキーを履き、険しい山中へ向かう。カメラマンは無残な遺体で発見され、手負いの羆は銃殺され事件は一件落着したかに見えた。しかし、噛み跡はその羆のものより遙かに巨大だった。最強の野生動物「羆」との壮絶な死闘を描く、元自衛隊の、期待の大型新人による傑作山岳小説。 はかりしれない自然への畏怖の念。血が騒ぎます。胸をうちます。冒険小説ファンは必読。驚くぞ。読むべし!-池上冬樹(文芸評論家) 生きとし生けるものすべてへの畏敬の念が静かに満ちている。-角田光代(作家) むせかえるような自然と獣の匂い、五感の全てを刺激する傑作。-さわや書店フェザン店 松本大介 プロローグ 一章 白い谷 二章 食害 三章 銃声 四章 タンデムベルト 五章 凶弾 六章 発火点 エピローグ