2015年4月7日発売
高野山に入った西行は申の導きにより、またしても宿神と出会う。そして、覚鑁から授かった「理趣教」を唱え、今は亡き鰍の弔いをついに果たすのだった。一方、都では悪左府頼長らと清盛・信西らの対立がいよいよ激化し、政権をめぐって大乱の気配が漂い始める…。
二十五歳の誕生日を前に、ミアの人生は大きく動きはじめた。その夜、彼女は恋人とバーで待ち合わせていたが、彼を待っている間に、その男と出会ってしまった。優しいそぶりを見せて声をかけてきた男は一転、彼女に拳銃を突きつけ、人里離れたキャビンにミアを連れ去っていった…。幸運にもミアは数か月後に無事に帰宅するが、監禁中の記憶を失っていた。監禁されていたキャビンでなにがあったのか?記憶喪失の原因は?そしてミアの誘拐事件に隠されていた衝撃の真相とは?全米で刊行前より話題となった注目の“ガール”ミステリの邦訳、ついに刊行!
文久二年、東海道は生麦村で英国商人が島津久光率いる薩摩藩の行列と鉢合わせ、殺傷される。現場近くから外国人居留地へ連行されたのは土佐を脱藩した浪士・坂本龍馬、そして元薩摩藩の鉄炮指南役斬善次郎とその妻子だった。善次郎が江戸に勝麟太郎を訪ねると、勝は故島津斉彬から預かっていた懐中磁石を善次郎の一子・爽に託す。そこに彫られた漢詩は何を意味するのか。斉彬の死に隠された真相を糺すべく、善次郎は西郷吉之助へ書状を認めるが…。くすぶる薩摩と英国の火種、爽を連れ戦地へと急ぐ善次郎。激動の幕末を、最後のサムライが疾駆する痛快活劇第三弾。
作家志望のダンナ・コウタは、本好きなヨメ・ユーコと出会って十七年目にしてついに結婚。直後、妊娠とがんが発覚し、幸せな新婚生活は闘病生活へと様変わる。ヨメの病状をブログで報告し続けるダンナだったが、入籍から四九三日後、彼女は亡くなった。悲しみに暮れる一方で、闘病ブログ出版の話が進み、ダンナは念願の本の出版ができると意気込む。しかし、そこへ死んだはずのヨメが現れた。これは、幻影なのか。現実なのかー。やがて、お互い生きている間には伝えられなかった、それぞれの思いがあふれ出していく。巻末には、監督と原作者の対談も収録した。
二〇一五年四月公開の映画『恋する・ヴァンパイア』の原作小説。日本で唯一のヴァンパイア一家に生まれた伴キイラは、ヴァンパイアであることを誰にも知られないようにひっそりと生きていた。二十歳になったある日、キイラが十二歳の頃に想いを寄せていた初恋の人・哲と偶然の再会を果たす。想いを伝えたいけど、自分がヴァンパイアであることは知られたくない。そんなキイラのジレンマが二人の恋の前進を妨げる。そんな中、横浜でヴァンパイアによる凶悪な事件が起こる。人間とヴァンパイアは、共存できないの?心痛めるキイラが選んだ道は…禁断の恋物語。
第二十三弾は、大人気作品「花ちゃん番外編」の続編。井上君という許嫁のいる花ちゃんは、厳しい祖父母の元、普通に恋もして、京都でおてんばな女子高生として過ごしていた。そんなある日、花ちゃんは生き別れになっていた父親の存在を知り、会える確信もないままに、叔母を訪ねてママチャリたちの住む町へ。森田くんは、迎えをママチャリたちに依頼したものの、すれちがいの連続で会えず終い。そんな折、グレート井上くんのところに謎の電話が。相手は父親の再婚を知り、孤独にうちひしがれる花ちゃんだった。果たして会えるのか?手に汗握る展開と感涙の物語。
吉永小百合主演映画『ふしぎな岬の物語』原作者としても著名な著者が描く話題映画の原作小説が待望の文庫化。縄文時代から豊穣な土地として営みが続けられてきた青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、三五歳で恋に臆病になっている。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。古代の人々の豊かで人間愛に満ちた暮らしを知るうちに、背負ってきた様々な呪縛から解き放たれていく。不器用な二人の思いは成就するのか…。縄文と現代、時を隔てながらも進んでゆく二つの感動物語。
組織によって選ばれた「社会的要人」の弱みを人工的に作ること、それがユリカの仕事だった。ある日、彼女は見知らぬ男から忠告を受ける。「あの男に関わらない方がいい…何というか、化物なんだ」男の名は木崎。不意に鳴り響く部屋の電話、受話器の中から語りかける男の声ー圧倒的に美しく輝く「黒」がユリカを照らした時、彼女の逃亡劇は始まった。世界中で翻訳&絶賛されたベストセラー『掏摸』の兄妹篇が待望の文庫化!
片手のない、孤児の少年「そばかす」は、木材会社の支配人に見込まれ、リンバロストの森で番人として働きはじめた。厳しい仕事にも耐え、鳥たちを愛でるそばかすは、人々の心を溶かしていく。そんなある日、森に富豪の娘エンゼルがやってきた…。翻訳者・村岡花子が特別に大事にした少年小説の傑作。