2015年7月6日発売
トリダシトリダシ
「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された」と作家・横山秀夫が賞賛した、臨場感あふれるスポーツ新聞の現場を描く連作短編。 部下に、「とりあえず、ニュースをだせ」と他社の知らないニュースを獲ってくることをひたすら求め続ける東西スポーツ野球部のデスク・鳥飼は、「スポーツ新聞の三大要素は、『金』『出世』『女』だ!」とうそぶき、その露骨で下品な言動と、なりふり構わぬ取材ゆえ、社内外でも敵の多い人物。部下や同僚からは、「トリダシ」と影で忌み嫌われている。 しかし強烈な個性で周囲を巻き込んで、数々のスクープをものにし「影のGM」と噂されるほど優秀な記者でなのだ。 異能の記者”トリダシ”とは、はたして何者なのか。彼の周囲の人々の目から、徐々に真実の姿が明らかになる。 『球界消滅』で、その先見性とストーリーを、各方面の書評で絶賛された著者が、満を持して自らの記者体験をもとに描く選手も記者も騙し合いの熾烈なスクープ合戦の舞台裏。
独りでいるより優しくて独りでいるより優しくて
一人の女子大生が毒を飲んだ。自殺か、他殺か、あるいは事故なのか。事件に関わった当時高校生の三人の若者は、その後の長い人生を毒に少しずつ冒されるように壊されていくー凍えるような孤独と温かな優しさを同時に秘めたイーユン・リーの新作長編。
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