2015年8月19日発売
著名なミステリー作家、成宮彰一郎の妻、瑠璃子が行方不明となった。事件性が高いと見た三鷹警察署の新米刑事ノボルは、先輩刑事の佐藤とともに、捜査を開始。次々に容疑者候補が浮かぶが、その過程で警視庁本部の組対四課や捜査一課も事件に関与してくる。 「どうせなら死んじゃっててくんないかなぁ……」 不愉快な言動を繰り返す夫・成宮の真意はーー。 完全犯罪を「完全」に描いた、前代未聞の傑作ミステリー。
完全犯罪を目指さない男・鯨井。彼が「アリバイ証言」に選んだ美女は、最悪にも一日しかその記憶がもたない白髪の名探偵だった……。忘却探偵が殺人事件の証人となる「掟上今日子のアリバイ証言」ほか、西尾維新の筆が冴えわたる忘却探偵シリーズ最新短編集! 鯨井留可がアリバイ工作のために声をかけた白髪の美女は最悪にも、眠るたびに記憶を失ってしまう忘却探偵・掟上今日子だった……。 完璧なアリバイ、衆人環視の密室、死者からの暗号。 不可解な三つの殺人事件に、今日子さんが挑戦する! 忘却探偵シリーズ『掟上今日子の備忘録』10月より日本テレビ系列にて連続ドラマ化決定! 第一章 掟上今日子のアリバイ証言 第二章 掟上今日子の密室講義 第三章 掟上今日子の暗号表
フランケンシュタインと日本SF の相関をさぐる文化論! 200 年前に書かれた『フランケンシュタイン』が提示する 問題系の現代的な意義=「つぎはぎ」「知性や労働の複製」 「母性をめぐる解釈」などをめぐり、日本の戦後SFへの継承をたどる! 小松左京、光瀬龍、荒巻義雄の第一世代、 田中光二、山田正紀の第二世代をへて、 第三世代以降の伊藤計劃や円城塔へどのように繋がっているのか? ※2015 年秋上映予定の映画『フランケンシュタイン』、 そしてアニメーション映画、伊藤計劃・円城塔原作の『屍者の帝国』 の上映にあわせての刊行! ●はじめに 「怪物には、へそがない」・徘徊する怪物・ へそをめぐる議論・この本のねらいと構成 第1部 メアリー・シェリーの遺産 ●第1章「生命創造とつぎはぎの身体」・ 神の創造とゴシック小説・つぎはぎの身体と準創造 ●第2章「魂なき肉体と機械の複製」・ 人口統計と数値化の時代・ラッダイト運動と機械嫌悪 ●第3章「境界線上の怪物」・ 母性という呪い・家なき子と男たちの関係・ 製造物責任をどこまで負うか ●第4章「グローバル化のなかの怪物」・ ナショナルの外へと出ていく・怪物の存在証明 第2部 戦後日本におけるフランケンシュタイン ●第5章「怪物からロボットやサイボーグへ」・ フランケンシュタインと視覚表現・フランケンシュタインと鉄腕アトム・ 兵器としての鉄人28 号・良心回路と人造人間キカイダー ●第6章「神との闘争をめざして」・フランケンシュタインと戦後日本・ 別の歴史と神への道ー小松左京・サイボーグと解脱ー光瀬龍 ●第7章「フランケンシュタインと対抗文化」・新しい波と対抗文化・ ヨーロッパとフランケンシュタインー荒巻義雄・ エコロジーと闘争ー田中光二・神を狩る敗者たちー山田正紀 ●第8章「怪物たちの共同体」・ポストヒューマンと怪物・ フランケンシュタインと女性性・『屍者の帝国』とテキストの縫合 ●おわりに「フランケンシュタインの問題群」