2015年8月21日発売
仲良し3人組だったわたしたちには、みんな、人には言えない秘密があったー優しさ。悪意。淡い恋心。胸が痛くなる嘘。見て見ぬふり。嫉妬。言い訳。仲間になるために犯さないといけない罪ー。退屈な日常から脱出するため、中学2年生は、あちら側に一歩、ふみ出す。
藤本弘氏とのコンビの共同ペンネーム「藤子不二雄」で漫画家デビューを果たして以来、歩み続けた漫画家人生六十余年!その寄り道回り道、波瀾万丈の「まんが道」をユーモアたっぷりに綴る。単行本『78歳いまだまんが道を…』刊行後の三年間を加筆、改題したファン待望の文庫版。
私立篤風高校で起きた残虐な殺人事件。被害者は扼殺されたあと、内臓を抜かれていた。半年前の事件の影響で本庁から葛飾署に左遷された和賀も現場に急行する。被害者が残した謎の言葉「くまり」を手がかりに独自の捜査を進める和賀は白昼の路上で襲撃される。窮地を救ったのは、前の事件の最重要人物ー夏月だった。
1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、J・L・ソウヤーなる人物の回顧録原稿が持ちこまれる。第二次大戦中に活躍した英国空軍爆撃機の操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者だったJ・L・ソウヤーとはいったいどんな人物なのか…。稀代の物語の魔術師が、持てる技巧のすべてを駆使し書き上げた、“最も完成された小説”。アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞受賞作。
1936年、オックスフォード大学ボート部所属のジャック・ソウヤーとジョー・ソウヤーは、ベルリン・オリンピックに舵なしペア英国代表として出場、見事銅メダルを獲得した。だが帰国後、一卵性双生児の二人の運命は決して交わることなく、一方は空軍爆撃機操縦士として、もう一方は国際赤十字職員として第二次大戦下の混沌たる世界をさまよっていった…。歴史に翻弄される二人の男の人生を虚実入り乱れた語りで描く大作。
戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製ホビーロボット・DX9の捕獲に挑むがー泥沼の内戦が続くアフリカの果てで懸命に生きる少年少女を描いた表題作、9・11テロの悪夢が甦る「ロワーサイドの幽霊たち」など、日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫る連作5篇。デビュー作『盤上の夜』に続く直木賞候補作にして、日本SF大賞特別賞に輝く第2短篇集、文庫化。
伊藤計劃が2009年にこの世を去ってから早くも6年。彼が『虐殺器官』『ハーモニー』などで残した鮮烈なヴィジョンは、いまや数多くの作家によって継承・凌駕されようとしている。伊藤計劃と同世代の長谷敏司、藤井太洋から、まさにその影響を受けた20代の新鋭たる柴田勝家、吉上亮まで、8作家による超巨大書き下ろしアンソロジー。
不況にあえぐエディンバラで、ドラッグとアルコールと暴力とセックスに明け暮れる若者たち。ヘロイン中毒のレントン、ケンカ好きのベクビー、気弱なスパッド、女たらしのシック・ボーイ。仕事も希望も何もない。絶望的な状況のなかで、レントンは仲間たちと一緒に売人から大量の麻薬を手に入れ、一攫千金を狙うのだが…。友情や裏切り、人生の選択という普遍的なテーマを描いた90年代を代表するイギリス青春小説の傑作。
次から次へと殺人を犯し、ニューヨーク全市を震撼させた連続絞殺魔“猫”事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”が風のように街を通りすぎた後に残るものはただ二つー死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しむエラリイと“猫”との頭脳戦が展開される。待望の新訳版で登場。
ルパンの赴くところ事件あり。宝くじ争奪、老男爵殺害、青いダイヤ、謎の金髪美人…警察は翻弄され、ガニマール警部は苦虫を噛み潰す。事件の関係者たちはついに英国の名探偵シャーロック・ホームズに出馬を要請した。勇躍フランスへと乗りこんできたホームズとワトスンだが、その出鼻にルパンの強烈な先制パンチが…神出鬼没の怪盗対不世出の名探偵、世紀の対決が始まった!シリーズ中屈指の人気作を最新訳で贈る。
34歳、独身。わたしデボラ・ノットが持っているのは、熱い正義の心と、酒の密造人の娘という汚名ー弁護士のデボラは、迷宮入りとなった殺人事件の調査を知人に依頼された。自身、地方裁判所の判事に立候補し、今は激しい選挙戦の最中だが、必ず犯人を見つけてみせる…“運命は自らの手で切り開く”強く美しい心のヒロインの闘い。アメリカ探偵作家クラブ賞、アンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞、4賞独占の名作。
史上初めて人を愛することができた人工知能の恋の行方とは…(「ソフィア」)。シリアルのくじで十万ドルを当てた少年は思いもよらぬ家族の秘密に突き当たる(「ケロッグ」)。その日、株式市場が落ち込んでしまったわけは(「市場の落ち込み」)。自由奔放な発想、胸を打つ切なさと愛おしさにあふれる全63篇+α。俳優、脚本家としても活躍する異才が著した初短篇集。
貧乏探偵バーニーと、猫がらみの理由で警察犬訓練所を卒業しそこなった大型犬チェット。この最強コンビは伯爵夫人に愛犬の警護を依頼されたが、いかにもな失敗で即クビ。その後、夫人は愛犬とともに誘拐されてしまう。そして事件を取材中のバーニーの恋人まで失踪…。何が起きているのか?語り手が犬であるからこそ可能になったミステリ!『チェット、大丈夫か?』改題文庫化。