2015年8月26日発売
極東の島国・日本。東京の場末の「店」で、「彼」は店主の従弟が語る不思議な物語に耳を傾ける。それは、遙か遠いオスマン帝国の時代、皇帝の近衛兵となった「少年」が、詩に魅せられ、当代一の語り手へと登りつめる、めくるめく物語だったー。ノーベル賞作家オルハン・パムクの訳者、初の小説集!
過去を振り返る時、自分のことを「あの少女」と呼ぶことになる。--叔母との対話、国語教師との秘密めいた関係、少女がつける読書ノート……高校二年生の少女が過ごす初夏の1ヵ月を繊細にして凝縮された文体と仕掛けをめぐらせて描き、「捨ておけない才気」「小説にしかできないやり方で現実と格闘している」「文学にいま必要なものがここにある。」(高橋源一郎氏)等、選考委員に絶賛された群像新人文学賞受賞作! 「捨ておけない才気が感じられた」(辻原登氏) 「凝りに凝った文体が緻密で濃厚な文学的味わいを湛えている」(野崎歓氏) 「小説にしかできないやり方で現実と格闘している」(多和田葉子氏) 「世界が単純になっていく中で、『十七八より』はもっとも複雑に書かれている。文学にいま必要なものがここにある」(高橋源一郎氏) ・・など選考委員から絶賛された新人による、第58回群像新人文学賞受賞作。ペダントリーとシニカルなユーモア、豊饒な言葉の魅力にみちた注目作。
夫を亡くしてひとり暮らしの荻原萩子・五十五歳が抱く、バイト仲間の年下女子・早蕨へのときめきと憧れ。-「反人生」。世界を旅する寅次郎、ユーモアのセンスあふれる桃男。男友だちから新たな感覚を学ぼうとする大沼の行く末は…。-「越境と逸脱」。自由でゆるやかな連帯のかたちを見つける全四編。
自分の才能に無限の可能性を見出しながらも、本当の自分を理解されないもどかしさに苦悶する。家庭環境のため、深い孤独を心に抱きながら水泳に没頭する主人公・川瀬は、あるきっかけから友人の誕生日のパーティに呼ばれる。そこで出会った北原佳津子に惹かれていくのだが…恋愛・友情・出会い・別れ、苦悩、古びない“青春”がそこにある。1965年、東京オリンピックの翌年。吉祥寺を舞台にどこまでも純粋な物語が幕を開けるー