2015年9月発売
ここがあこがれの南の島?十年前の未解決事件殺人犯を捜しに、薬師寺涼子警視が派遣されたのは、絶海の孤島だった。無人島を開発、一大リゾートとなった島には、お騒がせ国家公安委員長と後援会御一行も訪れるが、搭乗してきた飛行艇が海中からの奇襲により撃墜。捜査に駆けつけた海上保安庁の巡視船、海上自衛隊のオスプレイも相次いで破壊される。某国の秘密兵器か、謎の深海生物か?バカンスムードも一転、海自、海保、警察の捜査権争いが勃発する中、不気味な怪生物が!警視庁の魔女王が忠臣・泉田と大暴れ!
花鳥茶屋「せせらぎ」は上野不忍池に面したおよそ六百坪の敷地に、珍しい鳥を集めた禽舎や植物を配した行楽の苑であった。いかがわしさとは縁遠く、女子供にもたいそう受けがよい。子供のころ、手習いの師匠が語ってくれたさまざまな鳥の話に、足が痺れるのも忘れて幼馴染みたちと聞き入った勝次は、ここ「せせらぎ」で鳥かご職人の修業中だった。弟子入りして五年、仲間も皆、巣立ちの時を迎えようとしていた…。
激情で人を殺め、服役中に消息を絶った婚約者と息子を探す秀夫。だが、伝手となるオジの慈郎は凶刃に倒れる。さらに現場から、故郷の街で起きたNPO横領事件の内幕を記すノートと大金の入った鞄が、少年康昊に持ち逃げされた。回収のため悪徳刑事天明谷を遣う殺人者の一味や、匂いを嗅ぎつけた冷酷な金貸し智勲の追跡が激しさを増す中、危機を救った秀夫に、少年は山分けを主張する。新宿の闇に、欲と野望の火花が炸裂したとき、秀夫と康昊の絆が呼ぶ結末は?著者の人気警察小説シリーズ、特別長編!
さえない中二男子の“ぼく”が出会った謎めいた少女。修学旅行で東京に来たという彼女と一緒に、なぜか上野を巡ることになってしまったが、何か隠している目的があるようで…。人気の著者が描く、疾走感溢れる爽やかな青春小説!書き下ろし短編も特別収録。
最悪の結末を迎えたアルザス防衛戦。しかし、今度こそ全てを守り抜く力を得るために、クロノは再び立ち上がる。スパーダで始まる新しい冒険者生活。リリィ、フィオナ、生き残った仲間と共に、順調に冒険者としての成長と、近い内に必ず訪れる十字軍との戦争へ向けて、準備を整えていく。しかし、ガラハド山脈に赤き憤怒の咆哮が轟く時ーついに、魔王の試練が始まりを迎える。
子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか?大人気シリーズ第3弾!
仲良し4人組で作った秘密基地。誰も知らないその場所に、少年たちは毎日のように入り浸っていた。ある日、母子家庭のショースケが家出すると言いだし、基地に泊まりこんだが…(「サクラ秘密基地」)。遠い昔に撮った写真、そこに写し出された哀しい記憶と残酷な現実ー短編の名手が贈る哀切に満ちた六編。
能登・七尾で武士の家に生まれた信春は、長谷川家の養子となり絵仏師として名声を得ていた。都に出て天下一の絵師になるという野望を持っていた彼だが、主家の内紛に巻き込まれて養父母を失い、妻子とともに故郷を追われる。戦国の世に翻弄されながらも、己の信念を貫かんとした絵師・等伯の誕生を描く傑作長編。直木賞受賞。
敵対していた信長が没して不安から解放された等伯だが、その後も永徳を頭とする狩野派との対立、心の師・千利休の自刃、息子の死など、たび重なる悲劇に見舞われる。窮地に立たされながら、それでも己の道を信じた彼が、最後にたどりついた境地とはー。直木賞受賞、長谷川等伯の生涯を骨太に描いた傑作長編。
大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼしたのに、家康は夜ごとの悪夢に悩まされていた。大坂の戦場で殺されかけた猿飛佐助に、夢の中で家康は何度となく首を掻き切られるのだ。佐助の死なくして家康の安眠なし。家康の命を受けた伊賀忍者と佐助ら真田残党との壮絶な死闘が始まった。手に汗握る新感覚の忍者小説。
流しの鏡磨ぎ師の梟助さんは、話し上手で聞き上手。江戸の町には梟助さんの噺を楽しみに待ってる人がたくさんいます。古い鏡にただならぬものを感じ、精進潔斎して鏡磨ぎの仕事に挑む表題作など全五篇。
不思議な事が日常的に起こる「こよみ村」。地元中学の同窓会開催にあたり村役場まで乗り出す大騒ぎに。転校生・湯木奈央とボーイフレンド・溝江麒麟は大人の恋のさや当てに巻き込まれ、有力者の孫・十文字覚は人知れず重い悩みを抱える。恋あり、怪談あり、SFあり、ミステリーありの濃密ファンタジー第2弾。
東京から電車で約1時間の地方都市。勉強とバイトに明け暮れる予備校生「彼」の日常は、中古車ホンダ「ビート」を手に入れてから変わってゆく。デリヘル嬢との微妙な関係、地方都市の閉塞感と青春群像、マシンを操る身体感覚、作家の資質を鮮やかに示し、第142回芥川賞候補になった表題作。短篇「一丁目一番地」を併録。
1960年代。厳しい軍事独裁政権を生きぬいた芸術的抵抗としての代表作『ソウル1964年冬』。金承〓(キムスンオク)文学の特徴であり特筆すべきものである本作をはじめ本邦初訳の6作品と新訳の3作品を収める。
歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「島津公」とされる人物を中心に、総勢13人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?この大男が彼だとしたら、この写真はいつ、何ために撮影されたのか?謎を解明するために望月は鹿児島へ飛んだ。
出版社の経理部で働く久美子は、突然新雑誌の編集長に任命されファッション誌をつくることに。二十七歳で、編集未経験の彼女は大パニック!さらに集められた創刊メンバーはクセモノばかりで彼氏の学まで部下になる始末。久美子は書籍編集者の学を頼るが、どこかとんちんかんで…。無事雑誌は創刊されるの!?働く女子が悪戦苦闘する、お仕事×ラブコメディ!