2015年9月8日発売
その夏、家族はロッキー山脈のリゾートタウンを訪れていた。十八歳の娘ケイトリンは、トラック競技の奨学金を得て大学進学を控えていた。両親にとっては、円満とはいえない夫婦関係を修復するための旅だった。旅行二日目、ケイトリンはマウンテンバイクに乗った十五歳の弟ショーンを伴って、早朝の人けのない山奥へランニングに出かけたのだが…。その後、ショーンは重傷を負った姿で発見され、ケイトリンは山から戻らず、失踪事件として山岳一帯での捜索が始まったー。全米で激賞されベストセラーとなった、リテラリー・スリラーの傑作、待望の邦訳。
八〇年代。効果音や独特の節回しのナレーションなど、サービス精神に満ちた過剰な演出で秘境の地を探検する人気テレビ番組シリーズの撮影クルーたちは、幻の大蛇・ヤーガを求めて亜熱帯の地を彷徨っていた。もちろん、架空のかたちでしか存在しないヤーガを「登場」させるべく、洞窟にて準備をしていた彼らは、やがて空になった薬莢を発見。ほどなく、彼の地で現政府の打倒を試みるゲリラたちにより、あっけなく囚われの身となるのだがー。二〇一五年十月公開映画化原作。スリル!笑い!男のロマン!に満ちた目眩く冒険譚。
人気エッセイストが五年の歳月をかけて取材、執筆した話題作品を文庫化!舞台は大正時代。東京の女学校で学んでいたモダンガール敏子が恋に落ちた相手は、名門大学の剣道部主将。そしてパリ万博で金牌の栄誉に輝いた宮内省御用達窯元の若き二代目だった。女学生の身で妊娠、そして十九歳で遠く九州有田の深川家に嫁ぐことになった敏子を待ち受ける試練の日々。やがて彼女は旧弊の地で、東京に負けないカフェを作ることを思いつく…。激動の時代を鮮やかに生き抜いた彼女の三十年の生涯を描く。有田焼誕生四百年記念作品。
神の愛に支えられ、人をひたすら愛した西村久蔵。人のため、伝道のために身を尽くしたその生涯を、自らも久蔵の大きな愛に導かれた三浦綾子が辿った感動の伝記小説。札幌商業学校の教師となった久蔵は、熱心な教育者として生徒たちと真剣に向き合う。創業した洋菓子店ニシムラでは、経営者としてキリスト者として、どんな人をも拒むことなく懐に招き入れた。戦後は、戦争参加の罪を贖うかのように、引揚者のための農村建設にも奔走するのだがー。
自宅マンションの隣人が何者かに撲殺されてから十五年。検察事務官・古堀徹のもとに、当時四歳だった隣室の娘が訪ねてきた。思わぬ再会によってめくれはじめた古い記憶のページ。そこに記された、かつての交際相手や被害者の妻、そしてもうひとりの女の存在。彼女たちが秘めていた過去が、未解決事件の真相をひも解く。記憶を頼りに組み立てた荒唐無稽な仮説ー交換殺人という絵空事が、疑いのない現実となる!サスペンスフルな語りと展開の長編小説『アンダーリポート』に、衝撃的な後日譚が描かれた短編小説『ブルー』を併録した完全版。
ドラマ「リスクの神様」ノベライズ フジテレビ系ドラマ『リスクの神様』ノベライズ・下巻。 主人公・西行寺智は、かつてアメリカのGE社や政府関連の危機管理に携わり、数々のトラブルを解決してきた“The God Of Risk(リスクの神様)“と呼ばれている伝説の男。その手腕を見込まれ、日本最大の商社・サンライズ物産に危機対策室長として雇われる。企業に相次ぐ偽装、隠ぺい、粉飾決算、個人情報流出など、あらゆる危機に対応する危機専門管理官たちの手に汗握る緊迫したやりとりを描く硬派な社会派ストーリー。 今を生き抜くビジネスマン必携の書。物語を通して西行寺の衝撃の過去が明らかになる。下巻は、六話〜十話を収録。
『あの花』チームが贈る、青春アニメ小説版 言葉は人を傷つけるーー幼いころ、何気なく口にした言葉がきっかけで家族がバラバラになってしまった成瀬順は、突如現れた“玉子の妖精”にお喋りを封印する呪いをかけられてしまう。それ以来、トラウマを抱え目立たないように生きてきたのだが、クラスメイトの拓実、菜月、大樹と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれてしまった。さらには出し物に決まったミュージカルの主役にまで抜擢されて……。優しさゆえに本音を口にしない拓実、不器用だった過去の恋愛に悩み続ける菜月、甲子園を期待されながら肘を壊した大樹、それぞれが葛藤と苦悩を抱えながら成長への一歩を踏み出す、感動の青春群像劇。大ヒット映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」を生み出したスタッフが再び集結し、秩父を舞台に感動のドラマを繰り広げる劇場作品「心が叫びたがってるんだ。」を完全小説化。原画&劇中カットを収録したスペシャルカラー16ページ付き。
京都御所近くにある「ビストロ青猫」で働く辻村凪子はその日、大原までケータリングに向かった。京菓子司の老舗「白井庵」の一族が集まる屋敷で調理を進めていたところ、凪子の耳に突然短い悲鳴がー。同日、大学生の準平は、白井家で殺された被害者の名前と“呪”の血文字を金毘羅山の“魔界”で目にする。怨念の潜む密室殺人は、京都に眠る崇徳院・平将門・菅原道真の御霊が跋扈する、連続事件の序章にすぎなかった。呪った相手を確実に地獄に突き落とすーその絶大な呪力の真相とは?人妻料理人が「三大怨霊殺人事件」の謎を追う、書き下ろしミステリ小説。
ヴェネツィアの海岸で、喉を掻き切られ、舌を抜かれた男性の無残な遺体が見つかった。秘密結社が裏切り者を罰したのだろうか?イタリア憲兵隊の大尉カテリーナは捜査を始める。一方、世界的なSNS「カルニヴィア」の運営から手を引くことを発表したダニエーレは、激烈な反応に戸惑っていた。そこにアメリカに一時帰国していたイタリア駐留米軍の少尉ホリーが戻ってくる。同じく軍人だった父を陥れた陰謀を暴こうと、強く誓ってー。それぞれの闘いを選んだ三人を待つものとは?ベストセラー三部作、最終巻!
術力を失ってしまった里見十九郎が、幻将・皓と手を組み、妖者方に寝返った…!?中空に築かれた『鏡』によって、“天”による空者方への恩恵がとぎれつづけているなか、伽羅王・斎伽忍は、和泉希沙良は、崎谷亮介は、水沢諒は…、この抜き差しならない若者達は、何を思い、どのように行動に移すのか!?そして鏡の空間に姿を現した無前王とは、いったい何者!?圧倒的なテンションで贈る、シリーズ復活第二弾!里見十九郎は、いったいどうなる!?
最後の地球人と地球の支配者イルカの邂逅「イルカは笑う」、倒産した日本国が遺した大いなる希望「ガラスの地球を救え!」、ゾンビ対料理人「屍者の定食」、失われた奇跡の歌声が響く「歌姫のくちびる」…感動・恐怖・笑い・脱力、ときに壮大、ときに身近な12の名短編。日本人よ、これが田中啓文だ!
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマとして、7人の作家が紡いだ、傑作ミステリー。殺人、強盗、ホラー、パロディ、ユーモア…謎解きと言葉遊びに彩られた迷宮館へようこそ。