2015年発売
弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円ー振り込め詐欺で騙し取ったものだ。関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に…。そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?
神宮前情報社(探偵社)のアンナ、ヨーコ、ノア。道で生きている貧乏猫の三人のもとにウドブノが転がり込んだ。ウドブノを日本に持ち込ませたのはヤクザの白瀬と三田村、道で生きている群れた犬のようなもので道の強者である。元々のウドブノの所有者ロシアの組織は、取引の不具合を怒りチョルト(暗殺者)を送り込む。元警察(はぐれ犬)の絵図師(裏稼業の策士)津屋崎は、アンナたちにウドブノを白瀬に売れば五千万円になると、デブなのに自信満々で持ち掛けた。頭にベーコンみたいな傷のある手下を抱える白瀬は切れ者の経済ヤクザ、簡単じゃない。そこで津屋崎は「善意の第三者」を登場させることを考えた。勝ち目は薄い、しかし、道の強者の鼻を明かしてやりたい。騙し騙され、二転三転どんでん返しのウドブノを巡る争奪戦が始まる、もう後には引けない!
定年を迎え、滋賀から上京した妙子。目的は10年前に消えた亭主の行方。“谷根千”にある近江寮で、うまいものを提供しながら、食べること、生きること、進むこと、を考える。大丈夫、私たちには、ごはんがある。小説宝石新人賞受賞作家が、おばちゃんの自分探しを切々と描く、初の書下ろし長編!
「不思議の国のアリス」がモチーフのボカロミュージカル、ついに書籍化! 眠り病・イースターエッグシンドロームに悩む少年少女を救うのはーー?
3年前、ひとつの都市が忽然と消えた。運び屋のタクヤと、消滅した都市ーロストーから唯一生還した謎の少女ユキ。二人は、消息を絶ったと思われていたユキの父親からのメッセージを頼りに、ロストの中心部へと向かう旅をしていた。ロストをめぐり、ツキやタイヨウをはじめとする研究者たちや、消滅に巻き込まれ亡くなったユキの弟・ソウマらのタマシイとの戦いの末、辿り着いた先に待ち受けていたのは、ロストを引き起こした核(コア)と融合し、変わり果てた姿になったユキの父親だったー。あれから数日。空から石灰が舞い落ちる世界で、タクヤとユキは、ふたたび旅に出ようとしていた…。人気スマホゲーム公式ノベル化!消滅から始まる「もうひとつの物語」。
1983年、目黒区蛇崩に一軒の店ができた。店名『居酒屋ふじ』。強烈なキャラクターの「おやじ」高橋俊男と、小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」高橋光子が二人で深夜まで営んでいる。店内には、たくさんの芸能人のサインとともに、中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。バイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのだが…。伝説の店の、伝説のおやじを描いた長編小説。
ときは一八五四年、徳川家定の時代。野笛藩一の美女・14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、野笛出身の座敷童子を連れ戻してくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の“唐次”、枕絵の妖怪“サダさん”、人が死ぬと泣く妖怪“泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たち、そして厳しく恐ろしい御年寄の“嵐山”-。噂がとびかう大奥と秘密あふれる江戸の街を駆けまわり、イチゴが知った座敷童子の正体とは?
どこか不思議で、すこし謎めいていて、いつか読んだような心に温かみを覚える短編集。美しい毛並みの毛虫に心奪われてしまった少女の選択は?素敵な声のかえると行く砂漠の旅の果ては?森の中に棲む大女の家の暖炉の裏から聞こえる声は…?いけにえを捧げる村の風習に抗おうとした一家の行く末は…?物語が、物語を越えて再帰する、新たな「物語」を紡いだ一冊。
火事による一家の死、孤児としての過酷な少女時代、ようやく見つけた自分の居場所、長いあいだ想いつづけた相手との奇跡的な再会、そしてその結末…。すべてを知ったとき、少女モリーが老婦人ヴィヴィアンのために取った行動とはー。91歳の老婦人が、17歳の不良少女に語った、あまりにも数奇な人生の物語。全米一〇〇万部突破の大ベストセラー小説!
二日酔いで目覚めた朝、ベッドの横の床に何かがあった。…見覚えのない女の、死体。おれが殺すわけがない。知らない女だ。では誰が殺したのか?密室のマンションで、女とおれは二人きりだった…。雑誌『ダ・ウィンチ』から生まれた新しい小説の楽しみかた…小説×写真の世界。
法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。加害者も、被害者もー相談者たちは、一様に何かを隠している。実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリー!
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始めるーこれは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
雪のクリスマスイブ。母親が失踪し家を追い出された茜音は、天使のような少女の導きによって古い洋館アパート「かなりや荘」に招き入れられる。そこには心の片隅にさびしい廃園を抱えた人々と、道半ばにして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司がひっそりと暮らしていて…。古アパートを舞台に、歌を忘れたかなりや達が繰り広げる、優しく力強い回復と救済の物語。
明治末期、ハリー彗星騒動に沸く横浜。役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂は定職にもつかず周囲を呆れさせる「堕落者」。首を突っ込んだハリー彗星撃退依頼をきっかけに、横浜に蠢く陰謀に巻き込まれ!?