2015年発売
広島カープの守護神寺谷和章は、順調にセーブを重ね、首位争いを演じるチームの勝利に貢献していた。そんな中、オールスター出場を果たし観客を沸かせた和章だったが、天使“もさん”にエンジェルボールの秘密を打ち明けられ愕然とする。一方、宿命のライバル早野薫もまた、自らを孤独に追い込もうとしていた…魔球の秘密を追う新聞記者伊勢谷仁美の存在、“悪魔のバット”早野が背負う壮絶な過去、そして、ペナントレースの行方は!?胸に迫る想いと熱狂が織り成す長編小説。
球は魂ー。広島カープの絶対的守護神寺谷和章に残されたエンジェルボールはたったの三球。自分の命と引き換えに悪魔と契約した孤高のスラッガー早野薫。日本シリーズ第七戦、土壇場九回裏、遂に二人の運命が交錯する。“愛するものすべてを幸せに”不器用なまでに純粋に、熱き想いを胸にマウンドに立つ男、寺谷和章の願いは叶うのかー!?手に汗握る興奮と熱狂。家族を愛し野球を愛した男の選択と生き様が心を揺さぶる、感動の長編エンターテインメント小説、ここに完結!
ホテル多仲屋の三代目オーナー岸部幸太郎の悩みの種は、ライバルホテルの攻勢による経営難と、裏に建つラブホテル勃ち王の老朽化だ。売却を考える幸太郎の前にファンドの美人コンサルタント内田美紀が現れる。フロント係、ベルマン、宿泊客の童貞人気作家や妖艶女優、市役所職員などが入り乱れて、ふたつのホテルで巻き起こる珍妙で淫気たっぷりな一日を描く、書き下ろし長編艶笑エロス。
都内で起きた強盗事件と窃盗事件。警視庁捜査3課で盗犯捜査ひと筋の萩尾秀一は、ふたつの事件には繋がりがあるとして、部下の武田秋穂とともに捜査を始める。捜査1課との軋轢や駆け引きの中で、ベテランの萩尾は何を見て、若い秋穂は何を考えるのか。「継続」と「ひらめき」が融合した円熟の警察小説、待望の文庫化。連続テレビドラマ原作。
ついに屋敷を出て、外孫・桃子と母親の珠子が住む「かわうそ長屋」へ引っ越してしまった元目付の愛坂桃太郎。何かと世話を焼く桃太郎に、母娘も次第に打ち解けてくる。そんな折、南町奉行の筒井和泉守が桃太郎の長屋に顔を出す。日本橋の薬屋の主人が殺された事件にからみ、大きな悪事が進行しているようなのだ。話題沸騰の新シリーズ第二弾!書き下ろし長編時代小説。
眠り猫の勘兵衛が起居する根岸の黒猫庵に、千住の女郎屋金子屋から足抜けした若い娘おさきが迷い込んだ。取手の百姓の娘だというおさきを匿った勘兵衛は、借金の形に江戸に連れてこられた経緯を探ろうと、船頭の丈吉を取手に走らせる。一方、千住に向かった勘兵衛は、金子屋の主の伝次郎と女衒の富造の悪い評判を耳にし…、人気書き下ろし時代小説、シリーズ第五弾。
両国広小路の見世物小屋に赴いた三日日左門は、小屋で下働きをしている浪人弥彦源内と知り合う。佇まいに惹かれるものを感じた左門は飲みに誘うが、その途上で弥彦を狙う侍の集団の襲撃を受ける。襲撃をやり過ごし、弥彦を匿うことにした左門だったが、この一件が、蓮助を当主に据えた青砥家をも巻き込む騒動に発展していくのだった。稀代の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、渾身のシリーズ第二弾!!
「阿弥陀小僧」の盗みの予告「南無阿弥陀仏」の御札が、人気役者・川村彦四郎の家に貼られ、江戸の街は大騒ぎになる。彦四郎は“お宝”を芝居小屋に持ち込み、町方も厳重警戒するが、数日後、芝居の最中に舞台で殺されてしまう。人を傷つけないはずの阿弥陀小僧がなぜ?さっそく事件を調べ始める。話題の新シリーズ第二弾!
万次郎は共に救助された仲間全員のハワイから日本への船賃を稼ぐために、ひとり、アメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号の乗組員となった。英語を覚え、南氷洋の凍える寒さを経て、船上の先輩らと信頼関係を築いた万次郎は、海の男として成長し、アメリカ大陸の土を踏む。著者入魂の歴史大河小説、白熱の第3弾。
リーマンショック直前、鷲津政彦はアメリカ経済を長年牽引した超巨大企業、アメリカン・ドリーム社の奪取を目論んでいた。その行く手に立ちはだかる敵は、圧倒的財力を持つ「市場の守り神」サミュエル・ストラスバーグ。食うか食われるか、日米の国境を越えた死闘が幕を開ける! 「ハゲタカ」シリーズ第四弾 序曲 スリーピング・ボム 第一部 熔融 第二部 権謀
ストラスバーグにアメリカン・ドリーム社買収の妨害工作を仕掛けられた鷲津政彦は、アメリカに宣戦布告する。AD社破綻のXデーに向けてウォール街が混乱する中、ワシントンDCもついに動き始めた。強欲の坩堝に身を置き、闘い続ける鷲津。その胸に秘められた衝撃の戦略とは。「ハゲタカ」シリーズ第四弾解説…佐藤優 ストラスバーグにアメリカン・ドリーム社買収の妨害工作を仕掛けられた鷲津政彦は、アメリカに宣戦布告する。AD社破綻のXデーに向けてウォール街が混乱する中、ワシントンDCもついに動き始めた。強欲の坩堝に身を置き、闘い続ける鷲津。その胸に秘められた衝撃の戦略とは。「ハゲタカ」シリーズ第四弾 第二部 権謀 第三部 術数 終曲 エンドレス プライド〔試読版〕
再び平安時代に飛ばされた天童純は、鬼の少女・水葉らと再会。一方、貴族は、鬼神たちを封じ込めるため、三種の神器の一つ、純の持つ草薙剣を奪おうと画策、さらには禁断の作戦を実行しようとする。「鬼」と「人」との激しい戦いの中、大事な仲間を失った純は、自分の命よりも大切なものがあると気づくのだが。
幼子を預けたまま、妻が蒸発した。行方を探す弁護士の夫も姿を消し、後日、他殺体で発見された。女性警部補・ジェマは、遺児シャーロットの面倒を見つつ、婚約者のキンケイド警視と共に、惨劇の真相に迫る。ロンドンを舞台に解きほぐされる、奇怪な人間模様。情と血が導いた「事件」と「結婚」の意外な結末。
昭和の初め、日本の精神医学界を黎明期からリードしてきた養父院長が作り上げた愛宕市の葦沢病院。その数ある病棟のなかでもとりわけ厳重な隔離室には不思議な患者がいた。新米医師の使降醫は、博覧強記の天才・面鏡真澄とともに謎の患者の正体を探るが……。現実と非現実が錯綜する精神医学ミステリー。 【第一部】 1 理想の大病院 2 北第六病棟の「黙狂」 3 居心地の良い下宿。養父院長の悩ましい立場について 4 忙中閑なし 5 三狂人 6 一夜のうちに天女と悪鬼とを見る事 7 謎は深まるばかり 8 副院長は働き者 9 天草の水主 10 新米医者奮闘す 11 エーハブ船長がマストに打ちつけたのは金貨だったか銀貨だったか 12 めまいのする散歩 13 疑問と考察 14 もちろん、女さ! 15 混乱 16 『ベートーベン・フリーズ』 【第二部】 1 大幽霊烏賊
使降が担当する元漁師の老鼠忠介は、クジラとの壮絶な格闘の果てに仲間内で語り継がれてきた「幽霊烏賊」と遭遇した。そして入院後も付きまとうその幻影を封じ込めてくれたのは「先生」と呼ばれた患者だという。理性を超越した患者たちの奇妙な振る舞いが意味するものは? 『脳男』の著者、渾身の衝撃作。 2 精神科医として診察する 3 体温計紛失事件の顛末 4 幕間喜劇 5 王様はなぜ花嫁の首をはねたか 6 「野球は害毒である」 7 面鏡との対話 8 誘惑 9 草をむしる日々 10 時間感覚についての余談 11 論理明快 12 「黙狂」の正体がついに明かされる 13 攫われた「黙狂」 14 胡柳先生の告白 15 終焉に向かって 16 小田原看護長との対決 17 青天の霹靂 18 「現世ではくもれる鏡に映すがごときなるも、時いたらば面をあらわさん」
頻発する江戸の怪異に決死の覚悟で立ち向かう半四郎に最大の危機が訪れる。将来を嘱望された孫を半四郎に再起不能の身とされた大婆。家は没落し大婆の怨みが爆発する。日本を覆い始めた妖異が大婆に入り込み炎の化身となった。火の玉は半四郎の故郷を焼き払い、半四郎を標的に江戸へ向かう。
和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。 執筆を終えて 関連地図 奇傑外相 投げられた手袋 同床異夢 運命の御前会議 近衛と東条 白紙還元の御諚 開戦前夜の苦悶 開戦前夜の外交 開戦前夜の民衆 山本五十六の眼 開戦前夜の海軍 十二月八日の前後 開戦の日の表情 マレー沖の火柱 シンガポール攻撃 山下奉文の面目 シンガポール決戦 勝利の虎 太平洋戦争関係年表(1)
日本の運命は三人の軍司令官に託された。マレー強行作戦陣頭指揮の山下奉文中将、比島の本間雅晴中将、蘭印の今村均中将。緒戦の勝利を踏まえ東条英機首相は、占領地域を固める方針だったが、山本五十六連合艦隊司令長官は猛反対。「如何に時を藉さずに敵を捕捉撃滅するか」に集中せよとミッドウェーに出撃する。 関連地図 フィリピン進攻作戦 比島緒戦の大悲劇 バターン死の行進 コレヒドールの勝利 蘭領印度の攻略戦 蘭印に皇軍あり ジャワ軍政の成功 日本陸軍の解剖 ミッドウェー海戦(一) ミッドウェー海戦(二) ミッドウェー海戦(三) ミッドウェー海戦(四) ガダルカナルの死闘(一) ガダルカナルの死闘(二) ガダルカナルの死闘(三) ガダルカナルの死闘(四) ガダルカナルの死闘(五) ガダルカナルの死闘(六) 太平洋戦争関係年表(2)
活路をニューギニアに求めて大軍を上陸させた日本軍だが、米軍の反撃は圧倒的な物量とともに予想をはるかに上回る速さだった。増援の一兵も送れず炎熱と飢餓のなかで軍は壊滅。ビルマではインパール作戦の火蓋が切られたが、思わぬ作戦齟齬の罠が待ちかまえていた。鬼神も哭かしむる壮烈な戦いの果ては。 関連地図 ニューギニアの鬼哭(一) ニューギニアの鬼哭(二) ニューギニアの鬼哭(三) ニューギニアの鬼哭(四) ニューギニアの鬼哭(五) ニューギニアの鬼哭(六) 安達第十八軍の悲劇(一) 安達第十八軍の悲劇(二) ビルマ戦線の鬼たち(一) ビルマ戦線の鬼たち(二) ビルマ戦線の鬼たち(三) ビルマ戦線の鬼たち(四) ビルマ戦線の鬼たち(五) ビルマ戦線の鬼たち(六) ビルマ戦線の鬼たち(七) ビルマ戦線の鬼たち(八) ビルマ戦線の鬼たち(九) 太平洋戦争関係年表(3)