2016年11月発売
売るものは「恋人との最後の時間」-女子高校生・夜見川麻耶は、死を求める客に、二人きりの最後のひとときと、望む形での死を与える日々を送っていた。自身の抱えた傷を隠しながら死にゆく者たちへ愛を振りまく麻耶は、同じく大きな宿業を負った青年と、運命的な出会いを果たす…
粛清者の捨て身の浸透攻撃により、リヒトル中将をはじめとする艦隊司令部を失った太陽系防衛艦隊は、スション少将を総司令官代行とし、必死で敵の波状攻撃を撃退する。だが、それをあざ笑うかのように、新たなる敵が転移してきた。その総数、なんと三万二千隻!しかもそれと同時に、千二百五十発もの恒星反応弾が、いっせいに太陽めがけて発射されたのだ!果たして、太陽系を守りきることはできるのか…第1部、堂々完結!
彼女の名はブライド。漆黒の肌に白い衣装をまとうたぐいまれな美女。仕事でも才覚を評価され、まったく不満のない恋人がいる。しかしその完璧な生活は、昔の知人と再会した日から静かに崩れはじめた。突然去った恋人を追って車を走らせた彼女が、思いもよらない旅の果てに出会うものとは?ノーベル賞作家が初めて現代を舞台として描いた傷を抱えた子供と大人たちの物語。
不思議の国へようこそ!ファンタジーゆかりの地を歩き、作品誕生の歴史を探る!今も愛される物語の魅力とは?映画、ドラマ。映像の中の作品舞台も紹介!神話、伝統。幽霊、魔女、魔法使い。妖精、そして愉快な動物たち。胸踊る、時空を超えた英国ファンタジーの世界。
拉致された九条文女の行方は杳として知れず、焦る総兵衛は意を決し、江戸城への潜入を試みる。また、北郷陰吉らの探索によって、異国の仮面兵と老中牧野忠精の関係が見えてきた。文女救出劇は老中牧野との闘争へと変わり、仮面兵との全面対決に発展。ついにイマサカ号とマードレ・デ・デウス号が駿河湾で激突する。敵船甲板上、女首領が構えた銃口は総兵衛一人に狙いを定めていた。
若だんなの許嫁が、ついに決まる!?幼なじみの栄吉の恋に、長崎屋の危機…騒動を経て次第に将来を意識しはじめる若だんな。そんな中、仁吉と佐助は、若だんなの嫁取りを心配した祖母のおぎん様から重大な決断を迫られる。千年以上生きる妖に比べ、人の寿命は短い。ずっと一緒にいるために皆が出した結論は。謎解きもたっぷり、一太郎と妖たちの新たな未来が開けるシリーズ第13弾。
千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが…詩歌の“生”とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。
殺人の容疑をかけられた大学生の脇坂竜実。彼のアリバイを証明できる唯一の人物ー正体不明の美人スノーボーダーを捜しに、竜実は日本屈指のスキー場に向かった。それを追うのは「本庁より先に捕らえろ」と命じられた所轄の刑事・小杉。村の人々も巻き込み、広大なゲレンデを舞台に予測不能のチェイスが始まる!どんでん返し連続の痛快ノンストップ・サスペンス。
父が社長を務める高田総合地所に勤務する高田優は、幼いころから成績優秀な兄・隆一ばかりを寵愛し、自分には無関心な父親の愛情に飢えていた。ある日、優は会社の創立50周年記念パーティーで、矢作梓という女性にシャンパンをかけてしまう。そして後日、偶然にも梓とともに社内の一大プロジェクトチームに選ばれた優は、仕事や思いもよらぬ出来事を通し、次第に彼女に恋愛感情を抱きはじめる。しかし、皮肉にも梓は、隆一の恋人で…。
神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘ー折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。奉太郎、える、里志、摩耶花ー“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!
十七歳の日登志は死のうと決めた。だが、まさかのひったくりに遭い、練炭と遺書入りの鞄を盗まれてしまう。計画の立て直しを図るなか、以前から目をつけられていた岸塚に呼び出される。彼は、恋人の睦美がいなくなったため、捜す手伝いをしろと命令してきた。栃木の実家に帰ってきた瑠梨は、高校時代からの友人・神山からの不審な電話を受け宇都宮駅に向かう。瑠梨がそこで見つけたのは、ビルから飛び降りたのか血を流し倒れている神山の姿。ほぼ意識不明ながら彼が瑠梨に差し出してきたのはー「遺書」だった。どんでん返しの切ない青春ミステリー。
小倉ひかりは、父について知りたい、もしかしたらどこかで再会できるかもしれないという思いから、父が勤めていた“株式会社ツブラヤ絞”に転職した。ひかりの父・安太郎は、天才的なヘラ絞り職人だった。ヘラ絞りに夢中になったひかりはめざましい上達を遂げ、数年後にはテレビに出演。さらには、宇宙の謎の解明につながる最先端プロジェクトへの参加の依頼までが舞い込んだー。父親との再会は果たせるのか?思いもよらない衝撃の真実が、ひかりを待ち受ける!
河川敷で猫と暮らす柳さんは、ある日町で「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見た。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が…。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
医科大学の脳外科臨床講義。第一回目だというのに、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由を考えてみろというのだ。学生たちは推論を重ねていくが一向に正解にたどり着けない。しかし、西丸という学生ただ一人が、その意外な真相を導き出すー。選考委員が絶賛した第十一回ミステリーズ!新人賞受賞作「消えた脳病変」ほか、臨床医師として活躍するその後の西丸の姿を描いた四編を収めた連作ミステリ集。現役医師が贈る、“臨床探偵”西丸豊の静かな推理。
3000冊の本を載せて種川市を走る移動図書館、愛称めぐりん。乗り込むのは、65歳の新人運転手テルさんと図書館司書のウメちゃんだ。2人と1台を待ち受けるのは利用者とふしぎな謎の数々で?!本でつながる想いをのせて、移動図書館は今日も走る!