2016年12月発売
「忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない」 新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在が全てだった行助の物語。 『羊と鋼の森』と対をなす、著者の原点にして本屋大賞受賞第一作。 〈著者プロフィール〉 宮下奈都(みやした・なつ) 一九六七年福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒。二〇〇四年、「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選、デビュー。〇七年に発表された長編『スコーレNo.4』が絶賛される。一五年に刊行された『羊と鋼の森』が本屋大賞、キノベス第一位、ブランチブックアワード大賞の三冠を受賞。その他の著書に『遠くの声に耳を澄ませて』『よろこびの歌』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』『ふたつのしるし』『誰かが足りない』『たった、それだけ』など。 ◯著者の言葉 「静かな雨」は、人の可能性について書きたかったのだと思う。少なくとも自分ではそのつもりだった。でも、どうだろう。可能性の話というよりは、可能性をなくしていく話だったかもしれない。人はどんなふうに生きることができるか。その選択肢をなくした先にたどり着く場所について。 (中略) とりわけ、『羊と鋼の森』にはまっすぐにつながっていた。まったく違う物語なのに、根っこがしっかりとつながっていた。 読み返して一番感情を揺さぶられたのは、作者本人だったと思う。 (月刊文藝春秋1月号より)
クラスカースト最下位に位置する高校生、霧島蘭。ある日、彼のクラスはまるごと異世界へと転移されてしまう。召喚した国王は彼らに、勇者として魔王を倒すこと、生徒一人ずつに戦うためのスキルを持たせたことを告げた。肝心の蘭のスキルは、なんと「眷属調教(ルナティック・セクシャル)」。文字通り、女を奴隷化できる特殊スキルだった!クラスメイトから浴びせられる忌避の目。誰も味方になってくれない状況に蘭は耐えかねて、自ら王宮を後にする。落胆する蘭は、このスキルを利用し、自分の欲望の赴くまま、クラスメイトに復讐することを誓うのだった。しかし、実際にスキルを使ってみると、クラスメイトたちとイチャイチャできるハーレム状態となってしまい…特殊スキルでハーレムを目指す、異世界ハブられファンタジー。
待望の最新作は冬に贈る怪談語り、変わり百物語。 鬼は人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから。不思議な話に心がふるえ、身が浄められる。 江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん"のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語りだす。 「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの客の身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて心ゆれる出来事が…… 第一話 迷いの旅籠 第二話 食客ひだる神 第三話 三鬼 第四話 おくらさま
故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部 斑鳩への単独行 ハーレーに乗る男 大和から河内への旅 ホールの楽屋口で 若いマネージャー 北へ帰る日 出立前夜 イッツ・ア・ロングウェイ 運命の大きな手 シベリアの荒野 ハバロフスクの街角 華麗なるパーティー スミルノフ将軍の招待 (下巻) 両国共同の秘密事業 ミスターXの家で 日本人の知らない場所 遺された手記 危機せまる 兵士たちの影 アムール一族の村 筑豊を遠くはなれて 旅立ちの準備
銀河一の診断医にして、最悪のお尋ね者、マイロン。「病こそが唯一にして最大の友」と豪語する彼は、今日も強引かつ独善的な手段で患者を診断し、宇宙に騒乱の種をばらまいていくーー。
超個性的な冥府十王たちからの課題も、翻弄されつつすべて達成した后。最凶弟・言VS執着系側近・晴明の次期天后争いもひと段落してほっと一息…なのだが、晴明を天后指名したり、とんでもない修行を課してくる、歴代最強といわれる現闇皇ー父の意図がわからない。后が闇皇になるために、父が考えていることとは??そして、弟・側近・式神たちとともに后が目指すべき未来とはー!?地獄編、クライマックス!!
宮下紫緒は彼を見て思い出した。容姿端麗・頭脳明晰ながら、孤独を抱える篠宮斎ー最愛・神推しキャラの斎さまだ!!乙女ゲームに転生したと気づいた紫緒は、ヒロインとの恋を成就させて斎を幸せにするべく大奔走!だが待ち望んだ出会いイベントで、ヒロインには“彼女”と誤解され、なぜか怒っている斎には“暴挙”をかまされて…!?
妹ばかり可愛がられ、自尊心が低く育った高校生の朱音。そんなある日、五王財閥の御曹司・匠と出会い彼女の世界は一変!!一番大切にしていた絵本が縁で、毎日電話をする仲に!「私でいいの?」「俺は朱音がいい。って悪い、気安く触るべきじゃなかった」「いいの、だって匠君…おばあちゃんみたい!」「へ?」ハイスペック御曹司の愛は、自尊心0少女に届くの…か?
人殺しでムショ帰りの健一は、一攫千金を夢見て闇金の取り立てを請け負うものの、報酬はごく僅か。ヤクザの借金を踏み倒し春を売る子持ちのデリヘル嬢・早紀子の体に溺れ、三人で愛の巣を築こうと強盗事件の強奪金・五千万円をくすねて北へ逃げる。愛と家族に飢えた男が藻掻く、究極、非情のバイオレンス!
故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部 斑鳩への単独行 ハーレーに乗る男 大和から河内への旅 ホールの楽屋口で 若いマネージャー 北へ帰る日 出立前夜 イッツ・ア・ロングウェイ 運命の大きな手 シベリアの荒野 ハバロフスクの街角 華麗なるパーティー スミルノフ将軍の招待 両国共同の秘密事業 ミスターXの家で 日本人の知らない場所 遺された手記 危機せまる 兵士たちの影 アムール一族の村 筑豊を遠くはなれて 旅立ちの準備 解説 山内亮史(旭川大学学長)
球界のスター・浪岡龍一の八百長疑惑を追う刑事の半澤は、かつて甲子園の決勝で目にした投球への違和感を、今も燻らせていた。一方、執拗な取材を続ける記者・四之宮は、遂に浪岡を追い詰めるのだが。貧しい漁村からのし上がった不世出の投手は、黒か白か?衝撃のラストに息をのむ、圧巻のミステリー!
探し物が得意なアズサは夏休みに帰郷し、元バイト先を訪れる。この世とあの世をつなぐ登天郵便局では、死者が成仏せずに消える事件が頻発!彼らは生前“罪を洗い流す温泉”を訪れていた。懐かしい同僚たちから頼まれたアズサは温泉の在り処を探すが…。大ヒット『幻想郵便局』の続編を文庫書下ろしで!
二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。 ー堂ーシリーズは、今では通常の名探偵シリーズにはない展開をみせている。 ーー円堂都司昭(文芸・音楽評論家 解説より) 館と天才たちと奇行の探偵、再び。第二弾開幕! 二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。 第I章 湖畔へ 第II章 犯人は僕だ 第III章 犯人は彼か 第IV章 犯人は誰だ 第V章 犯人は君だ 第VI章 湖畔で 文庫版あとがき