2016年2月26日発売
高校デビューに失敗した中札内雲英。ひとりぼっち脱出のため声をかけたのは、同じくクラスで浮いている男子だった。放課後、彼がいる“幽霊部”へ訪れるとこれまで見えていなかったモノたちが見えるようになってしまってー!?
交際していた男性のプロポーズを、私、ミナ=アリス・原田は「父を置いていけない」という理由で拒絶した。私が五歳のときに死んだことになっている父、原田詩也は、不老不死の吸血鬼だ。母と出会い、恋に落ち…けれど母は、父のそばにはいられなかった。だから私が、ずっとそばにいる。そのために私はある決意をした。父を置いていった母に、負けたくなかったー。運命と別離、超克、そして永遠の恋。娘の視点から綴られる、ある吸血鬼の過去と現在の物語。
新たな仲間を従え、快進撃を続けるノエル隊。神出鬼没、逆らう者は全て煉獄に叩き落とすとノエルの評判は戦場に知れ渡っていた。しかし、戦況は一筋縄ではいかない。敵・味方それぞれの思惑が入り乱れ、一寸先には闇が待つ。それでも戦い抜くことこそが幸せへの近道だと信じて疑わないノエルは災厄をはねのけるように、戦場を駆けぬける。
震災のため原発4基がすべて爆発した!警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!
天涯孤独の身の上で、波乱の人生を歩んできたお藤。縁あって任された口入屋を立て直すために商いを一新。常識はずれの勝負は、やがて江戸を揺るがす事態に…。人が持つ力を信じ、自らの道を信じ、人生を切り拓く姿が胸を打つ感動の長編時代小説。
十代の終わりに、ストーカーと化した元恋人に刺された過去を持つカナ。29歳のいま、裕福な年上の夫と幼い息子、仕事での充足も手にし、満たされた日々を送っていた。そこに、アメリカから姉一家が帰国。未成年の甥から、烈しい思いを寄せられる。危うさを秘めた甥との破滅的な関係は、彼らと、彼らを取り巻く人々をどこに運ぶのか。-空虚への抗いと、その果てにある一筋の希望を描く渾身の長篇小説。
安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。ある事件が起こるまではー。平和とは何か。愚かなのは誰か。大衆社会の本質を衝いた、寓話的「警世の書」。
一流私大の法学部に在籍する田嶋春は、曲がったことが大嫌いで、ルールを守らない人間のことは許せない。そのうえ空気も、まったく読まず、もちろん、学内に友達はひとりもいない。嫌われているともいえるし、避けられているともいえるしー。だけど、彼女はすごいんです。まったくめげない!ゴーイングマイウェイ!恋にサークル、観覧車ー大学生活の断片で芽生えた謎の答えは、どれも清冽で切なくてー田嶋春が贈る青春ミステリは、癖になること間違いなし!
舞台は1991年夏、猛暑のニューヨーク。亡命ロシア人で画家のアーリクの重病の床に集まる五人の女たちと友人たち。妻として、元恋人として、愛人として、友だちとして、彼らはアーリクとともに歩んだ、喜びと悲しみに満ち、決して平坦ではなかった人生の道のりを追想する。ウォッカを飲み、テレビで報道される祖国のクーデターの様子を観ながら。そして、皆に渡されたアーリクの最期の贈り物が、生きることに疲れた皆の虚無感を埋めていく…。不思議な祝祭感と幸福感に包まれる中篇小説。