2016年2月発売
かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく……。野間文芸賞受賞作。 年老いて目が離せなくなった猫たちとともにある暮らしに、 友がやって来て小説やマンガについて語り合い、 音楽を聴き、思いは時空を超えていく……。 私たちの生(リアル)のすべてがここにある! *内容紹介* かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく……。野間文芸賞受賞作。 「小説の作者とは、書き手でも、読み手でもない、小説自身こそが真の作者なのではないか? そんな捨て台詞でも吐いてやりたくなるほどに、『未明の闘争』は汲み尽くせない。私など足元にも及ばない、作者である保坂和志も見上げる遥かな高みに、ただ『未明の闘争』という小説だけがそびえ立っている。」 ーー磯崎憲一郎「解説」より 小説の概念をはるかに凌駕する傑作長編
毎年、ドラフトで隠し球を指名するのが『堂神マジック』だ。その怪物スカウトに見習いとしてついた純哉は、次々出される不可解な指示に翻弄される。競合球団を出し抜き、幻手を寝返らせるための想像を絶する手練手管。奪い合いと騙し合い、壮絶な駆け引きに満ちた世界を描いた白熱のエンターテインメント! First Round 1年目 Second Round 2年目 Third Round 3年目 Fourth Round 4年目
小生意気だが天才的ひらめきを持つ文科省・不正研究調査チームの水鏡瑞希。ノーベル賞級の論文を科学誌に掲載した研究班リーダーの如月智美は瑞希の幼なじみだった。勃発する実験ノート窃盗と捏造疑惑。智美に降りかかる災いの真相とは?官僚を押しのけ霞が関を揺るがすヒラ職員の下克上ミステリ。
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄” の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗。麻薬密売容疑で逮捕された老人が隠す真犯人。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』を凌駕する第2短篇集、ついに文庫化!
バカリズムが連続ドラマとしては初めて脚本を執筆した「素敵な選TAXI」(関西テレビ・フジテレビ系)。市川森一脚本賞奨励賞を受賞するなど高い評価を受け話題となった脚本を自らが小説化!張りめぐらされた伏線や軽妙な会話などが映像とは一味違った面白さで蘇る。
曽祖父母や増永一期生の人々が眼鏡枠作りに取り組む中で抱えていた思いや悩みは、今の私達と共通したものであり、とても励まされました。 --増永眼鏡株式会社 増永宗大郎 めがねで世界を変えた、兄弟の魂の物語。日本のものづくりの真髄が、ここに。 明治三十八年、福井県麻生津村。増永五左衛門は、この地に農業以外の産業を根づかせるべく苦闘していた。そんな時、大阪へ出稼ぎに出ていた弟の幸八が、 当時はほとんど普及していなかっためがねに着目、村でのめがね製造を提案する。村人たちの猛反対の中、輝く地平を求めて、二人は困難な道を歩み始めるのだったーー。「トライアウト」「手のひらの音符」などで注目を集める作家・藤岡陽子の新たなる代表作の誕生!
「女性が輝く社会」なんて、きれいごとのお題目。 男女雇用機会均等法が制定されてから30年も経つのに、ちっとも生きやすくならない世の中で、すり減り疲れ切った女たちが、ある出会いを縁に、ランニングの楽しさ、他人(ひと)を応援することの素晴らしさを知り、人生に立ち向かうエネルギーをつかんでいく。2016年、最も元気が出る小説。読めば、あなたもきっと走りたくなる。そして、大声で応援したくなる。 理不尽な理由で職を失ったアラフィフの独身女。この典型的な『負け犬』が、ほとんど運動経験もないのにフルマラソンに挑戦することに!? それは、一通のメールがきっかけだった。 友人に誘われて沿道に立った東京マラソンの応援。友人の綿密なタイムスケジュールに引きずられ、轟音のような声援に圧倒されるうちに、すっかり応援とマラソンのとりこになっていた。その夜、魅入られるように、フランスワインの本場・ボルドーで開催される「メドック・フルマラソン」にエントリーしてしまう。 同じころ、元同僚の何人かも偶然、ランニングに触れる機会をえて、その楽しさに魅せられていく。 きっかけを作ってくれた友人があんなに懸命に応援する理由を知り、女たちは、がんばっている人に寄り添い、応援すること、応援されることの素晴らしさを知り、新たな人生を切り拓いていく。 2016年、最も元気が出る小説。読めば、あなたもきっと走りたくなる。そして、大声で応援したくなる。 第一章 「がんばれ!」は人のためならず 第二章 寿退社の傷 第三章 人寄せパンダのプライド 第四章 崖っぷち女の42.195キロ 第五章 負け犬からのエール
同い年の妻が事故で死んだ。それから3ヵ月、心が動かない。北野は亡き妻の鍵のかかった携帯電話に、4ケタの数字を順番に打ち込むだけの毎日を過ごしていた。ついにロックの解けた携帯には、妻の秘密が残されていた。4年間を一緒に過ごした女性のことを、僕は何も知らなかったのかもしれないー北野俊英、33歳。喪ってから始まる、妻の姿を追いかける旅。
貧困のどん底から、顔に深い傷跡を持つ男キムラに救われた絢野クチルは、政治家を目指して大学に通い、夜は「ピロウボーイ」として女たちと関係を持つ。「シェイクスピアを読む女」「バッハしか愛せない女」「ドヌーヴに似た女」「リキテンスタインを待つ女」女たちはみな問題を抱えているが、クチルとの関わりのなかで立ち直っていく。一方、クチルの部屋には、謎の同級生知紅が押しかけて居候となり、クチルの帰りを待っている。
不朽の古典『見聞記』に楽園と謳われた島の架空の港町。新町長の下、観光資源の美麗な蝶と花畑を護るため、海鳥を毒矢で殺す鳥打ちの職に、三人の青年が就いていた。しかし島の経済が陰りを見せるにつれ、鳥打ちの一人、天野は自らの為す仕事に疑念を抱く。問うてはいけない問いは、やがて町をあげての大騒動に発展してー三人の青年の自由を巡る圧倒的小説。
死ね、死ね、マイ・ダーリン、死ね。死と暴力、初恋と悪夢、身勝手な殺人、抑圧された記憶…ノーベル文学賞有力候補にして、アメリカ・ゴシック・サスペンスの女王、ジョイス・キャロル・オーツによる、怪しいたくらみに満ちた自選中篇小説集。
大阪のロッカー屋から、竹花に荷物が届く。開封してみても、ごみのようなものが入っているだけ。あいりん地区で行き倒れた男が、差出人に託したものだった。そして、ある女優から、竹花に届いた荷物が彼女の父親のものだと伝えてきた人を捜してほしいという依頼が舞い込む。大阪の探偵・明珍太郎の協力を得て、竹花は調査を続けるが、依頼人の女優はやがて何者かの手にかかりー。東京と大阪を舞台に、過去から現在にわたって巻き起こった事件の数々。その背後にあったものとは?
地方に暮らす仲良し五人組は高校卒業と同時にそれぞれの道を歩んだ。大学受験に失敗し、ぶらぶらしながら孤独を感じていた三千花。大学卒業後にライターとなるが挫折して地元に帰ってきた志津。短大を出て母の言いなりで市役所に勤務した麻里奈。奔放な美人で社長と結婚した後も不倫の日々をブログに綴る理恵。20歳でできちゃった結婚をし、三人の子供を育てながらネット中毒となった法子。成人式の数日後、三千花が少年グループに拉致され、バラバラ死体で発見される。16年後、志津は「三千花に何が起こったのか」をテーマにルポを書こうと、口を閉ざしていた友人たちに取材する。そこには女たちの深い闇と絶望が渦巻いていた…。
祝言の前日に自殺を装ってまで姿を消した姉を追い、浅草にやってきた仙太郎は、六区を牛耳っているという男子禁制の少女ギャング団・紅紐団の団長・操につかまってしまう。姉を捜すため、特例での入団を志願する仙太郎に、操は厳しい入団試験を果したー。話題作連発の実力派が放つ、傑作エンターテインメント長編!
元刑事で、しがない軽食喫茶店のマスター・井出亮二。同居人は迷い込んできた黒猫一匹。私立探偵よろしく「家族」がらみの事件を立て続けに追うことにー。運命の不思議、ままならない人生を描く、長編ミステリー!
全国中学校駅伝大会ー中学3年生の庄野瑞希は大会記録を更新する走りでチームを逆転優勝に導く。しかし、周囲の期待に押し潰され、走る意味を見失った瑞希は、陸上をやめるつもりでいた。一方、福岡・門司港で、倉本歩はテレビの中の瑞希の美しく力強い走りに魅せられる。「あの子のように走りたい」その一心で新進気鋭の港ケ丘高校陸上部に入部するが、部員は歩よりはるかに速い選手ばかりでー。二人の奇跡的な出会いが、新たな風を紡ぎだす!スポーツ小説を多く手掛けてきた著者が少女たちの葛藤と成長を描く、胸を熱くさせる青春小説!
長野県の宗教団体施設が燃え、不審な遺体が多数発見された。同じ頃、静岡県山中で見つかった老婆の遺体は、光を放つ虫の大群に覆われ、流れ出す血液は黄に変色していた。周囲には何故か讃美歌が響き、虫は列をなし銀河鉄道のように夜空へと…。異様な事態に、警察は法医昆虫学者の御堂玲子に調査を依頼。また、妹を虫に喰い殺された大学生の天崎悟は感染ルートを探る。増える犠牲者。虫の正体は?治療方法は?第19回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。
著者初の書き下ろし自伝「勤労」小説。大学生時代、3カ月の会社員生活、原稿用紙に鉛筆と喫茶店、バーの日々。あのころのジャズ・歌謡曲・ロックと、作家以前の「僕」の物語がいっぱい。登場する121枚のレコードジャケットをオールカラーで収録。
愛する人を救えなければ、強制的に過去に戻され、その度に親友や家族が一人ずつ消えていく。自らがタイムリーパーであることを自覚した綜士は、失敗が許されない過酷なルールの下、『時計部』の先輩・草薙千歳と、不思議な同級生・鈴鹿雛美と共に、理不尽なこの現象を止めるため奔走を始める。三人が辿り着いた哀しい結末とは!? 新時代のタイムリープ・ミステリ、待望の第二幕! 第六話 いつか誰かにこの声が 第七話 生まれた意味を知るような 第八話 君に赦されたいと願えずに 第九話 今はもういない友達を 第十話 この雨さえ痛くもないなら あとがき
老舗ホテル内の厨房で、カリスマシェフの変死体が発見された。警視庁の刑事・佐倉綾香は事件の真相を追いかけるが、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。迷宮入りかと思われた難事件を解決に導いたのはーー現場に残された“殺意の匂い”を嗅ぎ分ける、トイプードルの警察犬・メグレだった!メグレと行動を共にする警察犬訓練士・早乙女俊介は、連続する不審死事件に巻き込まれていく。 老舗ホテル内の厨房で、カリスマシェフの変死体が発見された。警視庁の刑事・佐倉綾香は事件の真相を追いかけるが、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。 迷宮入りかと思われた難事件を解決に導いたのはーー現場に残された“殺意の匂い”を嗅ぎ分ける、トイプードルの警察犬・メグレだった! メグレと行動を共にする警察犬訓練士・早乙女俊介は、連続する不審死事件に巻き込まれていく。 プロローグ 第一章 第二章 エピローグ