2016年3月15日発売
迎え猫 古道具屋 皆塵堂迎え猫 古道具屋 皆塵堂
首吊り、変死、夜逃げのあった家からでも平気で曰く品を仕入れる皆塵堂に、このところ怪異騒動のたびに増えているのが、雉虎、黒猫…現場に残された子猫たち。幽霊は見えるが猫が苦手な太一郎は凍りつくが、魚屋のくせに大の猫好きの巳之助は、厳つい顔がにんまり。長屋で猫と暮らす野望の実現、なるか!?
月をくれた伯爵月をくれた伯爵
17歳の牧師の娘ヴィクトリアは、ある日、村で美しい青年に微笑みかけられ、ひと目で恋に落ちた。彼の名はロバート。領主の息子で爵位を持つ彼は信じられないことにヴィクトリアに愛を囁き、結婚を約束するーだがふたりの恋は身分違い。駆け落ちの夜に彼女は父親に閉じこめられ、翌日、真実を知らされた。ロバートは彼女と結婚する気など毛頭なく、ロンドンへ発ったと。打ちのめされたヴィクトリアは家を出て家庭教師となり、辛いながらも平穏な生活を手に入れた。7年後ロバートが屋敷の客として現れ、彼女を睨みつけるまでは。
公爵と見る十日間の夢公爵と見る十日間の夢
エディーは社交界で、“夫に捨てられた公爵夫人”と噂されている。それもそのはず、夫マルグレープ公爵は結婚後すぐに異国に行き、5年もの間それっきり。そもそも美しさとは縁遠いエディーが見目麗しい公爵と結婚できたのは、彼女が裕福な家の出で、一方の公爵は高貴な血筋ながら多額の借金を抱えていたからなのだ。だが、愛なき結婚であろうと、社交界で陰口を叩かれようと、エディーは一人きりの生活に満足していた。そんなある日、突然公爵が英国に戻ってきた。戸惑うエディーに彼は、跡継ぎが欲しくなったのだと言い出し…。