2016年3月発売
雪まだ深い春休み。大学生の森司は、来たるホワイトデイのことで気もそぞろ。とはいえ通常とは逆で、片想いのこよみからの、バレンタインのお返しについて。そんな森司に関係なく、オカ研には依頼が。SNSのオフ会に現れる、心中を強要する霊。恐怖の市松人形、はたまた友人の事故物件めぐりと、恐怖の波状攻撃に戦き、成人式を迎えたこよみの振袖姿にときめき…。新たな仲間も登場で加速する、青春オカルトミステリ第9弾!
殺しのお宮入りは許すな!警視庁捜査一課に異動し、特命捜査対策室7係の班長代理となった北郷の任務は、15年間未解決の女子大生殺人事件の捜査。班に集まったアクは強いが捜査の腕は確かな刑事たちと競うように捜査を進め、見落とされてきた被害者の男女関係をたどる中、犯行動機を持つ新たな容疑者が浮かび上がる。だが、彼にはアリバイがあった。犯罪の決定的証拠は見つかるのか?実力派作家による本格派警察小説。
牡丹こと天草四郎にさらわれた舞を救うため、大剣を背負った大男・万源九郎は飛騨へ向かっていた。時を同じくして、天空より、三種の神器=オリハルコンを求めて異星のものたちが現れ、各地で人の身体を乗っ取り始めていた。やがて宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生十兵衛ら剣豪や、真田忍群と伊賀の土蜘蛛衆までもが天の命運をめぐる凄絶な争いに巻き込まれてゆく。はたして源九郎は、女と地球を守り抜くことができるのか!?
両親と離れて暮らす高校生の佳乃は、豆柴のカンタと、座敷わらしの暁星と同居中。最初は戸惑ったけれど、今では食いしん坊で癒し系な暁星との暮らしを大切に思っている。受験が近づき、緊張感も漂い始めたある日、佳乃は街で、不穏な気配をまとう同学年の宮崎と出会う。肩に妖鳥を乗せ、百鬼夜行を連れ歩く宮崎。しかし彼と対峙した暁星が記憶を失って…。暁星が消える?その時佳乃は…。少し怖くて心ぬくもる青春小説。
名探偵・明智小五郎が初登場した記念すべき表題作を始め、ミステリ要素を多く含んだ作品をセレクト。自らも数々の推理小説を書き、多くの推理作家の才をも発掘してきた巨人の傑作選をぜひご堪能あれ。
失恋した15歳の誕生日、ひろみは目が覚めたらアラビアンナイトの世界に飛び込んでいた!偶然出会った青年ハールーンにジャニと名付けられ2人は都を目指す。道中、次々と現れる追手たち。ハールーンは王宮から逃げ出した王太子だった。絶世の奴隷美少女、空飛ぶ木馬、魔法で鳩に変えられたジャニ。砂漠の行者が語る「王国のかぎ」とは?ファン待望大人気作家の初期作品が、書き下ろし短編とあとがきを収録して新たに登場!
「わすれたほうがいいことも、この世には、あるのだ」無名の温泉地を求める旅本作家の和泉蝋庵。荷物持ちとして旅に同行する耳彦は、蝋庵の悪癖ともいえる迷い癖のせいで常に災厄に見舞われている。幾度も輪廻を巡る少女や、湯煙のむこうに佇む死に別れた幼馴染み。そして“エムブリヲ”と呼ばれる哀しき胎児。出会いと別れを繰り返し、辿りついた先にあるものは、極楽かこの世の地獄か。哀しくも切ない道中記、ここに開幕。
当てもなく雑木林を歩き、道に迷えばそこに暮らす名も無き人々に尋ねる。独歩はこれに無上の幸福を感じた。人間の生活と自然の調和の美を詩情溢れる文体で描き出した随筆「武蔵野」。自然を愛し、同時にその厳しさと対峙し続けた作家の繊細な魅力を味わうことができる初期短編集。妻子を亡くした船頭と、母に捨てられた哀しき少年との奇妙な同居生活を描いたデビュー作「源叔父」ほか全18編を収録。
ニコラス・理人・リューディガーは金髪碧眼の美青年。見た目は異国の王子様だが、中身は傲岸不遜な“魔女の専門家”だ。旧友の臨床心理士・都月玲李を訪ねたリヒトは、レイがある殺人事件の捜査に関わっていると知る。被害者は占い師。犯人は、邪悪な魔女を殺したと話しているという。リヒトは専門家として、強引に協力を申し出るが!?現代の魔女の謎を解く、オカルト・ミステリ開幕!
長原あざみは樫乃木美術大学の1年生。立体造形科の所属だけれど、引っ込み思案な性格のせいで、いつもひとりぼっち。ある日学校へ来ると、同級生の橘が作ったアクリル造形が変形していた。犯人の疑いをかけられたあざみを救ってくれたのは、人好きのする雰囲気を持つ青年、梶谷七唯。同じ学科の研究生という彼は、真実を調べようと言いだして…。第1回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”受賞。日常の謎系青春ミステリ決定版。
寒さがしみる夜、熱い手打ちそばをすすっていた次郎吉と小袖のいる店に、旅装姿の若い男女が入ってきた。どうやらやくざ者に追われているらしい。咄嗟に二人を匿った次郎吉が事情を聞くと、娘はやくざの親分に手篭めにされ、同情した男が駆け落ち覚悟で連れ出したという。だが、男が勤めていた貸本屋が付け火で焼け落ちてしまう。二人の事情には何か裏があるのでは…。義理人情に篤い鼠小僧が、今宵も悪を盗み出す!
誰もが認める烏丸家の当主になるべく決意も新たに迎えた2回目の春。大学進学の準備を整えていた花穎に、忠実なる執事・衣更月から驚くべき相談がもたらされる。それは「通常業務から離れたい」というものだった。代理としてやってきたヴァズは、衣更月のバトラー養成学校の同期で穏やかな青年だった。ところがその夜、ヴァズが何者かに襲われる事件が発生し…!?半熟主従に新たな試練?新章突入の上流階級ミステリー!
妖怪嫌いなのになぜか「妖怪研究同好会」に所属中の皆人。変人美人のハル先輩に振り回されつつ初の文化祭の日を迎えるが、お祭り騒ぎの中、奇妙な事件が発生。生徒会長の倉吉から、実は文化祭の前に“犯行予告”めいたメールが届いており、その犯行を阻止してほしいと頼まれる。「水虎」「覚」など妖怪が絡んだ4つの事件を、皆人は解き明かすことができるのか。そしてその“犯人”の目的とは?切なさ残る、青春学園ミステリ第3弾!
高山竜司、二見馨という二人の男の人生を生きた記憶を持つ、予備校講師の柏田誠二は疑問を抱えていた。おれは何のためにこの世界にいるのか…。謎の病に伏した少女を介し受け取った暗号に導かれ、伊豆大島に渡った柏田は、『リング』という本に記された竜司の行動を追うことで、山村貞子の怨念の起源を知る。自らの使命を自覚する柏田だったが、時を越え転生した貞子の呪いに身体を蝕まれ…。新「リング」シリーズ第2章!
大阪府警を追われたかつてのマル暴担当刑事、堀内と伊達。競売専門の不動産会社で働く伊達に誘われ、東京で暇を持て余していた堀内は、大阪へと舞い戻る。再びコンビを組み、競売に出る巨大パチンコ店「ニューパルテノン」を調べるふたりは、利権をむさぼる悪党たちとシノギを削ることに。警察OB、ヤクザ、腐敗刑事を敵に回し、ふたりは大阪を駆け抜けるー。『破門』の直木賞作家による、警察ハードボイルドの最高峰。
関ヶ原の前哨戦、安濃津城の戦いにて、夫の身を案じ自ら敵中に入り槍をふるった女性がいた。富田信高の妻、苳姫の戦中での活躍を描いた表題作「いのち燃ゆ」。夫を殺した敵の正体についての手がかりを得るべく、吉原遊女として身を沈めた太夫・瀬川の決断を活描した「乱れ火」など、過酷な運命に翻弄されながらも、逞しく生きる女性を描いた時代小説短編集。文庫初収録となる3篇のほか、厳選した名作を所収。
華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に惓んでいた。アメリカ大使館主催の舞踏会で、ある人物を捜す顕子の前に現れたのはー(「舞踏会の夜」)。ドイツの映画撮影所、仮面舞踏会、疾走する特急車内。帝国陸軍内に極秘裏に設立された異能のスパイ組織“D機関”が世界で繰り広げる諜報戦。ロンドンでの密室殺人を舞台にした特別書き下ろし「パンドラ」収録。スパイ・ミステリの金字塔「ジョーカー・ゲーム」シリーズ!
時は元禄。一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じ老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。天稟の素質と言われた神陰流の達人である国包の下した決断はー。孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし時代小説!
名医を目指してはいるが、何をやっても続かない与之助は、枯田薄斎のもとに弟子入りして1年が過ぎた。患者に養生を勧めるだけで薬も出さず貧乏医を続ける薄斎に、与之助は溜息しか出ない。だが、薄斎はなぜか遠江の黒岩山藩からは御殿医として招聘され、藩主の病を治してしまった。直後、このことが発端で、2人は尾張と紀州の暗闘に巻き込まれ、忍びに狙われてしまう。果たして薄斎は本当にやぶ医か、それとも…?