2016年4月12日発売
なぜ、私たちは別れたのだろうー。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた由香。たまたま立ち寄ったカフェで、昔の恋人・拓と再会する。未来への不安、親や社会への反発、抑えきれない互いへの想い。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り…。三十年の歳月を経て、再び出会った男女の切なくも甘い恋愛小説。
視聴率低迷の番組を立て直すため、敏腕プロデューサー藤村は業界ナンバーワンのアイドルアナ仁和まなみを起用。知的なニュースキャスターへと転身をとげたい彼女は、権力欲にまみれ保身に走る男たちや、敵意むき出しの女たちによってやがてスキャンダルの渦に引きずり込まれる。女たちの嫉妬・執着・野心を描く、一気読み必至の極上エンタメ小説。
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ…。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは?国際金融情報小説の傑作!
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実はー。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
京都下鴨。老舗料亭「賀茂の家」の四姉妹には美しく悲しい秘密があった。不倫でしか男を愛せない長女、夫の性欲を憎む次女、姉を軽蔑する三女、父親の違う四女…。騙し合い、嫉み合い、薄氷の上で均衡を保つ四人の女。しかしー「お義兄さんやから、寝たんやで」。その一言が偽りの家族を破壊する。嘘をついているのは妹か、罠を仕掛けたのは姉なのか。
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の異常な美しさだけだった。舞台をフランクフルト、東京へと移し国際刑事警察機構の僕は独自に捜査を開始したー。
「“新宿”を平和都市にするだわさ、ぶう」傲慢尊大なでぶ、トップ情報屋外谷良子が“区長”に立候補。直後、“魔界医師”メフィストとともに、無断で推薦人にされた人捜し屋秋せつらを機械戦闘員が襲撃した。告示日に始まった戦いには、権力に固執する梶原現“区長”や、幻術師虹垣竜斎ら奇怪な候補者が乱立。悪辣な妨外や実弾が飛び交う中、“姿なき”人形師真郷長臨が本命に浮上する。やがて、せつらとメフィストは、選挙戦の陰で、“新宿”を呑み込まんとする暗淵に気づくが…。“清くなくても一票を”の、ぶうぶう“区長”選の行方は?
4Kテレビ市場の世界トップシェアを奪える次世代技術を、日本企業フロンテが開発ー凋落の続く韓国企業チムサンは、その最新技術の強奪を狙った。だが、盗み出したデータを、警備員吉岡に奪われてしまう。吉岡はそれをチムサンに切り捨てられた元技術者宮下に託そうとしていた。ここにデータを記録したSDカードを巡る、チムサンと宮下、そして産業スパイ活動の絶対阻止を掲げる警視庁公安部と外事課の争奪戦が勃発した。一方、赤羽中央署生活安全課の疋田務たちは、宮下の妻で韓国人のファジョンの妹ソンエを、売春容疑で追っていた。やがてふたつの事件は複雑に絡み合い、思わぬ展開を見せ始めた…。
野亜市役所職員の磯貝健吾は、突然の人事異動で廃園が噂される市立動物園の園長を命じられた。着任早々、飼育員たちから“腰掛けの素人園長”の烙印を押されて挫けそうになった彼を立ち直らせてくれたのは、一人娘が描いたゾウの絵だった。そこに描かれていたのは、健吾が子供の頃に見たゾウそのものだったのだ。それを見た磯貝は、存続に向けて園を立て直す決意を固め、まず動物園のことを知る努力を始める。やがて見えてきたのは動物たちが抱える様々な問題と、くせ者揃いの飼育員たちの熱く、一途な想いだった…。