2016年5月26日発売
『百年法』(第66回日本推理作家協会賞)から4年。新たに現代社会に問いかける衝撃の問題作にして、一気読み必至のエンターテインメント大作! 人工知能が実現しつつある現代に生きる全ての人に問うーー「あなたは、本当にあなたですか?」 近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達。大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。 大手代体メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の代体を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。そんな中、自身が担当した患者(代体を使用中)が行方不明になり、無残な姿で発見される。残される大きな謎と汚れた「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……。科学と欲が倫理を凌駕する世界で、葛藤にまみれた男と女の壮大な戦いが始まる!
「種明かしをするわけにはいかないので、ここではただ、この本を書いているあいだ、感じやすい(sensitiveである)とはどういうことかについてたくさん考えていた、とだけいっておきましょう」--エイミー・ベンダー 9歳の誕生日、母がはりきって作ってくれたレモンケーキを一切れ食べた瞬間、ローズは説明のつかない奇妙な味を感じた。不在、飢え、渦、空しさ。それは認めたくない母の感情、母の内側にあるもの。 以来、食べるとそれを作った人の感情がたちまち分かる能力を得たローズ。魔法のような、けれど恐ろしくもあるその才能を誰にも言うことなくーー中学生の兄ジョゼフとそのただ一人の友人、ジョージを除いてーーローズは成長してゆく。母の秘密に気づき、父の無関心さを知り、兄が世界から遠ざかってゆくような危うさを感じながら。 やがて兄の失踪をきっかけに、ローズは自分の忌々しい才能の秘密を知ることになる。家族を結び付ける、予想外の、世界が揺らいでしまうような秘密を。 生のひりつくような痛みと美しさを描く、愛と喪失と希望の物語。
回り道をしなければ、見えないことがある。仕事にも、人生にも。--未知の経験を求めて経営コンサルタントから転職した笹島彩夏は、社命を帯びて子会社に出向してきた乾紀実彦とともに、新しい営業補助システムの開発に携わる。しかし強烈な個性を持つ社長の岩佐が支配する子会社の中で、余所者の二人は周囲からの反発と見えない壁に翻弄されて……。「会社」という闇の中で、二人が見出したものとは? 回り道をしなければ、見えないことがある。仕事にも、人生にも。-- 未知の経験を求めて経営コンサルタントから転職した笹島彩夏は、社命を帯びて子会社に出向してきた乾紀実彦とともに、新しい営業補助システムの開発に携わる。しかし強烈な個性を持つ社長の岩佐が支配する子会社の中で、余所者の二人は周囲からの反発と見えない壁に翻弄されて……。「会社」という闇の中で、二人が見出したものとは? 読売賞作家が小説ならではのアプローチで現代の「仕事」の意味を問う傑作長篇小説。
ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散臭い男だった。あるとき彼はネットを介して顧客たちを連携させ、アゲハ・プロジェクトを始動する。「人間創りに参加してほしい。“不気味の谷”を越えたい」。当惑するヒッキーたちの疑心は、“Jellyfish”を名乗る謎の暗鬼を生み、やがて計画は世間を騒がす事件へと発展していく…。JJの目的は、金か、カウンセリングか、たんなるヒマ漬しか?そして、ジェリーフィッシュの正体とはー。
許嫁・お里の借金を返すため盗みに入り、所払にあった次郎吉。真人間に戻ろうと決意し四年ぶりに江戸に帰るも、職にはつけず、お里から祝言の予定を告げられる。相手は金儲けのためなら殺しも厭わない呉服屋の呉兵衛。生活に困窮し呉兵衛への恨みも募らせていた次郎吉は、町の仁医・七兵衛の裏稼業を手伝うことに。それをスキャンダル命の瓦版師・亀蔵に嗅ぎつけられ、さらに、お里の真の思惑も明らかになってきて…。
サンライズ、バンダイ、KADOKAWA、ホビージャパンの四社が贈る『コードギアス』シリーズ公式作品『コードギアス 双貌のオズO2』。 月刊ホビージャパンにて連載中の森田繁氏による小説作品「SIDE:オルフェウス」の単行本第2巻にてついに完結! 記憶を失くし仮面の騎士「ライアー」となっていた主人公オルフェウスが、自らの記憶を取り戻し復活。もつれあう運命の果て、二人のオズが迎える結末とは!? 表紙は千羽由利子&中田栄治描き下ろし!
松江藩のお種人参から雲州人参へー松江藩の薬用人参栽培の礎を築いた小村新蔵・茂重父子がモデルの歴史小説。栽培に情熱をかけた姿を家族愛とともに描く。石見銀山ー尾紅間歩ー石見銀山の間歩(坑道)を苦労の末、開発した尾紅孫右衛門。非業な最期を遂げる。石見銀山ー須佐高櫓城と銀山山吹城ー銀山争奪戦で焼け落ちる高櫓城。虎三郎の目に涙が止めどなく流れる。石見銀山ー釜屋間歩と大久保間歩ー銀の大鉱脈を掘り当てた山師安原伝兵衛と銀山奉行大久保長安の物語。
内気な青年ヤニスはアテネ旧市街の古びた書店に迷い込み、神秘的な女店主リオに出会う。めくるめく読書の愉しみ、本の構造の不思議、古典の断片ーふたりの会話が尽きることはない。しかし、それも束の間、リオはふいに消息を絶つ。彼女は本当はいったいだれなのだろう。手がかりを探すヤニスが辿り着いた世界とは?現実と虚構と謎を織り込み、読む者を不思議な読後感へと誘うエブリデイ・ファンタジー。