2016年7月15日発売
浅草寺裏手で商う仏壇仏具の浅深屋半兵衛は、じつは腕利きの淫具職人。武家の姫君から吉原の遊女、尼僧まで、あらゆる身分の女性がお得意様だ。そんな半兵衛に、大名の奥方から義妹の観月院を還俗させよとの密命が下る。その裏には、さる雄藩の醜聞が秘されていた。淫道の相方・美雪とともに半兵衛が奔る!
豪雪の町ボルトンに隠された複雑な歴史に、リーチャーと地元警察は翻弄される。大量の覚醒剤が密造された場所が特定できないまま、時間が過ぎる。メキシコから指令を送る密売組織の黒幕がボルトンへ向かい、リーチャーに無情のタイムリミットが迫る!シリーズ映画化で話題沸騰のアクション・サスペンス。
大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズとの対決は世間の注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!?リンツは憧れの探偵ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、仕掛けの意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化!
11歳の時、想いを寄せる年上の少年に犯され、沙織は性愛にわだかまりを持つようになる。17年後、モデルとして成功し婚約者と帰郷をした沙織は、その男、恭司と予期せぬ形で再会、攫われ監禁される。男の不思議な心遣い、物々しい拘束、沙織への行為は続いてゆく。二人の奇妙な生活、そして異形の愛の行き着く先は?
ナマコとコノワタを愛する作家の「私」は、新宿の居酒屋店主に誘われて、知床半島への旅に出る。そこで出会った漁師との縁で、「私」はその後、国際都市・香港でのナマコ取引現場に立ち会うことに。高級食材として需要が急増するナマコをめぐり、アヤシイ男たちが続々と登場する。食材と旅のオモシロ小説。
「成人までに嫁がねば一族を追放する」-山に閉ざされた村にある名家・後鑑家の末娘に脅迫状が届いた。事件は、相談を受けた大東亜帝国大学探偵助手学部・月々の体を張った解決策で一件落着、と思われたが、ゼミ教官で女探偵の猫柳十一弦は、これから連続見立て殺人が起こると推理。猫柳は惨劇を防げるのか!?
長い航海を終え、瀬戸内海に帰ってきた海賊・長曾我部元親は、何者かによって壊滅させられた故郷と、その場に残された徳川軍の旗を見て驚愕する。そして、盟友・家康に対する復讐を誓うのだが…!?人気沸騰のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム・ノベルがついに文庫化!4ヵ月連続刊行第3弾!
たった2日間だけど内人と創也の中二最大の学校イベント、職場体験学習の時期が来た。創也は早々にコンビニ「シャドウ」学校前店を選び、内人は悩みながらも片思いの堀越美晴と同じ図書館を体験先に選ぶ。彼らを待っていたものは?同じ頃、町では奇妙な出来事が起こり始めていた。少年たちの冒険が動き始める。
霧の早朝、私と鮭川は声を持たない聡明な赤目姫と三人でボートに乗っていた。目指す屋敷で、チベットで、ナイアガラで。私たちの意識は混線し、視点は時空を行き来し、やがて自分が誰なのかもわからなくなっていくー。これは幻想小説かSFか?百年シリーズ最終作にして、森ファン熱狂の最高傑作!
万引き事件を起こした少年は、得体の知れない女とひっそり暮らす無戸籍児童だった。憐れむべき存在かと思えた少年はしかし、刑事・夏目の捜査で予想外の相貌をみせる(「無縁」)。割り切れない事情が、時にやりきれない犯罪を生む現代。絶望がしのび寄る乾いた世の中に、わずかな希望のありかを探る傑作短編集。
猫の尻尾や人の目玉も入っていたことがあるという、蘭方医学塾のゲテモノ闇鍋会で殺しが発生。下手人は真っ暗な中で鍋を囲んでいた塾生の中にいるはずと、魚之進は鍋に残った得体の知れない肉を嫌々毒味するはめに。真相に近づく魚之進の命を正体不明の悪党が狙い、江戸の食と悪を巡る謎はますます深まる!
中学受験に失敗し、優秀な兄と比較されることにもうんざりしていた海生のもとに、祖父の急死の知らせが入る。ヨットの楽しさを教えてくれたおじいちゃんはもういない。サイアクの気分の夏休み、海生は親友の田明と家出を決意する。祖父の形見のディンギーに乗って。第57回産経児童出版文化賞大賞受賞作。
齢六十五、元定廻り同心の小六は足腰も弱り、剣術が苦手な見習い同心の孫・晋之介にさえ呆れられている。小六は偶然手に入れた若返りの秘薬を使って、晋之介の捕物の手助けを思いつく。青年に若返り晋之介の面前で悪党を退治した後、孫にとっさに告げた名前は「源十郎」。痛快度満点の超娯楽時代小説ここに開幕。
飛脚問屋江戸屋の千蔵はあくどいやつらを許さぬ正義感の持ち主。若い健脚たちを支えるのは、隣の力めし処あし屋の万作夫婦。駿足の信吉が御用に出た駿河で殺められたらしい。悲嘆に暮れる弟新次と敵討ちを誓う仲間たちが目をつけたのは!?人情ゆたかに江戸を駆け抜ける注目の新シリーズ!
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
都立高の弱小野球部にアメリカからの転校生、クリスが入部する。黒人の父と日本人の母を持つ彼の守備の腕前は超高校級。それに比べてバッティングが粗いクリスに「送りバント」を理解させようとチームメイトは秘策を考えつくがー。笑ったあと、腹底にグッとくる爽快青春小説。小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
地獄堂の四畳間で、てつしが偶然手に取った「見てはいけない本」。怖ろしい妖怪の姿が描かれたその画集は、どうやら伝説の大魔道士ゴールデン・アイズの持ち物らしい。なぜ、こんな画集をあの「おやじ」が持っているんだ?異能の者との非日常的な交流を通して、小さな霊能力者・三人悪はまっすぐに成長していく。
怪物スカウトの堂神は、他球団Gを逆指名している学生の強行獲得に乗り出すが、真の狙いはGの弱みを握ることだった(「ドラフト一巡目 指名拒否」)。獲得すること、選ばれることが勝利とは限らない。プロスカウト達の息詰まる攻防と、翻弄される選手らの命運に光をあてた傑作6編。