2016年7月発売
「売れるためには、落語以外の何かでマスコミに斬り込むンだ!」人気落語家の師匠の教えに従い“飛び道具”としてボクシングを始めた橘家小龍。過酷なトレーニングも何のその、次第にジムの面々や橘家一門も巻き込んで、本気でボクシングに打ち込んでゆく。目指すはチャンピオン!だが、その前に不敗のバンタム級王者が立ちふさがる!爽快にして痛快、青春小説の傑作。
“区外”のIT財閥二代目月島やしきが魔界都市“新宿”で姿を消した。捜索を依頼された人捜し屋秋せつらの前に、やしきの婚約者で絶世の美女滝王真奈と彼女の本当の婚約者を名乗る森童子識名が現われる。彼らは各々東北で覇を競った名家出身であり、“力”でせつらを排除し、自らやしきを捕まえるというのだが…。古から継がれる血の力と“新宿”の化身との戦いが始まる!
生まれ故郷の大坂からの帰途、秋月栄三郎は平塚に“喧嘩屋”の異名を持つ力士くずれの用心棒を訪ねた。五年前、栄三も無為な生活をおくっていた頃の親友で、怖いもの知らずの好漢だった。ともに足を洗っての再会を誓っていたのだ。旧交を温めるのも束の間、終始、笑顔を絶やさない喧嘩屋の変貌ぶりに驚いた栄三は…男伊達が胸を打ち涙を誘う、痛快長編時代小説!
破落戸に殴られていた老人弥平を助けた素浪人矢吹平八郎。その弥平が後から平八郎を尾けてきた。不審に思った平八郎が理由を尋ねると、盗人の自分を手伝ってほしいと言う!よくよく聞くと押し込み先を皆殺しにする同業の悪党“不動の政五郎”一味をお縄にかけたいらしいのだが、ただの義侠心からでもなく…。老盗人と素浪人の心意気が胸に沁みる、人情時代小説。
佃島の海に男の骸があがった。役人が正視できないほどの撲殺であった。仏は石川島の人足寄場を出たばかりの無宿人と見られたが、成り変わりと判明。探索の結果、三年前に起きた未解決の妙な押しこみ事件が浮上し、ひとりの風鈴を愛する妾の関わりが疑われるーやがて、すべての真実がひもとかれたとき、北町奉行所平同心・日暮龍平の豪剣がうなりをあげた!
幕府の切支丹弾圧の首魁である天海が江戸から消えた。天草四郎から力を授かった聖騎士であり、江戸の長屋で庭師として暮らす寅太郎は、天海を追い、安芸広島藩へと旅立った。そこで、古からの海の力を伝える少女と出会い、天下の名庭・縮景園では新たな平和な世を思い描く。だがその前に“三種の神器”を飲み込んだ天海が立ちはだかる!大河伝奇、最高潮へ。
戦国時代。下剋上の世にあって、大内・尼子の強国間で知略謀略を尽くして大大名となった毛利元就(「調略」)。伸長してくる後輩秀吉に、複雑な心境に陥る丹羽長秀(「腹中の敵」)。家康に重用された父のあとを継ぎ、幕府で権勢をふるった本多正純(「戦国権謀」)など、乱世を生きた様々な武将を描いた珠玉の10編。待望の新シリーズ刊行開始。
北の街にすむ学術論文執筆代行業者「代書屋」ミクラは、ひそかに想いを寄せる若い助教の研究室を訪ねる。しかし彼女は消えていた。すわ失踪、と思うもじつは、研究の詰めの調査のために南の巡礼の島・辺路島に向かったらしい。はかなげでほうっておけない、だから愛しい助教。彼女の研究はしあわせの正体を心理学的に解明すること。手がかりは助教の残した意味不明の走り書きのみ。ミクラは愛車・彗星号を質入れした旅費で辺路島へ向かった。島では優勝者がしあわせになれるという春祭り、別名・すごろく祭りがはじまる。果たしてミクラにできるのか、全島を舞台とした巨大すごろくに、人間駒となって参加して、助教を探しだすことがーしあわせになることが。
大学を卒業し、所長と同期社員ひとりだけの小さな私立探偵事務所に就職した松代。ある夜見た夢の中で、彼は城の前に立っていた。城内には、“夢の中の探偵事務所”所長を名乗るレミニセンスという若い女性がおり、「これが真相です」と赤い鳥を出現させ、「彼女が嘘をついているのです」と謎めいた言葉を口にする。翌日、事務所の依頼人の女性が、「今朝、職場の前にあるアパートで火事が起きた」と話す。一年間で四回、同じ部屋から出火しているというのだが、松代がアパート前で聞き込みをすると、火事のことは誰も知らないという。「嘘をついている」のは彼女なのか?
大阪ミナミの雑居ビルにある、「ビンテージ&アンティークショップ アシュリ」。アメリカのミッドセンチュリー家具を中心とした西洋古家具店だ。ふと訪れた女子大生の季子は、店頭にあった猫のブックエンドを誤って壊してしまったのをきっかけに、アルバイトをすることになった。時を経た家具に囲まれた店は落ちつくけれど、店長も来客もなんだか謎めいていてー使い込まれた家具が呼び込む、奇蹟によく似た物語。
1970年ー新宿。ナポレオンヘアのフーテン族、深夜営業のジャズ喫茶、東口のグリーンハウス…。強烈なカルチャーとの出会いが、大学生の僕の価値観を変えた!アラウンド’70の新宿を憶う昔懐かしい7つの青春小説。
浅草寺裏手で商う仏壇仏具の浅深屋半兵衛は、じつは腕利きの淫具職人。武家の姫君から吉原の遊女、尼僧まで、あらゆる身分の女性がお得意様だ。そんな半兵衛に、大名の奥方から義妹の観月院を還俗させよとの密命が下る。その裏には、さる雄藩の醜聞が秘されていた。淫道の相方・美雪とともに半兵衛が奔る!
豪雪の町ボルトンに隠された複雑な歴史に、リーチャーと地元警察は翻弄される。大量の覚醒剤が密造された場所が特定できないまま、時間が過ぎる。メキシコから指令を送る密売組織の黒幕がボルトンへ向かい、リーチャーに無情のタイムリミットが迫る!シリーズ映画化で話題沸騰のアクション・サスペンス。
少年の旅は、甘くてほろ苦い。切なさの魔術師・乙一の快心ミステリ!大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、乙一が仕掛ける意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化! 少年の旅は、甘くてほろ苦い。 切なさの魔術師・乙一の快心ミステリ! 作家活動20周年、傑作ついに文庫化。 大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、乙一が仕掛ける意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化! この作品を書くすこし前にポーランドへ行く機会があった。アウシュヴィッツ収容所には立ち寄れなかったが、この国の地面で、それがおこなわれたのだとおもいながら石畳をあるいた。旅で感じたことを少年の冒険活劇に重ねようと決めた。作中で詳しく書いてないが、主人公の少年はユダヤ系の移民という設定だ。冒険活劇を書くのは、はじめてのことだった。自分にそんなものが書けるのかどうかもわからなかった。頭の中に想定した読者像は、小学生のころの自分だ。漢字のテストができなくて居残りして、脳に欠陥があるんじゃないかと思い詰めてうなだれている少年の僕にむけてこの本を書いた。-乙一 prologue 1章 2章 3章 4章 epilogue
11歳の時、想いを寄せる年上の少年に犯され、沙織は性愛にわだかまりを持つようになる。17年後、モデルとして成功し婚約者と帰郷をした沙織は、その男、恭司と予期せぬ形で再会、攫われ監禁される。男の不思議な心遣い、物々しい拘束、沙織への行為は続いてゆく。二人の奇妙な生活、そして異形の愛の行き着く先は?
ナマコとコノワタを愛する作家の「私」は、新宿の居酒屋店主に誘われて、知床半島への旅に出る。そこで出会った漁師との縁で、「私」はその後、国際都市・香港でのナマコ取引現場に立ち会うことに。高級食材として需要が急増するナマコをめぐり、アヤシイ男たちが続々と登場する。食材と旅のオモシロ小説。
「成人までに嫁がねば一族を追放する」-山に閉ざされた村にある名家・後鑑家の末娘に脅迫状が届いた。事件は、相談を受けた大東亜帝国大学探偵助手学部・月々の体を張った解決策で一件落着、と思われたが、ゼミ教官で女探偵の猫柳十一弦は、これから連続見立て殺人が起こると推理。猫柳は惨劇を防げるのか!?