2016年9月23日発売
ある日、彼は同級生を殺した。時が経ち、わたしは彼と再会した。そして徐々に、気持ちが動いたー。罪を犯した人間はどう生きていけばよいのか。気鋭の作家が問いかける、少年犯罪のゆくえ。
高校生のあさぎは、2年前に急逝した友人の基が遺した日記を譲り受ける。ある記述をきっかけに、彼が死なずに済んだ可能性を探ることにしたあさぎ。基の死は、ずっと心のしこりとなっていたのだ。クラスの男子・八女とともに、基の死の直前の行動を再現してみるが、そんなふたりを追う影があった…。一方、町では終末思想に影響された新興宗教団体の信者が、立て続けに謎の死を遂げるなど、不穏な動きを見せる。教団とあさぎたちの目的は、しだいに思いも寄らぬ形で交わってゆく。特別な意味をもつ夏、高校生のふたりが呑みこまれてゆく歪な世界。そこで、彼らは「分岐点」に立たされることにー。
かつて防空壕だった三ツ穴に隠れ棲むビン底眼鏡をかけた謎の男。得体の知れないその男をめぐり、大人たちの様々な想いが交錯する。そのとき、少年哲也の目に映ったものとはー!?“謎の男”と少年の心の交流が胸を打つ表題作「穴おやじ」ほか、郡上おどりの情熱の輪に、夢幻の“命の炎”が舞う「吉田川」、全てを失った男二人の邂逅がもたらす“再生”への道「ヒッチハイク」、山中で遭難したクライマーが“過去”との再会を果たす「風の栖」、日常の中に潜む、切なくも不可思議な奇跡を描いた四つの物語。
「俺がそばにいてやる」。花火大会の夜、千秋への想いに終止符を打って泣き崩れる美咲は、夏向に抱き締められた。不器用ながらもストレートに想いをぶつけてくる夏向に向き合おうとする美咲。しかし、冬真の調理師学校退学や、東村によるレストラン買収計画、さらには兄弟の知られざる真実が明らかになるなど、柴崎家に次々と試練が訪れ…。『Sea Sons』の運命、そして美咲の恋の行方は?胸キュン・ラブストーリー、いよいよ完結!