2016年9月発売
大失態!資産家の娘が誘拐された。身代金四億円を積んだ車を追跡していた北多摩署の面々は、犯人を取り逃がしてしまう。四億円は消え、娘は還らない。一方、蟹沢・相馬の名物コンビは銀行強盗が支店のガラスドアに残したローズ色の口唇紋を手がかりに、お得意の独自捜査を開始する。署の窮地を救えるか。
世間を騒がす謎のCM美女「Qrosの女」の素性を暴くべく奮闘する「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太。CMで彼女と共演した人気俳優・藤井涼介の自宅を、先輩記者・栗山と一緒に張り込むとそこに当人が!?藤井との熱愛スクープ・ゲット!それともリーク?錯綜するネット情報と悪意。怒涛のエンタメ誕生!!
偽造パスポートで帰国を決意した北都。イギリスの警察網をくぐり抜け、マドリード経由で小さな船の四等船室に潜り込み、祖国を目指す。東京で待ち受けていたのは、GHQら占領軍の取り調べ、ベルリンで運命を共にした記者の尾形、それに…。第二次大戦のヨーロッパを描いた著者のライフワーク、遂に完結!
幕末維新を駆け抜け、散っていった新選組。有名幹部たちの華々しい活躍の陰で、語られることのなかった平隊士たちの人生もまたあった。夢、希望、そして家族と生活。彼らに人斬りの志はあったのか。男たちの最後の夢とは。近藤でも土方でも沖田でもない新選組の物語が、ここに始まる。
神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人が記者・陸奥藍子と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、館。メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!
離婚を切り出された脚本家の野田隆介は、夫婦円満なホームドラマのシナリオを書きながら悩む。二人の子供は十分に育ち、手はかからない。だが自分は妻と別れたくない。その理由は何だ。世間体か?お金か?妻を愛しているからか?ドラマは高視聴率のまま最終回に向かい、離婚期日は刻一刻と近づく。
シャーロキアンの展覧会に招かれた崇と奈々は、またもや事件に巻き込まれる。参加者の一人、槿遼子が会場である館の二階から墜落。遼子の手にはスミレの花が握りしめられていた。崇は事件の鍵を「紫」と指摘。ホームズと紫式部、物語と現実が綯い交ぜとなって奇想の結末へ。「QEDパーフェクトガイドブック」収録。
狐のお面に着流しで奈良を闊歩する不思議な青年「狐さん」は、春日大社で中学の同級生だった「烏」と再会。烏は狐の幼馴染み・揚羽への10年越しの想いを遂げるため関西に戻ったと告げる。恋成就の協力を求めて、烏は狐に同僚の美女を紹介するが、奈良公園で鹿から助けた眼鏡美少女が何故か狐の脳裏に浮かんで…。
大手製薬会社の食堂で、自社の人体実験を告発する文書が見つかった。慌てるコンプライアンス課をよそに、研究員が自宅で怪死。事件性が疑われるも、研究員はアレルギー発作によるショック死と断定される。猫背のスイーツ男子、経済学捜査員・伏見が、殺人の「効用」を分析して犯罪動機と真相に迫る人気シリーズ!
東京オリンピックを控え東京湾警備拡充のため水上警察署が新設された。配属された現場一筋の熱血刑事・碇拓真は無人島の第六台場で白骨死体を発見、事件に絡み暗躍する半グレ集団の尻尾を掴む。一触即発の不安の中で迎えた、都知事臨席の水上観閲式での警備艇追跡劇!痛快度満点の新警察小説。
料理研究家の水谷有明は、和食レストランチェーンのメニュー監修を依頼された。その根幹に“糖質制限食”を据えようとするが、社長と意見が対立。有明は進退をかけ、師匠である和食界の重鎮と料理対決をすることに。糖質制限vs.日本の主食。有明は師匠に勝てるのか?ダイエットにも効く、身に染みるミステリー!
五年ぶりに再会した元上司とのスリリングな会話に込められた“わたし”のたくらみとは?表題作「五年前の忘れ物」のほか、一戸建ての購入に悩む夫婦の機微を描いた「角砂糖の家」、上京してきた母と残された時間。母子の心を繊細に綴る「ニリンソウ」など十篇の物語。巻末特別・描き下ろし漫画も収録!
晩春三月二十九日の江戸は厄災の夜となった。一晩で五組七人の死。屋台の蕎麦売り、材木問屋と深川芸者、旗本、屋根船の若い男女、そして柳橋芸者の小菊…。おまえが殺したようなものだ。おのれを責めながらも、隼人は複雑にからみあう謎に立ち向かう。誰が何のために小菊を殺したのか?
老中・田沼意次が放った異能の剣士・涸沼源二郎との勝負に破れた半四郎。涸沼による半四郎への止めの一撃を妨げた浅間山の噴火は、ますます激しさを増す。松平定信の家老・服部半蔵正礼の驚愕の出自と明らかになる幕府打倒の隠密計画。魑魅魍魎が浅間山に集結し、この世の終焉の気配が近づく!
明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。シリーズ最大の謎が決着する。吉川英治文学賞受賞作。
「許せないんだよ」「りゅ、ふう、…っぐ、りゅう、流産が」。二十七歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」。他「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」収録の奇跡の短篇集!
一年以上前に失踪した妻から、突然かかってきた電話。「自分が出ているから」と指示されテレビをつけると、そこには白骨化した左脚が発見されたというニュースが流れていた。妻は生きているのか?電話がかかってきた意味とは?壮大なスケールで繰り広げられる超絶ミステリー。
公園の片隅で発見されたホームレスの死体。身元不明の被害者を洗う警視庁捜査一課の棟居は、八年前の迷宮入り強盗殺人事件との関連に気づく。二つの事件を繋ぐ糸を手繰るうちに、棟居はかつて北アルプスで出会った、失踪した夫を捜す美しい人妻と再会する。
笠原武大は、妻を殺害した罪で千葉刑務所に服役している。だが、一日も早くここを出ると決意していた。たとえどんな手を使ってでも。綿密な計画を練り、数十台のカメラの監視をかいくぐって、笠原は高さ3.5メートルの塀を越えた。大胆な行動で警察の追跡を躱しながら、“あるもの”を手に入れるために北を目指す。一方、捜索の指揮を執る田臥健吾警視は、警察庁の公安課に属し、本来は畑違いであるはずの自分が追手に選ばれたことに疑問を抱いていた。追う者と追われる者、それぞれの思惑と疑念が交差するなか、笠原の娘・萌子が誘拐されたというニュースが飛び込んでくるー。