2016年発売
ここではないどこか、誰も書いたことがない世界を書きたいーー気鋭の作家の新感覚小説! 失踪した音楽家の父を捜すため、西海岸の難関音楽学校を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人ーー「アメリカ最初の実験」とは? ピアニストの脩が体感する〈音楽の神秘〉。才能に、理想に、家族に、愛にーー傷ついた者たちが荒野の果てで摑むものはーー西海岸の風をまとって、音楽が響き渡る……著者新境地のサスペンス長編。
私は母国より、あなたを選んだ……大ヒット「あん」の著者が描く日韓のロミオとジュリエット! 孤独の街で、二人は出逢った。ミュージシャンとして成功を夢見る拓人と脚本家となり夢の物語を紡ごうとするユナ。互いの心の隙間を埋め合った二人は、日本人と韓国人の障壁も乗り越え世界を共有していく。だが拓人の道が開けかけた時、運命の日が訪れたーー9・11 を体験した作家が描く、心がちぎれるほど切ないラブストーリー。
古い絵はがきに綴られた十行の詩。細くながく結ばれてゆく幻の「詩人」との縁を描く待望の長篇。留学生時代、古物市で見つけた一九三八年の消印のある古い絵はがき。廃屋としか見えない建物と朽ち果てた四輪馬車の写真の裏には、流麗な筆記体による一篇の詩が記されていた。やがて、一枚また一枚と、この会計検査官にして「詩人」であった人物の絵はがきが手元に舞い込んでくるーー。二十数年にわたる縁を描く待望の長篇。
内戦終結後、出所した劇作家を迎えて十数年ぶりに再結成された小劇団は、山あいの町をまわる公演旅行に出発する。しかし、役者たちの胸にくすぶる失われた家族、叶わぬ夢、愛しい人をめぐる痛みの記憶は、小さな嘘をきっかけに波紋が広がるように彼らの人生を狂わせ、次第に追いつめていくー。鮮やかな語りと、息をのむ意外な展開。ペルー系の俊英がさらなる飛躍を見せる、渾身の長篇小説。
母を亡くし、施設に引き取られてきた少女・志場崎安那。彼女は持ち前の明るさで、辛い経験を持つ仲間たちを盛り上げていく。十五年後ー。突然のニュースが舞いこむ。アンナが男を刺して逮捕された、と。何がアンナにあったのか。彼女と出会い、かけがえのない時をすごした仲間が集まり、奔走をはじめる。やがて、アンナがひた隠しにしていた過去が見えてくる…。著者自身も愛読した名作へのオマージュをこめた、感動の物語。
ルアイン軍を撃退し、歓喜に沸くエヴラール城。だがキアラは、人を殺したことに対する罪悪感と怯えに苛まれる。仲間達との交流を通じて気持ちに折り合いをつけたキアラは、みんなを守るために戦うことを決意。自軍を勝利へと導いていく。激しさを増す戦いの中で、王子レジー、そして騎士カインからの思わせぶりなアプローチを受け、心が休まるヒマもない!?一方ルアインでは、レジーの命を奪おうと暗躍する影が…。激化する戦い、暗殺者の魔の手、新たな仲間、気になるアプローチ…!?心が揺れる、第2巻。
大学生の花沢多摩子は書道が恋人の変わり者。祖母の部屋で古びた簪を見つけたその夜、春風と名乗る花魁の幽霊が現れる。多摩子に花魁は笑いながら「本物の恋を見ることができれば成仏するかもしれないよ」と告げる。自分に取り憑いた幽霊の言葉を信じ、多摩子の体を貸して、悩める人の恋を手練手管で成就させることに。かくして妖艶で口の悪い花魁と地味で無口な書道ガールによる「最強の恋愛アドバイザー・春風さん」が誕生した! 恋模様は十人十色。泣いて空まわりして打ちのめされても、好きって無敵。あなたの恋を、二人が全力で応援します! 文庫書き下ろし連作短編集。
動乱の幕末維新。若き薩摩藩士・五代才助ーのちの五代友厚は、藩の命を受けて長崎海軍伝習所に学び、世界を知った。勝海舟、坂本龍馬、高杉晋作、貿易商のグラバーらと知己を得、薩英戦争後に若き留学生を連れて渡欧。自国に西洋社会の豊かさをもたらすべく、維新後は武士を捨て、士魂を持つ実業家として活躍を始める。大阪を“東洋のマンチェスター”にする夢を描き、大阪商法会議所などを設立し、日本経済の基盤を築いた風雲児の豪快な人生を描いた傑作歴史小説『士魂商才 五代友厚』を改題し、装いも新たに刊行!
北海道警刑事・平和男は、違法DVD販売の疑いで、元中学教諭の男を管轄外の東京・西日暮里の自宅まで逮捕に向かうも、男は拳銃を発砲し逃走してしまう。ただちに緊急配備が発令され、機動捜査隊浅草分駐所の面々も出動するが、この事件の背後には特殊詐欺の影が。犯人をとり逃がし責任を感じる平は、意地の捜査で手がかりを掴もうとするがー。
正義派弁護士・朝日岳之助のもとを、房野麻紀子という女子大生が訪れた。母親である千枝の弁護依頼のためだ。千枝は、元愛人の男を殺したと自首したが、法廷で自供を覆し、無罪を主張。だがその公判で、傍聴席から犯人だと名乗り出たのは娘の麻紀子であった。その後の法廷で次々と覆る“真実”。母娘の目的は何か。朝日は真犯人をつかめるのか!?
風采は上がらないが頭脳は明晰、発明家兼探偵の百栗柿三郎。大正時代の浅草を舞台に、女中の千代、居候の小学生・玉緒、迷い犬のハチとともに難“怪”事件に挑む!先進の科学知識を駆使して、“雪に閉ざされた密室の殺人”“屋根裏の住人の告白”“読めない脅迫状”“消えた工女”の謎は解けるのか!?本格ファン感嘆のミステリーシリーズ第2弾!
物の値段を見張り、店に指導する役回りの同心を務める澤本神人。家では妹の忘れ形見である多代を男手ひとつで育ててきた。今日も子分の庄太とともに江戸の町を見まわるが、そこでは値段の裏にあるさまざまな人情や思惑がからみあい、神人を悩ませる謎と悪事が待ちうけていた。やがて未解決の贋金騒動の真相に迫りー新機軸の時代ミステリー誕生!
神奈川県警の白バイ隊員になったばかりの本田木乃美は、違反ドライバーからの罵詈雑言に泣かされる日々。同僚の女性隊員・川崎潤ともぎくしゃくしている。そんな中、不可解なバイク暴走死亡事故が発生。木乃美たちが背景を調べ始めると、思いがけない事件との接点がー。隊員同志の友情、迫力満点の追走劇、加速度的に深まる謎、三拍子揃った警察青春小説の誕生!
歌舞伎町で事件を解決した「性活安全課」は、警視庁直轄となり、六本木に移転。美人キャリアの真木洋子らは、新天地で売春捜査を進めるうちに、危険な媚薬の存在を突きとめる。この媚薬を調べると、半グレ集団、芸能事務所、大手企業へと事件がつながり、大抗争に!美人刑事が体当たりの潜入捜査に挑むも…。大人気の警察官能小説第2弾!!
江戸は下町の商店で若い娘が立て続けに押し込み強盗に殺害され、数十両の金が奪われた。現場に残された紙片には狐の絵が描かれていたことから、盗賊は「火狐」と呼ばれる。南町奉行所同心・大沢源之進は間もなく火狐一味を捕らえるが、真の下手人はほかにいると睨み、やがて町で評判の火消・多助に目をつける…清張賞作家が放つ時代サスペンス!
東北の都・仙台にある本当寺には、振袖姿のかわいい幽霊・お鈴さんが住んでいます。お鈴さんは大きな呉服屋の一人娘。ある未練を残して17歳で死んでから、かれこれ160年も浮世をさまよっているのです。一方、父の墓参りにやってきた地元の信金勤めの村田カエデは、うっかりお鈴さんの墓石に蹴つまずいたことから「奉公人」に指名され、手足となって働くことに…。「幻想」シリーズの著者が贈る、あったか可愛いファンタジー!振袖少女&平凡女子、時代超越のコンビのほっこり事件簿!
テレビでは連日連夜「小泉首相が平壌を電撃訪問」のニュースが報じられていた。その直後、横浜の寿町の市営アパートで老女が殺された。犯人は、手紙の行方を韓国語で尋ね、老女が否定するとサバイバルナイフで首筋を斬りつけ、立ち去ったー。伊丹夏生は、元陸上自衛隊員で、除隊後、ミャンマーの少数民族、カレン族の解放軍の傭兵として戦っていた。歌舞伎町と新宿西口で焼肉店を経営する朴昇一は、密かに伊丹と連絡を取り、彼の帰国をうながした。伊丹は朴から、寿町で殺された母親のことを話され、殺人の動機となった手紙のコピーを見せられた。その手紙には、なにが書かれていたのか!?北朝鮮の闇を抉る、衝撃の書下ろし社会派ミステリー!